基本的に監督本人の実体験をもとにした作品らしい。ニューヨークで働いている写真家の達也（永瀬正敏）が弟の章人（オダギリジョー）の死亡の報で名古屋に帰ってきて、もうひとりの弟である隆史（金子ノブアキ）とも再会するという話である。これに熱田神宮のお祭りなど、名古屋の地元の風物が重なる。
全体的にお話は私がかなり苦手なタイプの静かな私小説っぽいものなのだが、それ以上に全体的に雰囲気だけみたいな脚本だと思った。整理されないまま説明不足でいろんな人が出てきて、不要と思えるところがたくさんある。明美（今井美樹）は全く要らない登場人物だと思う…というか、むしろこんなところで女性を出さないほうがいいと思った。章人まわりはなんかもういろいろ脚本がスカスカで、完全にオダギリジョーと永瀬正敏の演技だけで保っている感じである。それで展開がたるんでくるとやたら熱田神宮などの風景が出てきて突然観光映画っぽくなるところもどうかと思った。
