これはいつかフルの『ハムレット』に…?『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』

 彩の国さいたま芸術劇場でG.Garage番外公演『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』を見てきた。坪内逍遥の台本を使い、河内大和がだいたいは1人芝居で亡霊や劇中劇などは能楽師の津村禮次郎がつとめ、音楽はスガダイローがつけるというものである。ほとんど即興で、稽古は全然していないそうだ。

 右手にピアノがあり、舞台中央に1人芝居用ブースがあって、ここにあるちょっとした小道具類を使いながら全部の役を河内大和が読む。亡霊や劇中劇などは舞台後方から登場し、ブースの前まで出てきてやることもある。亡霊が出てくるところなどでは河内大和がブースから出てインタラクションすることもある。台本はけっこうカットされており、100分ちょっとくらいである。

 坪内の台本なので、非常に格調高いが言葉じたいは難しく、それを1人芝居でやるので、たぶんもともとの話を知らないとよくわからない上演だろうとは思う。最初のほうは何しろ即興ということで、ややわかりにくいリーディングに音楽がついているだけみたいな感じもしたのだが、中盤くらいからノってきてエネルギッシュで良くなっていったように思う。ただ、正直なところ、まだできあがっていない構想を見たというような印象はぬぐえないので、ここでやった実験的な「準備」を生かしてG.Garageでフルで『ハムレット』を是非やってほしい。