ブリットポップの束の間の夢~『オアシス:ネブワース1996』

 『オアシス:ネブワース1996』を見てきた。

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 1996年にオアシスがネブワースで行った2日間のライヴを撮影したものである。チケットを入手しようとしたファンたちの頑張りから始まり、当時どれだけオアシスが人気があったかのかがわかる構成になっている。けっこうファンにきちんと取材して当時の様子を話してもらっているところが面白く、これがイギリスの若者にとっては国民的イベントだったんだなということが見てとれる。

 オアシスのパフォーマンスも良いし、90年代半ばのまだ夢があった(もちろんBrexitなんかしていなかった)時代のイギリスのブリットポップの熱気が伝わってくるコンサート映画だ。若い頃のリアムのステージ上のカリスマがとにかく凄い。ただ、ジョン・レノンっぽいメガネっ子リアムと、もうちょっといたずらっぽくエネルギッシュなリアムの両面を見せようとして、最後の「アイ・アム・ザ・ウォルラス」で明らかに2日分のつながっていない映像を無理につなげて編集しているのはちょっと不自然だと思った。

 なお、映画の中では私がいつもすごく気になっている「オアシスの歌詞がへんちくりんすぎる問題」もとりあげられている。何しろノエル自身が認めているくらいで、オアシスの歌詞の中にはとにかく意味不明なものがある。こんなに長年歌い続けられる曲になるならもっと歌詞とかをきちんと完成させればよかったというような話が出てくるのだが、これは本音だろうなと思った。