エディンバラ旅日記(15)スコットランド議会見学

 スコットランドはUKを構成するひとつの国なので当然国会を持っている。数年前に新しい議会議事堂が建って観光名所になっているので、ツアーに参加して中に入ってみた。
 おお。


 ガイドさんによると、ウェストミンスターみたいな与野党向かい合う形式は罵り合いになってよくないので(+北のアテネたるエディンバラにはそういう下品なのはふさわしくないので)合意形成を促すことに重点を置いたヨーロッパ式の議場になったそうだ(丸かっこ内はうちの脳内で補ったものだが、ガイドさんの口調はそういう感じ)。効率化を促進するため、各シートにはハイテクな投票コンソールがついている。

 スコットランド議会はファミリーフレンドリーな議会を目指しており、討議はすっきりして効率的なのが良いとされ(討議の効率性は17世紀のスコットランド議会でも非常に重んじられてたはずなので伝統なのかな?)、ウェストミンスターと違って夜間の討議はいっさいなく、MPは会期中週三回くらい討議に出て(MPのみならず他の職員も)夜は家庭とかプライヴェートを大事にして過ごすことが推奨されてるそうだ。
 議場の壁の模様はスコットランドの人民を表しているらしいが、誰が見てもウィスキーボトルだと思うらしい。

 議場にはスコッツゲールの通訳ブースがあり、MPはいつでもスコッツゲールの同時通訳を要求できるようになっているらしい。気になったので手話通訳はつけられますかと質問したところ、今のところ手話を使うMPはいないがMPが要求すれば手話通訳も通訳ブースにつくはずだとのこと。

 議場以外も見せてもらうことができたのだが、いたるところにスコットランドの風物をあしらったデザインが用いられており、なんかナショナリズムだなーと思った。屋根にはセントアンドルークロスの模様が描いてあるし、建築物とか地形とかだけじゃなく、スコットランド人なら誰でも知ってる「スケートをする聖職者」という絵をデフォルメしたデザインなんかもあるのだそうだ。あとスコットランド女王メアリの発言の碑文とかもあり、やっぱりここはイングランドとは全然違う国なんだなーって感じ。