ミュージカル

キリスト教推しにちょっと違和感~OSK日本歌劇団『円卓の騎士』

博品館劇場でOSK日本歌劇団『円卓の騎士』を見てきた。OSK日本歌劇団の公演を見るのは初めてである。 www.osk-revue.com 内容はだいたいアーサー王伝説の大枠に沿っている。アーサー王がエクスカリバーを手にして王になってからグウィネヴィアと結婚するもの…

ノスタルジアが執着に化ける時~ナショナル・シアター・ライヴ『フォリーズ』

ナショナル・シアター・ライヴで『フォリーズ』を見てきた。タイトルの『フォリーズ』(Follies)は、たくさんのショーガールが出てきて踊るレヴューの「フォリーズ」と、「愚行」の意味のフォリーをかけている。脚本はジェームズ・ゴールドマン、作詞作曲がス…

歌って踊って、お父さんが誰かとかはどうでもいい~『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』(ネタバレあり)

『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』を見てきた。『マンマ・ミーア!』の続編で、前編アバの音楽を使ったジュークボックスミュージカルである。全体的に前作よりかなりお金がかかっていて、船の場面など豪華なところが多い。 www.youtube.com ビックリす…

これは現代政治につながるポピュリズムの話ではなかった〜『エビータ』

ハロルド・プリンスの『エビータ』をシアターオーブで見てきた。「アルゼンチンの聖母」ことエバ・ペロンの生涯を描いた有名作で、マドンナ主演の映画版は見たことがあったのだが、舞台で見るのは初めてである。 それで、見ていて思ったのだが、『エビータ』…

面白かったが、上演中に珍しいトラブルが…『1789 バスティーユの恋人たち』

『1789 バスティーユの恋人たち』を見てきた。再演だが、初演時は見に行かなかったので初めて見た。ダブルキャストなのだが、私が見たのはロナンが小池徹平、オランプが神田沙也加、マリー・アントワネットが凰稀かなめだった。 お話はフランス革命の中、父…

視覚的には凄いが、話が個人的に…『メリー・ポピンズ』

シアターオーブで『メリー・ポピンズ』を見てきた。 スーパーナニーのメリー・ポピンズの活躍を描く作品で、映画でおなじみの歌がふんだんに使われており、さらに視覚効果がかなりすごい。メリー・ポピンズが文字通り劇場を飛び回るし、天井でのダンスシーン…

まったく原作を知らずに見たが、大変面白かった〜『ポーの一族』

東京宝塚劇場で『ポーの一族』を見てきた。原作はまったく読んだことがなかったので(漫画とか絵巻物とか、絵で話が展開するものが全体的に苦手で…)、吸血鬼の話だということ以外全然知らなかったのだが、大変面白かった。 18世紀から20世紀まで、非常に長い…

突然の農業フェア克明描写〜『マディソン郡の橋』

シアタークリエで『マディソン郡の橋』を見てきた。 全体的にはフランチェスカ(涼風真世)とロバート(山口祐一郎)の不倫を切なく綴ったロマンスもので、いろいろなジャンルをミックスした感じの音楽なども良かった。とくに涼風は、イタリアからやって来て努力…

お前が一番、「ユニークな人」だよ〜『グレイテスト・ショーマン』(ネタバレあり)

『グレイテスト・ショーマン』を見てきた。 サーカスで有名な興行師P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)の人生のミュージカル化である。バーナムは子どもの頃から憧れていたチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と結婚して2人の娘に恵まれるが、一発デカい…

アメリカでは続々上演中止〜『ブロードウェイと銃弾』

日生劇場で『ブロードウェイと銃弾』を見てきた。ウディ・アレンの映画に基づくミュージカルである。 舞台は禁酒法時代のニューヨークである。主人公である売れない劇作家、デイヴィッド(浦井健治)は、ひょんなことから自分の愛人をスターにしたいギャングの…

沖縄オリエンタリズムの加減がよくわからなかった〜「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン青学VS比嘉」

観劇会で「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン青学VS比嘉」を見てきた。去年のちょうど同じ時期に初めてテニミュのライブビューイングに行ったのだが、生で見るのは初めてだった。昨年同様、プチ研究会形式の観劇会で、いろいろ解説もしてもらえたの…

ユーモアのあるタッチだが、内容は予想以上に深刻〜『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』

アリソン・ベクダルの漫画を舞台化したミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』をシアタークリエで見てきた。小川絵梨子が演出を担当している。 内容は大人になった漫画家のアリソン(瀬名じゅん)が過去を回想するというもので、子ども時代…

バーレスククラスタ必見のミュージカル、『マタ・ハリ』

東京国際フォーラムで『マタ・ハリ』を見てきた。こちらは韓国で初演されたアイヴァン・面チェル&フランク・ワイルドホーン作のミュージカルで、演出は石丸さち子が手がけている。もちろんマタ・ハリが主人公である。 娼婦をしていた過去を隠し、ジャワの踊…

山本耕史がちょっとボーイレスクする〜『メンフィス』(ネタバレあり)

ミュージカル『メンフィス』を見てきた。 舞台は1950年代はじめのメンフィスである。主人公のヒューイ(山本耕史)は白人だが黒人音楽に興味があり、ビール・ストリートにある黒人の音楽クラブに初めて入って、そこで歌っていたフェリシア(濱田めぐみ)に一目惚…

いくつか疑問はあるが、楽しい上演〜『ロッキー・ホラー・ショー』

池袋サンシャイン劇場で『ロッキー・ホラー・ショー』を見てきた。河原雅彦演出で、池袋サンシャインに来る前には六本木のブルーシアターでさよなら公演として上演されていた。この演目は一度、グラスゴーで見たことがある。 ステージの二階部分奥にバンドが…

