ミュージカル

童心の力~ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs立海

観劇会で立川ステージガーデンにてミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs立海を見てきた。関東の決勝戦で、青学と超強豪である立海が戦い、青学が勝利するまでを描いている。最後にテニミュを見たのは新型コロナ前なので、だいぶ様変わりしてい…

強めのペア~『スリル・ミー』(配信)

『スリル・ミー』を配信で見た。キャストは「私」が木村達成、「彼」が前田公輝である。2年半前に配信で一度見ており、演出はそんなに変わらないのでそこまで大きく違うとは思わないのだが、キャストが変わると多少、印象は変わる。とくに木村・前田ペアだと…

金満ハリウッドはクズ、リージョナルシアターを守ろう~松竹ブロードウェイ『ホリデイ・イン』

松竹ブロードウェイ『ホリデイ・イン』を見た。アーヴィング・バーリンが音楽を担当した映画を舞台化である。2017年のブロードウェイ公演を録画したものである。 ジム(ブライス・ピンカム)はショービジネスの世界から足を洗い、コネティカットのメイソン農…

あの男、もっと太っていればいいのだが~『スクールオブロック』

ブリリアホールでミュージカル版『スクールオブロック』を見てきた。話はだいたい映画と同じだが、アンドルー・ロイド・ウェバーが音楽をつけたミュージカルになっている。 正直なところけっこう好みではなかった。まず、映画版で使ったオリジナル曲の"Schoo…

もとの映画とは違う味わいも~『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を見てきた。言わずと知れたバズ・ラーマン監督の有名な映画の舞台版である。写真が撮れる時間帯があるのだが、セットはかなり豪華で(ちゃんと象もいる!)こんな感じである。 基本的なお話はだいたい同じで、ムー…

北アイルランド紛争を扱ったミュージカル~Beyond Belief: The Life and Mission of John Hume (配信)

Beyond Belief: The Life and Mission of John Humeを配信で見た。デリーのプレイハウスによる配信で、グッドフライデー合意25周年記念の演目である。ノーベル平和賞を受賞した北アイルランドの社会民主労働党ジョン・ヒュームと妻パトリシアに関する伝記も…

イギリスで見たバージョンに比べると…『Gypsy』

東京芸術劇場で『Gypsy』を見てきた。言わずと知れたジプシー・ローズ・リーの伝記ものである。ジューリー・スタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞、アーサー・ローレンツ台本によるもので、どうも最近はソンドハイムブームのようだ。 別に悪くはな…

かなり「愛」が中心のプロダクション~『ジェーン・エア』(配信)

『ジェーン・エア』を配信で見た。ブロンテの原作をジョン・ケアードとポール・ゴードンが翻案したものである。2000年初演のものの日本語版である。 セットなどはわりとオーソドックスな歴史物風である。ナショナル・シアターやブラックアイド・シアターでも…

ファンタジーっぽくデフォルメされているが、扱っている話題は深刻~ミュージカル『マチルダ』

シアターオーブでミュージカル『マチルダ』を見てきた。ロアルド・ダールの原作のミュージカル化で、デニス・ケリー脚本、ティム・ミンチン作詞作曲、マシュー・ウォーチャス脚色・演出の作品である。もともとはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが上演…

プロジェクションの使い方が面白い~『MEAN GIRLS』

東京建物Brillia HALLで『MEAN GIRLS』を見てきた。ロザリンド・ワイズマンの子育て本『女の子って、どうして傷つけあうの?―娘を守るために親ができること』に基づく有名映画『ミーン・ガールズ』のミュージカル化である。ティナ・フェイが映画と同様に脚本…

ダンテが活躍する学園ものミュージカル~『チェーザレ 破壊の創造者』

ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』を見てきた。惣領冬実作、原基晶監修の同名漫画の舞台化で、小山ゆうなが演出している。2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症で中止になってしまった作品の初演である。友人何人かと見に行き、いろい…

台本が好きになれなかった~『キングアーサー』

東京芸術劇場で『キングアーサー』を見てきた。ドーヴ・アチアによるフレンチミュージカルである。 だいたいアーサー王伝説ベースである。アーサー(浦井健治)がエクスカリバーを引き抜いて王になるところから始まり、王位を狙うライバルのメレアガン(伊礼…

雑然としたセットからジャージー・ボーイズのルーツが感じられる~『ジャージー・ボーイズ』

日生劇場で藤田俊太郎演出『ジャージー・ボーイズ』を見てきた。この作品を生の舞台で見るのは初めてである(映画版は見たことある)。キャストはブラックチームだった。 www.youtube.com 映画を撮影しているという設定のセットで、後ろに着替えがかかってる…

全体的に若々しい感じなのが良い~『ダディ・ロング・レッグズ』(配信)

『ダディ・ロング・レッグズ』日本版の配信を見た。既に一度、英語版を配信で見たことがある。日本版は8月31日にシアタークリエで上演されたものの映像である。 2人芝居なのになんとカメラを10台も入れて撮影したそうで、映像はかなり良い。基本的には英語版…

やはり古い作品だと思う~『春のめざめ』(ネタバレあり)

浅草九劇で『春のめざめ』を見てきた。フランク・ヴェデキントの戯曲のミュージカル化で、戯曲は読んだことがあるが舞台を見るのは初めてである。演出は奥山寛で、キャストはEASTチームだった。 19世紀末のドイツが舞台で、少年少女の性の目覚めと、それを抑…

