突然の『パディントン2』推し~『マッシブ・タレント』

 『マッシブ・タレント』を見てきた。 

www.youtube.com

 最近あまり良い役が来ておらず、娘アディ(リリー・シーン)との関係もうまくいっていないニック・ケイジ(ニコラス・ケイジ)は、借金を払うため、ニックの大ファンだという富豪ハビ(ペドロ・パスカル)の誕生パーティに出るという仕事を引き受ける。ハビは感じが良く、ニックとも映画の趣味が合い、2人はすぐに仲良くなる。ところがCIAはハビが違法な武器売買を行っている犯罪組織のボスではないかと疑っており、ニックに協力を要請する。

 ニコラス・ケイジが本人のようで本人でない、フィクション化されたニコラス・ケイジを演じる作品である。キャリアは完全にケイジ本人の仕事に基づいており、失敗作である『ウィッカーマン』までネタにしている。ただし私生活は全然違うし、たぶん本人もこういう感じの人ではないのだろう…と思いつつ、虚実の入り乱れを楽しむ作品である。ニコラス・ケイジ主演作を中心にいろいろな映画に対する言及もあり、そのあたりも楽屋オチで楽しい。ただ、言及されている中で一番、大きい役割を担っているのはケイジの主演作よりも『パディントン2』で、これは監督やスタッフの好みなのだろうか…と思った。『パディントン2』は21世紀に作られた映画の中ではトップクラスの傑作なのだが、子ども向けであるに続編なので軽視されがちだというのがポイントなのかなと思う。