チェーホフ

困ったオタク大集合~新国立劇場『かもめ』

新国立劇場で鈴木裕美演出、チェーホフ『かもめ』を見てきた。トム・ストッパードによる英語台本を小川絵梨子が翻訳したものである。キャストは全てオーディションで決めたそうだ。 www.nntt.jac.go.jp 緑の芝生で行う野外上演やお屋敷など、セットはわりと…

「オタサーの姫」としての藤原竜也~東京芸術劇場『プラトーノフ』(少しネタバレあり)

チェーホフ作、森新太郎演出『プラトーノフ』を東京芸術劇場で見てきた。初めて見る芝居である。チェーホフの初期作で生前は上演されておらず、そもそもタイトルもなかったらしい。原作をノーカットでやると5時間くらいかかるそうだが、このプロダクションは…

好みの問題だと思うのだが、どうもピンとこなかった~シアタートラム『かもめ』

シアタートラムで無名塾の『かもめ』を見てきた。言わずと知れたチェーホフの有名作である。 ヴィジュアルはけっこう良くて、板の両脇に白っぽい作りかけの木の家具みたいなものが無造作に散らばっており、社会や家族など、さまざまなものが崩壊しつつある『…

今月の連載は「キモくて金のないおっさんの文学論〜『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』」です

wezzyの今回の連載記事は「キモくて金のないおっさんの文学論〜『二十日鼠と人間』と『ワーニャ伯父さん』」です。所謂「キモくて金のないおっさん」を、真面目に文学史に位置付けられないかということを考えてみました。 実は「キモくて金のないおっさん」…

なぜ木とか植えてる男はセクシーなのか〜シス・カンパニ―『ワーニャ伯父さん』

シス・カンパニ―、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出『ワーニャ伯父さん』を見てきた。『ワーニャ伯父さん』を舞台で見るのは今回が初めてだ。 舞台はロシアの田舎の地所。学者のセレブリャコーフ(山崎一)と若い後妻エレーナ(宮沢りえ)が田舎の屋敷に帰って…

劇団東京乾電池創立40周年プラス1公演『煙草の害について』『夏の夜の夢』

明治座で劇団東京乾電池創立40周年プラス1公演『煙草の害について』『夏の夜の夢』を見てきた。『夏の夜の夢』目当てだったのだが、『煙草の害について』のほうが個人的には面白かったかも… 前半『煙草の害について』はチェーホフの短い芝居を脚色したもので…

「モスクワ芸術座版『かもめ』」の記事を作成

日本語版ウィキペディアに「モスクワ芸術座版『かもめ』」の記事を英語版からの翻訳で作ってみた。ざっと見た感じ、英語版ウィキペディアには"Category:Stage productions of plays"なんていうカテゴリがあって、オーソン・ウェルズやスタニスラフスキーなん…

なんかイライラする人たちのドタバタブラックコメディ〜『かもめ』

東京芸術劇場で熊林弘高演出『かもめ』を見てきた。大女優アルカージナの田舎のお屋敷で,アルカージナの息子である作家志望のコースチャ、コースチャが愛する近所の娘ニーナ、アルカージナの彼氏である作家のボリスなどが繰り広げる人間関係を描く作品であ…

桜の園はまだ生えてる木を切るだけマシ〜俳優座『桜の園』

俳優座で川口啓史演出『桜の園』を見た。言わずと知れたチェーホフの人気作である。『桜の園』を生の舞台で見るのは実は初めて(映像は少し見たことあるのだが)。まああらすじは超有名なので不要とは思うが、財政難で領地である桜の園を売らなければいけない…

ヤングヴィック『三人姉妹』〜アクション抜きで三時間タランティーノやったらどうなると思う?

ヤングヴィックでチェーホフの『三人姉妹』(ベネディクト・アンドルーズ演出)を見てきた。『三人姉妹』は私が考える史上最も残虐な芝居なのだが(ほとんど何も起こらないだけなのにね)、結構斬新な演出で残虐さがいっそうパワーアップして全編「うわああああ…

たいがいのスプラッタホラーには勝てる超残虐演劇――ハマースミスリリック座『三人姉妹』

ハマースミスリリック座で『三人姉妹』(字幕つき)を見てきた。 基本的には、開始一時間はおかしく、開始二時間は絶望して本気で死にたくなり、開始三時間で穏やかな諦観の境地に達して、死んだ眼でにっこり笑いながらたのしく劇場から出てこられる正しいチェ…