2022年の舞台ベスト10を書いておきたい。2022年は114本の舞台を見て、そのうち配信は52本である(バーレスクや短編の配信も含む)。シェイクスピア関連が44本、オペラが15本(うち13本が配信)、バレエが9本、ミュージカルが6本だった。
1.東京芸術劇場『だからビリーは東京で』 …2022年1月とだいぶ前の芝居だが、ダントツで面白かった。芝居はなんで楽しいのか、みたいなことを丁寧に表現した作品で、希望が持てる。
2. 国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ペンザンスの海賊』(配信)…『ペンザンスの海賊』で私がいつも気になっていたところを大変スマートかつ上手にアップデートした演出で、感心した。
3. まつもと市民芸術館『KING LEAR -キング・リア-』…わざわざ松本まで行って見たかいがあった。すごく面白かった。
4. 東京芸術劇場『薔薇と海賊』…むちゃくちゃヘンな話だしいくつか気になるところはあったのだが、すごくクィアな話だと思う。
5. コンプソンズ『イン・ザ・ナイトプール』…短編4本の詰め合わせなのだが、とにかく「東京」がものすごく記憶に残っている。
6. 紀伊國屋ホール『浪花節シェイクスピア 富美男と夕莉子』…こういう台詞を方言にする試みはどんどんやってほしいし、全体的に翻案の方針も気が利いていたと思う。
7. 下北沢駅前劇場『ジョージ・オーウェル〜沈黙の声〜』…オーウェルの伝記もので、想像力をふくらませた虚構部分も含めて良かった。
8. シアターコクーン『ザ・ウェルキン』…大変つらい芝居だが、吉田羊の演技が良かった。
9. オレゴン・シェイクスピア・フェスティヴァル『ジョン王』(配信)…チェッカーボードを使ったデザインが斬新で、視覚的にも面白かった。
10. 男肉 du Soleil『転生したハムレットの世界で生きるべきか死ぬべきか戻れるか、それが問題だ』…レビューにも書いたが、なぜこれで面白くなるのかよくわからないのだが大変面白かった。