ミュージカル

昭和歌謡を駆け抜けるキャロル・キング~『ビューティフル』

帝国劇場で『ビューティフル』を見てきた。キャロル・キングの人生を描いたミュージカルである。キングの曲をはじめとして、60年代頃のヒット曲がたくさん使われている。 www.tohostage.com ミュージシャンであるキングの人生を描くものなので、ふつうのジュ…

話はともかく、照明などの演出が…TBS赤坂ACTシアター『NINE』

TBS赤坂ACTシアターで『NINE』を見てきた。フェリーニの映画『8 1/2』のミュージカル化で、この舞台も映画化されたことがある。 www.umegei.com 60年代頃のイタリアを舞台に、仕事がスランプ状態に陥り、私生活も暗礁に乗り上げ気味の映画監督のグイド(城田…

こじんまりとした楽しい作品~アンドルー・ロイド・ウェバー『天才執事ジーヴズ』(配信)

アンドルー・ロイド・ウェバーがやっている配信で『天才執事ジーヴズ』(By Jeeves)を見た。これは一度日本公演で見たことがある。今回の配信は生の舞台を撮ったものではなく、2001年に舞台のキャストでテレビ放映用に撮影したものらしい。P・G・ウッドハウス…

50年代風の衣装が効果的~ストリーミングミュージカルズ『エマ』(配信)

ストリーミングミュージカルズの配信でミュージカル『エマ』を見た。前回ストリーンミングで配信された『高慢と偏見』同様ポール・ゴードンによる翻案である。2018年に収録されたもので、舞台をそのまま撮ったものではなく、けっこう編集してある。 www.emma…

革命指導者ジーザスと融通の利かないジューダス~『ジーザス・クライスト・スーパースター』(配信)

アンドルー・ロイド・ウェバーがYouTubeで週末に配信した『ジーザス・クライスト・スーパースター』を見た。これは2012年、オーディション番組でジーザス役に選ばれたベン・フォスターを主演に、ジューダス(ユダ)がティム・ミンチン、メアリ(マグダラのマリ…

原作準拠のわかりやすいミュージカル~『高慢と偏見』(配信)

今日から新型コロナウイルスで劇場が閉鎖された代替として配信されている芝居をレビューしようと思う。第一弾はミュージカル『高慢と偏見』にする。 www.youtube.com これは言わずと知れたジェーン・オースティン原作の古典の翻案で、ポール・ゴードンにより…

ハリウッドの中年女性差別~『サンセット大通り』

ミュージカル『サンセット大通り』を見てきた。ビリー・ワイルダーの有名映画をアンドルー・ロイド=ウェバーがミュージカル化したものである。私が見た回はノーマが安蘭けい、ジョーが松下優也だった。 horipro-stage.jp 話はほぼ映画と同じで、売れない脚…

最後の文字は日本語にすべきでは?~『ウエスト・サイド・ストーリー』Season 1

IHIステージアラウンド東京で『ウエスト・サイド・ストーリー』を見てきた。マリア役が北乃きい、トニー役が蒼井翔太、アニタ役が樋口麻美、リフ役が上山竜治、ベルナルド役が水田航生の回だった。 わりと狭いセットを使った場面から始まるので、最初はちょ…

愉しい作品だが、あのメイクは要るのかねぇ~『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』

東急シアターオーブで『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』を見てきた。デロリスは森公美子、カーティスは今卓哉の版だった。既に英語版は一度生で見たことがある。 ろくでもない男であるカーティスにひっかかってしまい、うだつのあがらない人生…

スタントン(10)精神病院に残された患者のスーツケースを主題とするミュージカル、The Willard Suitcases

ブラックフライアーズ劇場で新作ミュージカルThe Willard Suitcasesを見てきた。これは1995年、ニューヨーク州のウィラード精神病院の屋根裏から、かつての患者のものと思われる大量のスーツケースが見つかったことをもとにした作品である。 americanshakesp…

労働運動とフェミニズムを掘り下げた歴史もの~『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』(ネタバレあり)

『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』を見てきた。アメリカと日本の合作で、19世紀にマサチューセッツ州ローウェルの繊維工場で働いていた女性たち(ローウェル・ミル・ガールズ)の活動を描いた歴史ものミュージカルである。かなり脚色があるにせよ、実在の人物…

何度フラれても、ちゃんと自分で立ってる~『ロケットマン』(ネタバレあり)

『ロケットマン』を見た。言わずと知れたエルトン・ジョンの伝記映画である。 www.youtube.com 脚本がリー・ホール、ジェイミー・ベルが出演していて、ミュージカル版『ビリー・エリオット』に音楽を提供エルトン・ジョンの伝記映画ということで、かなり『ビ…

私は全く好みではなかった~オープンエア劇場『エビータ』

リージェンツパークの夏の風物詩、オープンエア劇場でジェイミー・ロイド演出の『エビータ』を見てきた。 openairtheatre.com 野外上演ということで、屋根のあるウェストエンドの大きな劇場で上演されるミュージカルとは全く違う演出を採用している。階段状…

ヘンリー八世の6人の妻達がガールズグループになるミュージカル、Six (ネタバレあり)

アーツ劇場でSixを見てきた。ヘンリー八世の6人の妻達、つまりキャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・クレーブズ、キャサリン・ハワード、キャサリン・パーがガールズグループに扮してリードヴォーカルの座を競いあ…

ヴォルデモートとドタバタホグワーツ~Voldemort and the Teenage Hogwarts Musical Parody

キングズヘッド劇場でVoldemort and the Teenage Hogwarts Musical Parody(「ヴォルデモートと十代のホグワーツミュージカルパロディ」)を見てきた。非常に変なタイトルだが、エディンバラフリンジで受けた演目だそうで、その名のとおり『ハリー・ポッター』…

