『ディック・ロングはなぜ死んだのか？』を見た。『スイス・アーミー・マン』のダニエル・シャイナート監督作である。
舞台はアメリカの田舎町である。ジーク（マイケル・アボットJr.）、アール（アンドレ・ハイランド）、ディック（監督本人）がバンドの練習をしながらバカ騒ぎをしている。ところが、なんだかよくわからない事情でディックが瀕死の重傷を負い、どうも事情を秘密にしておきたいらしいジークとアールはディックを病院の前に放置する。翌日、ディックが亡くなったという情報が入り、ジークとアールは隠蔽工作を行おうとする。
『スイス・アーミー・マン』の監督らしいオフビートなブラックコメディなのだが、登場人物にある程度奥行きがあった前作に比べると、登場人物がほぼ共感できないくらい間抜け揃いである。そして私は実はタイトルが下ネタでネタバレなのではないかと思いながら見に行ったのだが、見てみたら本当にタイトルが下ネタでネタバレだったので、あまりオチにびっくりしなかった…というか、そんなに驚くような意外性のある展開ではないと思う。むしろジークがあまりにも考え無しにいろいろな隠蔽工作をするあたりが可笑しい。
