コンセプトは良いが、映像としては…『ウィンザーの陽気な女房たち』(配信)

 ギルドフォード・シェイクスピア・カンパニーの『ウィンザーの陽気な女房たち』を配信で見た。2019年の上演をもとに、役者たちをリモートで撮影し、1970年代のシットコム4話分という形にして有料配信するものである。キャロライン・デヴリンが演出をつとめている。

www.guildford-shakespeare-company.co.uk

 1970年代のシットコムという設定は大変良い…というか、そもそも『ウィンザーの陽気な女房たち』というタイトルじたいなんかちょっとシットコムっぽい。たぶんライヴでの上演はすごく面白かったのではないかと思うのだが、このバージョンはかなり撮影に問題がある。何しろリモートでひとりひとり役者を別々に撮影しているのため、合成の関係で色味が非常におかしくなっているところがある。また、場面と場面で小道具が同じではなく、つながっていないところがある(フォルスタッフがバーでワインを飲むところ、バーの主人とフォルスタッフが持っているワイングラスが違う)。既にいろいろリモート合成の舞台は見ているのだが、これはコンセプトはともかく撮影とか編集はかなり急ごしらえで無理をしている感じに見えるほうである。