新刊『学校では教えてくれないシェイクスピア』 をよろしくお願い申し上げます。

せりの使い方が大変よい~宝塚『GUYS AND DOLLS』

 宝塚の『GUYS AND DOLLS』を見てきた。

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 去年ブリッジシアターで見たちょっとクィア感もあるイマーシヴな上演に比べるとだいぶ安全な感じ…というかまあ宝塚だからそんなに尖ったことはしていないのだが、とにかく見た目が豪華だし、楽しめる上演ではある。演目のタイトルの文字をあしらった贅沢なセットで、場面転換では床が回転したり上下からいろんなものが出たり引っ込んだりしてスムーズにセッティングが変わる。せりの使い方がけっこう面白く、アデレイド(彩海せら)とサラ(天紫珠李)がそれぞれ、ネイサン(風間柚乃)とスカイ(鳳月杏)がギャンブルをやめて家庭に入ってくれないか夢想する場面では、すっかり家庭人になった幻想上のネイサンとスカイがせりから出てきて家事をやっているところが演じられるというなかなかコミカルな演出がある。宝塚なので全体的にキャストが若く、私が今まで見た舞台ではけっこうなベテランギャンブラーだったナイスリー・ナイスリーさん(礼華はる)が若くてイキったチンピラ風なのはちょっと新鮮で面白かった。ただ、この演目はけっこう歌を日本語にすると厳しい…というのは、日本語にするとリズムにあいにくいところが多いなと思った。