たしかにこれは上演したくないだろうな…『ローマ帝国の三島由紀夫』(配信)

 『ローマ帝国三島由紀夫』を配信で見た。岸田國士戯曲賞の候補になったのに上演されたことがないという古川日出男の戯曲を木村龍之介演出でリーディング上演したものである。

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 内容はまあなんだか非常に説明しづらい作品なのだが、イタリアの地底が舞台で、ツアーガイドの仕事をしていた三島由紀子(七味まゆみ)、由紀子に夢中のサンボンギ(成河)、鶏を自称するマサハル(岩崎MARK雄大)などが出てきていろいろある。途中でオスカー・ワイルドの『サロメ』の劇中劇っぽいものもある。3時間くらいある作品である。

 まあこれは誰も上演したくないだろうと思うような作品だ。小説みたいにト書きが長いし、ふつうに上演して面白いかと言うと私はきっと面白くないのではないかと思う。読み物を読み上げてもらっていると思って見たほうがいいのかもしれない。私はこういう作品は苦手だが、役者陣の演技はとても良いし、パイプ椅子がたくさん出てきて、最後には台本が舞台に散乱しているというのはリーディングとはいえ木村龍之介っぽかった。