尺には尺を

この時勢にはけっこうきついダークコメディ~『尺には尺を』

新国立劇場で鵜山仁演出『尺には尺を』を見た。『終わりよければすべてよし』と同じ座組で問題劇2本をセット上演するプロジェクトのうちの1本である。座組だけではなくセットの美術などもかなり『終わりよければすべてよし』と似ている。 全体的に大変ダーク…

朝日カルチャー『尺には尺を』オンライン講座が無事終了しました

朝日カルチャーオンライン講座「#MeToo時代の問題劇 『尺には尺を』を楽しむ」が無事終了しました。お越しくださった皆様、どうもありがとうございます。イザベラが批評史においてなんとなく不愉快な人物として扱われてきたことをけっこうしつこくおさらいに…

西部劇と#metoo~シェイクスピア・バイ・ザ・シー『尺には尺を』(配信)

シェイクスピア・バイ・ザ・シー(ロサンゼルス)の『尺には尺を』を配信で見た。パトリック・ヴェスト演出で、ロックダウンのため延期になっていたものである。やっと上演できるようになったのに、ライヴ配信中に中継が落ちて後でアーカイヴ配信になるなど…

かなりわかりやすく変更、クロスジェンダーキャスティングも採用~新国立劇場『尺には尺を』

新国立劇場演劇研修所第14期生試演会『尺には尺を』を見てきた。子供のためのシェイクスピアシリーズをやっていた山崎清介演出である。 www.nntt.jac.go.jp 舞台に動かせる柱を立てたわりとシンプルなセットである。演出家が「子供のためのシェイクスピア」…

ロシアの現代政治~チーク・バイ・ジャウル&モスクワプーシキン劇場『尺には尺を』(配信)

チーク・バイ・ジャウルとモスクワプーシキン劇場『尺には尺を』をシビウ国際芸術祭の配信で見た。デクラン・ドネラン演出なのだが全部ロシア語で、英語の字幕がつく。2013年の上演である。 www.sibfest.ro 完全に現代のロシア政治を背景にした上演である。…

イザベラと飛翔〜『尺には尺を』(ネタバレあり)

蜷川の遺作となった『尺には尺を』を彩の国さいたま芸術劇場で見てきた。 最初と最後にイザベラ(多部未華子)が鳥を飛ばす場面が付け加えられているのがポイントで、全体的にこの尺尺のイザベラはとてもガッツのある女性である。最後に求婚する公爵(辻萬長)を…

文学座『尺には尺を』

文学座で『尺には尺を』(通称「尺尺」)を見てきた。セットは大きな白黒の布を使ったわりと簡素なもので、とくに大きくモダナイズなどはしてないと思う。 けっこうテンポのある演出で最後まで面白く見れたのだが、いくつか演出に疑問点はある。まず、イザベラ…