ウースター・グループが苦手かも…『タウンホール事件』(配信)

 ウースター・グループの『タウンホール事件』をシャウビューネ劇場の配信で観た。2019年の上演を撮影したものである。

www.schaubuehne.de

 まず、1971年に行われたフェミニズムに関するタウンホールミーティングがあり、それのドキュメンタリー映画である1979年のTown Bloody Hallというのがあって、この作品はTown Bloody Hallをもとにした演劇…というか、後ろでずーっとこの映画が流れていて、前でそれと同じ場面を役者がやるというものである(完全に同じというわけではないのだが、だいたい似ている)

 正直、全然面白いと思わなかった…というか、完全に好みの問題で、こういうのが好きな人がいるのはわかるのだが、個人的にはなんか気取った技術的実験だなぁとしか思えなかった。まず、映像と役者の音声が二重になるだけで単純に聞こえづらい。ノーマン・メイラーが2人になっていたり、途中から映画『メイドストーン』の一部が流れてこのメイラー同士がケンカしたりするあたり、なんでメイラーだけそんな扱いなんだろうと思った。レズビアンの活動家であるジル・ジョンストンはかなり規格外な感じの人でちょっと面白いのだが、それ以外は別に映画を観ればいいじゃないかと思ってしまった。私は以前ウースター・グループの『トロイラスとクレシダ』を観て全く面白くなかったので、たぶんそもそもこのカンパニーが苦手なんだろうと思う。