ジョン・キャメロン・ミッチェル来日!パフォーマンスは素晴らしいけどちょっとハコがデカすぎた、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

東急シアターオーブでジョン・キャメロン・ミッチェルが来日して主役を演じる『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を見てきた。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』については論文を書いてるくらい好きだ。 ジョン・キャメロン・ミッチェル演じる…

舞台らしい演出に溢れたJ・M・バリのごっこ遊びの世界〜『ファインディング・ネバーランド』

シアターオーブで『ファインディング・ネバーランド』を見てきた。基本的に映画『ネバーランド』に沿ったミュージカル舞台版である。J・M・バリが戯曲『ピーター・パン』を執筆していた時代を描くもので、史実からするとだいぶはしょっているところも多いの…

チェスターの新しい劇場ストーリーハウスにて『フットルース』

チェスターにオープンしたばかりの総合文化施設ストーリーハウスでミュージカル版『フットルース』を見てきた。 こちら、図書館、映画館、劇場が一緒になった施設で、図書館にはブックカフェも併設。古い映画館を改装したものらしい。 この手の施設は半端な…

ちょっともたついてた?『ウエスト・サイド・ストーリー』

東急シアターオーブでジョーイ・マクニーリー振付・演出『ウエスト・サイド・ストーリー』を見てきた。 両側にカーストアイアン風の建物を配したセットで、これが近づいたり離れたりして場面転換する。マリアの部屋とか洋品店の場面では、この中にベッドとか…

政治的背景をふまえた日本語版〜『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』

『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』日本語版を見てきた。ビリーが前田晴翔、父のジャッキーが吉田鋼太郎、ウィルキンソン先生が柚希礼音のキャスティングだった。 イギリス版の舞台は生で一度、映画館上映でも一度見たことがあり、台本も振付も音楽…

ストラトフォード(6)張り出し舞台を用いたミュージカル〜『ガイズ&ドールズ』

ドナ・フィオール演出『ガイズ&ドールズ』を見た。フェスティバルシアターでの上演だったのだが、グローブスタイルの張り出し舞台を使ったミュージカルなんてめったに見られないので、珍しい経験だ。 『ガイズ&ドールズ』のようなミュージカルはかなりのセッ…

シアタークリエ『キューティ・ブロンド』日本版

シアタークリエで『キューティ・ブロンド』日本版を見てきた。パルシステムの共同購入で買ったチケットで、今日は共同購入団体の貸し切り公演だったらしい。シアタークリエとしては今まで座ったことがないような前のほうの席だった。 既に英語版で見たことが…

悪くはないが、要所要所でイラっとする〜『ラ・ラ・ランド』(ネタバレあり)

デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』を見てきた。見終わって出てきたらアカデミー賞をとってたという感じのタイミングだった。ロサンゼルスでジャズクラブを開くことを夢見るピアニスト、セブ(ライアン・ゴズリング)と女優を夢見るミア(エマ・ストーン)…

初めてのテニミュ〜「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs六角 大千秋楽ライブビューイング」

「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs六角 大千秋楽ライブビューイング」を見てきた。テニミュは初めてだったのだが、専門の研究者ほか数名とプチ研究会形式で行ってきた。事前に近くのカラオケボックスでミニレクチャー、終演後に食事をしな…

ティム・バートン映画の舞台版〜『ビッグ・フィッシュ』

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』を見てきた。白井晃演出で、ティム・バートンが2003年に同名映画と原作小説をミュージカル化したものである。もとになった映画はティム・バートンの監督作の中でも私が一番好きな作品で、父と子の和解に物語の力というテ…

ちょっと歌が…赤坂ACT『ロミオとジュリエット』

赤坂ACTシアターでミュージカル版『ロミオとジュリエット』を見てきた。プロダクションじたいは既に見たことがあるもので、話全体の印象としてはちょっとメロドラマ的にすぎるということであまり変わらなかったのだが、全体的に若手の歌が前回見た時よりもか…

冴えない芸術家志望たちの芝居〜松尾スズキ『キャバレー』

松尾スズキ演出『キャバレー』を見てきた。言わずと知れた有名ミュージカルの再演で、既に一度ロンドンで見たことがある(最後凄いショッキング演出があった)。サリーが長澤まさみ、クリフが小池徹平、MCが石丸幹二で、ステージは二階建てである。二階にはバ…

今まで見た『レント』の中で一番良かった〜ブロードウェイ版『レント』

ブロードウェイ来日版の『レント』(ウェブサイトは音が出るのでリンクしない)を見た。 どういうわけだかここ1年半くらいで3回も『レント』を見ているのだが、このプロダクションが一番良かった。日本語版は基本日本語なのに対応できなくなると英語になるみた…

今になったからわかることもある〜ミュージカル『プリシラ』

宮本亜門演出のミュージカル版『プリシラ』を見てきた。3人のドラァグクィーン(そのうちの1人であるバーナデットは性別適合手術を受けて女性)がシドニーからアリススプリングスまで、おんぼろバスのプリシラ号に乗ってオーストラリアの砂漠を突っ切る旅に出…

楽しいミュージカル〜来日版『キンキーブーツ』

来日版『キンキーブーツ』を見てきた。話は基本的に日本語版とおなじだが、もちろん英語である。 楽しいところもあまりピンとこなかったところも日本語版とおなじで、やはりチャーリーがローラに電話をかけて「君こそ立派な男性だ」みたいに謝るところはどう…