ヘンデル

バロック劇場での上演~ドロットニングホルム宮廷劇場『アグリッピーナ』(配信)

ドロットニングホルム宮廷劇場でのヘンデル『アグリッピナ』上演を配信で見た。スタファン・ヴァルデマー・ホルム演出、フランチェスコ・コルティ演出で、2023年1月27日の公演を撮影したものである。 www.youtube.com なにしろドロットニングホルム宮廷劇場…

旧約聖書を題材に男の嫉妬とBLを~グラインドボーン『サウル』(配信)

年末年始に無料配信されているグラインドボーンの『サウル』を見た。ヘンデルのオラトリオをちゃんとオペラっぽく演出したものである。2015年の上演で、演出家はバリー・コスキー、指揮はアイヴァー・ボルトンである。 www.youtube.com 話は基本的に旧約聖書…

音楽は魅力的だが、演出がイマイチ~オペラノース『アルチーナ』(配信)

ヘンデルの『アルチーナ』を配信で見た。ティム・オールビー演出、ローレンス・カミングズ指揮で、オペラノースにより2月17日に上演・録画されたプロダクションである。『狂えるオルランド』が原作の作品である。 www.youtube.com 魔女アルチーナ(モイラ・…

笑えてまとまりのある上演~チューリヒ歌劇場『セメレ』(配信)

チューリヒ歌劇場の配信でヘンデル『セメレ』を見た。2007年の上演映像で、ロバート・カーセン演出のものである。字幕などはない。 www.opernhaus.ch 『セメレ』は今年の初めにコーミッシュ・オーパー・ベルリンの配信を見たのだが、それに比べると全体的に…

ピアチェンツァ市立劇場『アチ、ガラテアとポリフェモ』(配信)

ピアチェンツァ市立劇場による『アチ、ガラテアとポリフェモ』の公演を配信で見た。2020年11月15日に上演されたものである。指揮とチェンバロがルカ・グリエルミ、演出はジャンマリア・アリベルタである。ヘンデルが1708年に作ったイタリア語のカンタータで…

正攻法の豪華なヘンデル~『ロデリンダ』(配信)

METの配信でヘンデル『ロデリンダ』を見た。2011年に上演されたものの映像である。スティーヴン・ワズワースが演出、ハリー・ビケットが指揮をつとめている。 www.metopera.org ロデリンダ(ルネ・フレミング)はロンバルディアとミラノの王妃だが、夫のベル…

音楽はいいが、少し演出が地味かも~コーミッシュ・オーパー・ベルリン『セメレ』(配信)

コーミッシュ・オーパー・ベルリンによるヘンデル『セメレ』の上演を配信で見た。コンラート・ユングヘーネル指揮、バリー・コスキ演出で、2018年の上演を撮影したものらしい。台本は英語で、有名な王政復古期の劇作家であるウィリアム・コングリーヴによる…

ちょっと演出の基本コンセプトがグラインドボーンに似すぎでは…東京オペラシティ『リナルド』(配信)

東京オペラシティで上演された鈴木優人プロデュースオペラVol.2、バッハ・コレギウム・ジャパンの『リナルド』を配信で見た。ヘンデルのバロックオペラである。セミ・ステージ形式の上演というのは今回、初めて見た。 www.japanarts.co.jp 新型コロナが流行…

バランスが良く、メリハリのある上演~グラインドボーン『ジュリオ・チェーザレ』(配信)

グラインドボーンの『ジュリオ・チェーザレ』(別名『エジプトのジュリアス・シーザー』)を配信で見た。ヘンデルの有名作で上演回数も多く、本来であれば違う演出だが新国立劇場で4月にもこの演目が上演されるはずだった。これはデイヴィッド・マクヴィカー…

今見るとまったくシャレにならない、生き生きした諷刺オペラ~ヘンデル『アグリッピーナ』

METライブビューイングでヘンデルの『アグリッピーナ』を見た。2020年の2月末に収録された公演だということで、ニューヨークで舞台ができなくなる直前に撮られたものである。指揮はハリー・ビケット、演出はデイヴィッド・マクヴィカーである。 www.shochiku…

歴史ファンタジーオタク男子生徒の妄想爆発!グラインドボーン『リナルド』(配信)

グラインドボーンの配信でヘンデルのオペラ『リナルド』を見た。 www.youtube.com タッソの『解放されたエルサレム』を原作とする十字軍の物語で、十字軍がサラセン軍に勝利をおさめるまでを、英雄リナルドと将軍ゴッフレードの娘アルミレナの恋を交えて描く…

愛する人を失う悲しみ~ブリストル・オールド・ヴィク『メサイア』(配信)

ブリストル・オールド・ヴィクの配信で『メサイア』を見た。トム・モリス演出、ハリー・ビケット指揮で2017年に上演されたものらしい。古楽専門のイングリッシュ・コンサートが演奏を、同じくポリフォニーが専門の合唱団であるエレバス・アンサンブルが合唱…

もうその木と付き合っちゃえば?~ラインドイツオペラ『セルセ』(配信)

ラインドイツオペラ『セルセ』をオペラヴィジョンの配信で見た。ヘンデルのバロックオペラである。ステファン・ヘアハイム演出で2019年に上演されたものの映像だが、既にそれより前に別の劇場で同じ演出で上演されたことがあるようだ。 www.youtube.com タイ…

ヘンデル邸博物館〜なんとジミヘンもここに住んでいた!

ヘンデル邸博物館にも行ってきた。18世紀にヘンデルが住んでたらしい。 入り口がかなりわかりにくいところにある。 で、なんとこの家の上の階にはジミヘンが一時期住んでいたそうで、ジミヘンの特設展示やってた。たしかにジミヘンもヘンデルもイギリス外で…

捨て子養育院と18世紀芸術のつながり〜ファウンドリング博物館

ディケンズ家のあとはファウンドリング博物館へ。 ここは18世紀にトマス・コラムという慈善家が設立した捨て子養育院のあとを引き継ぐ形で建てられた建物に入っており、この捨て子養育院の歴史をたどるものである…というとかなり地味な博物館を連想すると思…

イングリッシュナショナルオペラ、ヘンデル『ジュリアス・シーザー』〜音楽は良いが演出が絶望的

イングリッシュナショナルオペラで『ジュリアス・シーザー』を見てきた。音楽は良いのだが演出が絶望的にひどかった。 話はシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』とは無関係で、コルネイユの『ポンペイの死』と同じあたりの話を扱っている(重点の置き方…