政治BL劇~『ハミルトン』

ロンドンで『ハミルトン』を見てきた。リン=マニュエル・ミランダが作ってブロードウェイで大ヒットしたラップオペラ(ミュージカルと言いづらい構成をしている)をイギリスに持ってきたものである。アメリカ建国の父のひとりであるアレクサンダー・ハミルト…

オリエンタリズム風味はあるが、イヤな感じがしないようアップデート~『王様と私』

東急シアターオーブで『王様と私』を見てきた。ロジャース&ハマースタインの有名作で、バートレット・シャー演出、ケリー・オハラ、渡辺謙主演のブロードウェイ公演を日本に持ってきたものである。タイの王室で家庭教師をしていた歴史上の人物であるアンナ・…

貴種流離ハムレット~劇団四季『ライオン・キング』

劇団四季『ライオン・キング』をはじめて見てきた。 www.shiki.jp お話はまあだいたいアニメ映画と同じである(こちらは見たことがある)。父であるライオンの王ムファサの死をきっかけに領地を離れた若きライオンの王子シンバが、王位を取り戻すため王国に戻…

昔のミュージカル映画みたい~松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』(ネタバレあり)

松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』を見てきた。2016年の上演を撮影して映画館で上映するというものである。METライブビューイングのブロードウェイ版、NTライヴのアメリカ版とでもいったところだろうか。 原作はミクローシュ・ラースローの『…

キリスト教推しにちょっと違和感~OSK日本歌劇団『円卓の騎士』

博品館劇場でOSK日本歌劇団『円卓の騎士』を見てきた。OSK日本歌劇団の公演を見るのは初めてである。 www.osk-revue.com 内容はだいたいアーサー王伝説の大枠に沿っている。アーサー王がエクスカリバーを手にして王になってからグウィネヴィアと結婚するもの…

ノスタルジアが執着に化ける時~ナショナル・シアター・ライヴ『フォリーズ』

ナショナル・シアター・ライヴで『フォリーズ』を見てきた。タイトルの『フォリーズ』(Follies)は、たくさんのショーガールが出てきて踊るレヴューの「フォリーズ」と、「愚行」の意味のフォリーをかけている。脚本はジェームズ・ゴールドマン、作詞作曲がス…

歌って踊って、お父さんが誰かとかはどうでもいい~『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』(ネタバレあり)

『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』を見てきた。『マンマ・ミーア!』の続編で、前編アバの音楽を使ったジュークボックスミュージカルである。全体的に前作よりかなりお金がかかっていて、船の場面など豪華なところが多い。 www.youtube.com ビックリす…

これは現代政治につながるポピュリズムの話ではなかった〜『エビータ』

ハロルド・プリンスの『エビータ』をシアターオーブで見てきた。「アルゼンチンの聖母」ことエバ・ペロンの生涯を描いた有名作で、マドンナ主演の映画版は見たことがあったのだが、舞台で見るのは初めてである。 それで、見ていて思ったのだが、『エビータ』…

面白かったが、上演中に珍しいトラブルが…『1789 バスティーユの恋人たち』

『1789 バスティーユの恋人たち』を見てきた。再演だが、初演時は見に行かなかったので初めて見た。ダブルキャストなのだが、私が見たのはロナンが小池徹平、オランプが神田沙也加、マリー・アントワネットが凰稀かなめだった。 お話はフランス革命の中、父…

視覚的には凄いが、話が個人的に…『メリー・ポピンズ』

シアターオーブで『メリー・ポピンズ』を見てきた。 スーパーナニーのメリー・ポピンズの活躍を描く作品で、映画でおなじみの歌がふんだんに使われており、さらに視覚効果がかなりすごい。メリー・ポピンズが文字通り劇場を飛び回るし、天井でのダンスシーン…

まったく原作を知らずに見たが、大変面白かった〜『ポーの一族』

東京宝塚劇場で『ポーの一族』を見てきた。原作はまったく読んだことがなかったので(漫画とか絵巻物とか、絵で話が展開するものが全体的に苦手で…)、吸血鬼の話だということ以外全然知らなかったのだが、大変面白かった。 18世紀から20世紀まで、非常に長い…

突然の農業フェア克明描写〜『マディソン郡の橋』

シアタークリエで『マディソン郡の橋』を見てきた。 全体的にはフランチェスカ(涼風真世)とロバート(山口祐一郎)の不倫を切なく綴ったロマンスもので、いろいろなジャンルをミックスした感じの音楽なども良かった。とくに涼風は、イタリアからやって来て努力…

お前が一番、「ユニークな人」だよ〜『グレイテスト・ショーマン』(ネタバレあり)

『グレイテスト・ショーマン』を見てきた。 サーカスで有名な興行師P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)の人生のミュージカル化である。バーナムは子どもの頃から憧れていたチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚して2人の娘に恵まれるが、一発デカい…

アメリカでは続々上演中止〜『ブロードウェイと銃弾』

日生劇場で『ブロードウェイと銃弾』を見てきた。ウディ・アレンの映画に基づくミュージカルである。 舞台は禁酒法時代のニューヨークである。主人公である売れない劇作家、デイヴィッド(浦井健治)は、ひょんなことから自分の愛人をスターにしたいギャングの…

沖縄オリエンタリズムの加減がよくわからなかった〜「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン青学VS比嘉」

観劇会で「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン青学VS比嘉」を見てきた。去年のちょうど同じ時期に初めてテニミュのライブビューイングに行ったのだが、生で見るのは初めてだった。昨年同様、プチ研究会形式の観劇会で、いろいろ解説もしてもらえたの…