デヴィッド・ヘアが苦手なのかも…『ストレイト・ライン・クレイジー』

 ナショナル・シアター・ライブ『ストレイト・ライン・クレイジー』を見てきた。デイヴィッド・ヘアの戯曲をニコラス・ハイトナーが演出し、ブリッジ・シアターで上演したものである。

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 ニューヨークの実在した建築家ロバート・モーゼス(レイフ・ファインズ)を描いた伝記ものである。1920年代にロングアイランドに市民のためのビーチを作ろうとした時のことが第1部、その30-40年後くらいにどんどん強引な開発計画で非難されるようになっていく時のことが第2部になっている。タイトルは「直線狂」という意味で、直線道路を通そうとするモーゼスの情熱を指している。

 つまらない芝居というわけでは全然ない。ファインズは熱演だし、最近注目されているらしい都市計画・建築が専門のジャーナリストであるジェーン・ジェイコブズ(ヘレン・シュレシンジャー)が出てくるあたりもいい。ただ、以前に『スカイライト』を見た時もあまりピンとこなくて、この作品も「まあ面白いけどそれ以上では…」という感じだったので、どうも私はデイヴィッド・ヘアが苦手なのではという気がしてきた。完全に好みの問題だが、「まあまあ良かったです」以外の感想があんまり湧いてこなかった。