カポーティの「娘」~『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』(試写、ネタバレ注意)

 『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』を試写で見てきた。作家のカポーティに関するドキュメンタリー映画である。

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 ジョージ・プリンプトンの評伝が原作に近い位置づけで、プリンプトンの取材テープの公開…ということになっているのだが、何しろテープをかけているだけでは単調になってしまうので、わりと映像のインタビューが多い。コルム・トビーンとかジェイ・マキナニーとか、有名な作家もけっこう出てくる。終盤は未完の大作『叶えられた祈り』の原稿の行方についての話が中心で、これは最初の一部だけが公開されており、あとの部分が見つかっていない。カポーティは書き上げたと言っていたらしいのだが本当に全体の原稿はあるのか、あるとしたらどこにあるのか…といった謎がとりあげられている。

 とくに面白いのはカポーティの「娘」が出てくることだ。全く知らなかったのだが、カポーティには養女がいたそうで、その娘であるケイト・ハリントンが取材に答えてカポーティの個人的な生活ぶりについてもいろいろ話をしている。ハリントンはなんとカポーティの元カレの娘だそうで、いろいろあったせいでハリントンの父であるジョン・オシェイは家を出ていってしまい、暮らしていけなくなった時にハリントンがカポーティに連絡したところ、カポーティがハリントンを引き取るような形になったそうだ。ハリントンの口ぶりからすると、カポーティは型破りなところはあってもけっこう思いやりをもってハリントンを育てていたらしく、後年ドラッグ中毒がひどくなるまではちゃんとした養父だったらしい。カポーティはわりと付き合いにくく、わがままな人だというイメージがあったので、自分から子育てをしていたとはなかなか意外だ。家庭崩壊について多少責任感があったのか、それともハリントンはわりと小さい頃からしっかりした感じの子だったようなので、うまがあったのかもしれない。なお、映画の中では触れられていないのだが、ハリントンは映画の衣装デザイナーで、元夫は『プレデター』の監督で後に犯罪でつかまったジョン・マクティアナンである。