参宮橋トランスミッションには行きたくないと思った~『全ての魔女たちへ』

 劇団やりたかった『全ての魔女たちへ』を見てきた。シェアハウスを経営しているクローゼットなゲイカップルと、シェアハウスに住んでいる住人たちを中心にしたロマンティックコメディである。

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 ウェブページにシェイクスピア風の『お気に召すまま』と書かれており、たしかにちょっとそういうところがないではないのだが、そんなにシェイクスピア風というわけでもなかった。全体的には笑えるところはあるのだが、けっこうつじつま合わせや掘り下げが足りない感じの台本だ。全体的にキャラクターがあまりにも鈍かったりおおっぴらに浮気性だったり極端に図々しかったりしてちょっと類型的だし、一応最後に回収はあるものの序盤で男性のような容姿の女性に対する若干の容姿差別ネタがあって居心地が悪いし、シェイクスピア風異性装ネタはかなりリアリティがない。

 ただ、いろいろ詰めは甘くてもまあ面白いところもあった一方、劇場のほうにかなり問題があり、正直、もうこの会場である参宮橋トランスミッションには行きたくないと思った。劇場にこんな張り紙が貼られており、たしかに劇場経営が厳しくてキレかけているのはわかるのだが、お客に見えるところにこんなアジビラみたいな張り紙をするのはひどいと思った。

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 全体的にあまり知性が感じられない文章なのだが、まず、新型コロナウイルスを風邪扱いというのじたい問題があると思うし(この張り紙を見る客の親戚や知り合いなどに重症化した高齢者とかがいたらどう思う?)、国民を「夢遊病」扱いしているあたり、国民である客にも夢遊病の方にも失礼である。参宮橋トランスミッションこんな声明ものっけていて、新型コロナウイルスを「武漢肺炎」などと呼んでおり、民族差別でもしたいのかと思った。さらにどちらの声明も脱字や誤字(『三蜜』はわざとなのかもしれないが、そうだとしたらアホっぽい)があって校正不足だ。ずいぶんと頭の痛くなるような文章である。さらに、この小屋はジアイーノを使っていることをやたらアピールしているのだが(これもどんだけ効くもんだかと思うが)、一方でけっこう小屋の中が暑い。とりあえずこんな声明を張り出しているい小屋なんていうものにはもう行きたくないと思った。