アイルランド文学
『海をゆく者』を見てきた。2014年の上演を見ているのだが、今回はキャスト変更がある再演である。 セットなどはだいたい似ているので見た目の印象はそんなに変わらないのだが、リチャード役が吉田鋼太郎から高橋克実に変わったのがかなり大きい。吉田リチャ…
演劇企画CaLによるブレンダン・ビーハンの戯曲『曲者 -The Quare Fellow-』の上演を見てきた。上演台本は梅野あき子、演出は村岡正喜によるものである。1954年初演の作品で、台本を読んだことはあったのだが舞台では初めて見た。 舞台は刑務所である。タイト…
マリーナ・カー『ラフタリーの丘で』を見てきた。俳優座スタジオでの公演である。 アイルランドの田舎にある農場が舞台である。ラフタリー家は横暴な父親のレッド(加藤佳男)、娘のダイナ(荒木真有美)とソレル(髙宮千尋)、息子のデッド(齋藤隆介)、祖…
the shamrock LynX『猫と月』『鷹の井戸にて』を配信で見た。代々木能舞台でW・B・イェイツの2作を上演するというものである。 正直なところ、配信はかなり音声が悪くてあまりセリフが聞き取れないところが多かった。とくに音楽が入るところはものすごく音の…
劇団昴、コナー・マクファーソン作『ダブリンキャロル』を見てきた。村田元史演出・翻訳によるものである。 基本的にはダブリンを舞台にした会話劇で、クリスマスイヴの1日が舞台である。酒浸りで家庭を崩壊させたジョン(金子由之)と、ジョンが働いている…
レディ・オーガスタス・グレゴリー『出られないふたり』&『月が昇れば』を配信で見た。「アイルランド発 対立と融和をめぐるモノガタリ」シリーズのAプロで、三輪えり演出である。短編2本を続けてやる形の公演で、いずれもめったに見られない作品が見られる…
先日ウィキペディアにアイルランド語詩人のヌーラ・ニー・ゴーノルの記事を作ったのに引き続き、今日はダブリン・ライターズ・ミュージアムの記事を作りました。どちらも部分的に翻訳ですが、自分で加筆したところが多いです。ダブリン・ライターズ・ミュー…
ブライアン・フリール作『ルナサに踊る』を紀伊國屋サザンシアターで見てきた。長木彩訳、シライケイタ演出によるものである。同じ演目を別の演出で新型コロナウイルスが流行する直前に一度見たことがあるので、今回は2度目だ。 www.gekidanmingei.co.jp 既…
国立能楽堂で『鷹姫』を見てきた。ウィリアム・バトラー・イェーツの『鷹の井戸』を原作とする能である。今回はカクシンハンの木村龍之介が演出している。 www.tsunao.net 私は大変能が苦手で、ちゃんと最後まで起きていられたためしが無く、今回も序盤でク…
『アンジェラの灰』をニューヨークのアイルランド演劇専門の劇団であるアイリッシュ・レパートリー・シアターの有料配信で見た。フランク・マコートの有名な自伝的小説(映画化もされている)をミュージカル化したものである。台本はポール・ハート、歌はア…
エンダ・ウォルシュの新作Medicineを配信で見た。ドーナル・グリーソン主演でゴールウェイ国際芸術祭で上演されたものの有料配信である。 www.citizenticket.co.uk 精神病院のアクティヴィティルーム(パーティがあったらしく、ひどく散らかっている)みたい…
シアターグリーンの『Plays 4 Covid 「さあ、未知の劇場の姿とともに」/「橋の上のワルツ」』を配信で見た。ドイツのデーア・ローアーによるモノローグである「さあ、未知の劇場の姿とともに」と、アイルランドのソニア・ケリーによる「橋の上のワルツ」の短…
演劇企画CaLの『ほんの駆引き -Village Wooing-』を配信で見た。バーナード・ショーの短い芝居で、一組の男女が船上で出会い、やがて女性のほうが働いているイングランドの村の店で再会して結婚するまでを描くものである。ワーキングクラスの女性がミドルク…
ランカスターのザ・デュークスとハダースフィールドとローレンス・バトリー劇場が作ったオンライン版『真面目が肝心』(配信)を見た。オスカー・ワイルドの人気作をヤスミン・カーンが現代の北イングランドを舞台に翻案したものである。演出はミナ・アンウ…
アイリッシュレパートリーシアターの有料配信で『ベルファスト・ブルース』を見た。 www.stream.theatre ジェラルディン・ヒューズによる自伝的な一人芝居で、2003年から上演されているものである。ヒロインは紛争が悪化するベルファストで生まれるが、やが…
