フォスフォレッスセンスの有料オンライン配信で『ザ ウィンターズ テイル／アンダーグラウンド』を見た。
シェイクスピアの『冬物語』で、ハーマイオニー（岡崎さつき）がポーリーナ（葵）の屋敷に隠れていた16年間はいったい何があったのか…という発想で描かれた翻案である。登場人物はこの2人の他にハーマイオニーの彫像を作っている彫像師（丸山港都）しかいない。ハーマイオニーとポーリーナの間には優しい親密な感情があるのだが、かなり深刻なすれ違いやわだかまりもあり、とくにハーマイオニーは気を遣いすぎている。隠れて暮らさないといけないハーマイオニーが明らかに自粛自粛で外に出られない今の状況と重ね合わされており、非常にロックダウンを意識した芝居である。ちょっと台詞に自然さが欠けているところがあるのが気になったが、配信であるため少しアニメーションなどを使った挿入映像などもあり、全体としてはわりと工夫されている。