寄稿した『現代詩手帖』が刊行されました

寄稿した『現代詩手帖』が刊行されました。ジェンダー関係の特集で、『ハミルトン』について短文を書いています。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「誰の詩でも楽しめる観客で良かった」『現代詩手帖』2022年8月号、60-61。 現代詩手帖2022年8月号(雑…

かなりの意欲作~『フリーダ・カーロー折れた支柱』(配信)

『フリーダ・カーロー折れた支柱』を配信で観た。上田一豪作・演出で、メキシコの著名な画家フリーダ・カーロの伝記ものミュージカルである。2019年初演で、今回は再演である。 www.grand-arts.com フリーダ(彩吹真央)の波乱の人生を描いたもので、全体的…

宝塚版ワイルド~『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』

『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』を見てきた。最近、新国立でも上演されたオスカー・ワイルドの『理想の夫』を田渕大輔が翻案・演出したものである。 基本的な設定などは同じだが、だいぶカットや順番の入れ替えがあり、終盤も…

『太陽がいっぱい』風味の『フランケンシュタイン』~『メアリー・シェリー』(配信)

『メアリー・シェリー』を配信で見た。韓国のミュージカルで、小説『フランケンシュタイン』の誕生をかなり脚色して描いたものである。 piakmusical.com ディオダティ荘の怪奇談義から『フランケンシュタイン』刊行までがメインで、お話は『メアリーの総て』…

2点を除いてはとても良かった~『ウエスト・サイド・ストーリー』(ネタバレあり)

スティーヴン・スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』を見てきた。言わすと知れた有名ミュージカルのリメイクで、原作は『ロミオとジュリエット』である。 www.youtube.com 基本的なお話は変わっていないのだが、スピルバーグとよく一緒に仕事をし…

いろいろと問題が…『ディア・エヴァン・ハンセン』(ネタバレあり)

『ディア・エヴァン・ハンセン』を見てきた。舞台でヒットしたミュージカルの映画化である。 www.youtube.com 不安障害を抱えて友達もほとんどいない高校生のエヴァン(ベン・プラット)は、ひょんなことからやはり友達のいないコナー(コルトン・ライアン)…

もっとイヤな感じの諷刺的な話にしたほうがいいのでは?~『ハウ・トゥ・サクシード』

『ハウ・トゥ・サクシード』をシアターオーブで見てきた。クリス・ベイリー演出・振付で、1961年初演のフランク・レッサーのミュージカルである。主人公のフィンチ(増田貴久)が『努力しないで出世する方法』というハウツー本を読み、そのアドバイスに従い…

嵐が丘で食べるヴィクトリアスポンジ~ワイズ・チルドレン『嵐が丘』(配信)

ワイズ・チルドレンの『嵐が丘』を配信で見た。エマ・ライスの演出によるミュージカルで、ナショナル・シアター、ブリストル・オールド・ヴィック、ヨーク・シアター・ロイヤルが協力している。 www.wisechildrendigital.com 椅子などを使ったシンプルなセッ…

音楽やダンスはいいが、台本は…シアタークリエ『グリース』

シアタークリエで『グリース』を見てきた。有名なミュージカルで映画のほうが見たことがあるが、舞台を見るのはこれが初めてである。 www.tohostage.com 初演は1970年代だが、作品じたいの舞台は1950年代である。高校生のダニー(三浦宏規)とサンディ(屋比…

ライヴの舞台で見てみたいと思った~『パリのアメリカ人』

松竹ブロードウェイシネマで『パリのアメリカ人』を見た。有名な同名映画の舞台化で、2015年にアメリカで初演されたミュージカルであり、この記録じたいは2018年のウェストエンド公演の映像だそうだ。 お話は映画に沿っているのだが、久しぶりに見るとこんな…

今見るとちょっときついところも…『オリバー!』

東急シアターオーブでミュージカル『オリバー!』を見てきた。チャールズ・ディケンズの有名な小説『オリヴァー・トゥイスト』のミュージカル化である。映画は見たことあるが、舞台で見るのは初めてである。 www.oliver-jp.com ヴィクトリア朝を舞台に貧しい…

台本は良いが、歌がちょっと…『October Skyー遠い空の向こうに』

ミュージカル『October Skyー遠い空の向こうに』を見てきた。おおもとの原作は、のちにNASAで働くようになったホーマー・ヒッカム・ジュニアの自伝的小説である。これが1999年に映画化されており、この映画を舞台化したのが今回、日本で上演されているミュー…

こんな題材をちゃんとしたミュージカルに…『アンジェラの灰』(配信)

『アンジェラの灰』をニューヨークのアイルランド演劇専門の劇団であるアイリッシュ・レパートリー・シアターの有料配信で見た。フランク・マコートの有名な自伝的小説(映画化もされている)をミュージカル化したものである。台本はポール・ハート、歌はア…

視覚効果だけで一見の価値あり~劇団四季『アナと雪の女王』

劇団四季『アナと雪の女王』を見てきた。同名映画の舞台化で、マイケル・グランデージが演出したヴァージョンを日本に持ってきたものである。音楽は映画で使われているものにプラスして新曲がある。 www.shiki.jp お話は映画に準拠しているのだが、とにかく…

外来植物の恐ろしさを考える~『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(ネタバレあり)

シアタークリエで『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を見てきた。ロジャー・コーマンの映画が原作で、それが舞台ミュージカルになり、さらにミュージカルも映画化されている。 www.tohostage.com 主人公のシーモア(鈴木拡樹)はムシュニク(阿部裕)の花…