広間の後ろのオリエンタルな絵柄はいったい…モデナ市立歌劇場『チェネレントラ』(配信)

 『チェネレントラ』をオペラストリーミングの配信で見た。2020年12月30日にモデナ市立歌劇場で録画されたものである。アルド・シシロ指揮、ニコラ・ベルロファ演出・衣装による公演である。

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 年末の上演ということで、温かみのある感じにまとめたプロダクションである。わりとセットは家庭的な感じで、鍋などがたくさんぶら下がった長いテーブルのあるキッチンのセットで始まり、中盤以降は真ん中にソファのある広間で展開する。歌はもうちょっと迫力が欲しいと思うところもあったのだが、チェネレントラことアンジェリーナ(パオラ・ガルディナ)とラミロ王子(アントニーノ・シラグーザ)が出会うところのお互いにそわそわした感じなどが良い。アンジェリーナのお姉さん二人なども過剰に派手なドレスは着ていなくて、アンジェリーナは花嫁みたいな白いドレスを着ているし、全体的にわりと落ち着いた感じだ。あまり仰々しくなく、可愛らしい感じでまとめている。

 ちょっと不思議だったのは、終盤以降で広間の後ろに設置されている壁の模様がやたらオリエンタルな絵だということだ。ピンクの地にいろんな人が描かれているものなのだが、これはイマイチどういう意図でデザインしたのかよくわからなかった。そもそもこういう落ち着いた感じのプロダクションにはあんまりあわない、ちょっとごてごてした感じの壁では…と思う。