コナー・マクファーソンのThe Weirを有料配信で見た。キアラン・オライリーの演出で、既にライヴ上演の経験があるプロダクションを撮り直したものである。先日『詩人かたぎ』を配信していたアイリッシュレパートリーシアターによる上演で、そちらと同様、ソ…
ダブリンのゲイトシアターの有料配信で、フランク・マクギネスの新作The Visiting Hourを見た。カトリーナ・マクローリン演出で、父役のスティーヴン・レイと娘役のジュディス・ロディの二人芝居である。ダブリン時間で無観客ライヴ配信なので、眠い目をこす…
演劇企画CaL番外公演『山の神様 -The Gods of the Mountain-』を見た。ロード・ダンセイニの戯曲である。 note.com 原作は神秘的なホラーファンタジーっぽい味わいの作品で、あまり日本で上演されるわけではないと思うので貴重な機会…だと思うのだが、正直、…
オールド・ヴィクの有料ライヴ配信で『フェイス・ヒーラー』を見た。アイルランドの有名劇作家ブライアン・フリールの作品である。 www.oldvictheatre.com この作品は全編モノローグでできている。第1部と第4部はアイルランド生まれのフェイス・ヒーラーであ…
Marquee TVの配信でオスカー・ワイルドの『つまらぬ女』を見た。ドミニク・ドロムグール演出で、2017年にヴォードヴィル劇場で上演されたものである。 www.marquee.tv お話はヴィクトリア朝の上流社会を舞台にしたメロドラマである。タイトルロールの「つま…
Marquee TVのフリートライアルで『真面目が肝心』を見た。マイケル・フェンティマンの演出でヴォードヴィル劇場で上演されたもので、2018年の公演である。 www.marquee.tv 美術はオーソドックスなヴィクトリア朝風のものである。わりと暗めのセットが特徴で…
Marquee TVで『ウィンダミア卿夫人の扇』を見た。2018年に上演されたもので、演出家はなんとあのキャシー・バークである。台本は読んだことあるし映画では何度も見たことあるのだが、舞台上演は映像も見たことがなく、今回初めて見た。 www.marquee.tv 若く…
ロイヤル・コート劇場のCypress Avenue配信を見た。北アイルランドの劇作家デイヴィッド・アイルランドによる作品で、ヴィッキー・フェザーストーン演出、主演はスターのスティーヴン・レイである。1時間35分くらいで英語字幕がつく。 www.youtube.com 主人…
劇団俳小の公演で、ブライアン・フリールの『ダンシング・アット・ルーナサ』を見てきた。フリールのオリジナルのお芝居をちゃんと生で見るのは初めてである。 www.haishou.co.jp 話は全体にマンディ家の5人姉妹の末娘クリス(西本さおり)の息子であるマイケ…
恵比寿のエコー劇場で『まじめが肝心』を見てきた。文化庁海外研修の成果公演だそうで、演出家の大澤遊をはじめとして海外研究に行ってきたスタッフがかかわっている。ワイルドの人気作だが日本ではそんなによく上演されるわけではないので、ちょっと心配し…
オーウェン・マカファーティ作、鵜山仁演出『モジョミキボー』を見てきた。浅野雅博と石橋徹郎がたくさんの役を演じ分ける2人芝居である。 setagaya-pt.jp 舞台は1970年のベルファストである。モジョはプロテスタント、ミキボーはカトリックの家庭の子供だが…
上の小劇場でジョン・ミリントン・シングの芝居『旅人たちの春の夢 -The Tinker's Wedding-』を見てきた。アイルランド演劇を上演する演劇企画CaLの第一作だそうだ。普通は『鋳掛屋の婚礼』などという名前で翻訳されている戯曲である。 物語は鋳掛屋、つまり…
世田谷パブリックシアターで森新太郎演出『The Silver Tassie 銀杯』を見てきた。ショーン・オケイシーの有名作だが日本初演らしい。私もナショナル・シアターの公演をアーカイヴで見たことあるだけで、生で見るのはこれが初めてである。 これは第一次世界大…
シェーマス・スキャンロン『マクガワン・トリロジー』を見てきた。小川絵梨子演出で、3幕もの…というよりは3本の短い戯曲がつながってるみたいな芝居である。 主人公はマクガワン(松坂桃李)というIRAの殺し屋で、80年代の北アイルランド紛争が舞台である。マ…
ヴォードヴィル劇場で『理想の夫』を見てきた。演出はジョナサン・チャーチで、言わずと知れたワイルドの有名作である。セットや衣装はウェストエンドらしい凝ったもので、音楽などもいろいろ工夫している豪華なプロダクションだ。 基本的には笑いのツボをお…