英文学

現代版読み替えにしてはちょっと半端なような…『ウェンディ&ピーターパン』(ネタバレ)

『ウェンディ&ピーターパン』を見てきた。エラ・ヒクソンによる『ピーター・パン』の翻案である。もともとはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでジョナサン・マンビィが演出したもので、日本版もマンビィが演出している。 www.bunkamura.co.jp お話はだ…

生演奏つきの豪華な上演~『ピーターパン』

めぐろパーシモンホールで『ピーターパン』を見てきた。森新太郎演出である。来学期に授業でとりあげる予定なのだが、舞台で見るのは初めてである。このご時世に生演奏がついており、とても豪華なミュージカルだ。 全体的に演出や演技、美術などは子供向けに…

悪くはないのだが、ちょっとノスタルジックかなぁ~Being Mr Wickham (配信)

シアター・ロイヤル・ベリー・セント・エドマンズの配信でBeing Mr Wickham を見た。名作と名高い1995年のBBC版『高慢と偏見』でウィッカムを演じたエイドリアン・ルキスが60歳になったウィッカムを演じる一人芝居である。ルキスがキャサリン・カーゾンと作…

イギリス文学史の動画がシェイクスピアまでできました

イギリス文学史の講義動画がとりあえずシェイクスピアまでできました。今の講義日程だとこれ以降はできれば対面授業ということになっているのですが、この後の感染状況により、もっと動画を作ることになる可能性もあります。 www.youtube.com www.youtube.co…

本年度のイギリス文学史のクラスは動画にします

本年度のイギリス文学史のクラスは、オンライン授業が続くかぎりは動画のオンデマンド配信とします。最初の1回分をYouTubeにアップしました。 www.youtube.com www.youtube.com

D2021にディケンズのことを書きました

リレー連載であるD2021に「今日的な、あまりに今日的な『クリスマス・キャロル』:北村紗衣【来るべきDに向けて】」を書きました。ディケンズの今日性についてです。 i-d.vice.com

『yom yom』66号に『嵐が丘』論を寄稿しました

『yom yom』66号に『嵐が丘』論を寄稿しました。書誌情報は以下の通りです。 北村紗衣「結婚というタフなビジネス(5)嵐が丘のクィア・ドリームズ」『yom yom』66、2021年2月号、148-153。 yom yom vol.66(2021年2月号)[雑誌] 作者:武田綾乃,橘蓮二,朱野帰…

ちょっと余分なものを足しすぎでは?ブラックアイド劇場『ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件』

ブラックアイド劇場の有料配信で『ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件』(The Strange Case Of Doctor Jekyll & Mr. Hyde)を見た。言わずと知れたロバート・ルイス・スティーヴンソンの古典をニック・レインが翻案し、演出もつとめている。こちらは2020年9月に…

だいぶ話が変わっている~『オリエント急行殺人事件』(ネタバレあり)

シアターコクーンで『オリエント急行殺人事件』を見てきた。言わずと知れたアガサ・クリスティの有名作をケン・ラドウィッグが舞台化したもので、河原雅彦演出である。 www.orientexpress-stage.jp 列車のセットがかなり凝ったもので、上層にそれぞれの乗客…

ちょっとあり得ないと思った~『ピーター&ザ・スターキャッチャー』(ネタバレあり)

新国立劇場で『ピーター&ザ・スターキャッチャー』を見てきた。『ピーター・パン』の前日譚である。 www.nntt.jac.go.jp 孤児である少年(入野自由、後でピーター・パンと名乗るようになる)とアスター卿の娘であるモリー(豊原江里佳)の航海と冒険を描い…

上昇志向と音楽~『わたしの耳』

ピーター・シェーファー『わたしの耳』を新国立劇場で見てきた。シス・カンパニー公演で、演出・上演台本はマギーである。1962年の作品で、登場人物は3人だけで、85分くらいの短い芝居である。 www.siscompany.com ボブ(ウエンツ瑛士)がクラシックコンサー…

人種・性別を変えるキャスティングが効果的~ブリストル・オールド・ヴィク『ワイズ・チルドレン』(配信)

ブリストル・オールド・ヴィクの配信で『ワイズ・チルドレン』を見た。2018-2019に上演され、アンジェラ・カーターの小説をエマ・ライスが舞台化したものである。 www.youtube.com 物語の主人公は双子のノーラとドーラで、話はドーラの回想の枠に入っている…

散らばる紙~サザーク劇場Wasted (配信)

サザーク劇場のWastedを配信で見た。ブロンテきょうだい(ブランウェルを含むので)を描いたミュージカルである。2018年に上演された作品だ。 southwarkplayhouse.co.uk 四角いセットで真ん中からコードがつながったマイクが出ていて、各出演者はこの草みたい…

めったに上演されない珍しい芝居~ブラックフライアーズ座、A King and No King (配信)

アメリカン・シェイクスピア・センターの期間限定有料配信で、ブラックフライアーズ劇場で収録された、A King and No King (配信) を見た。 americanshakespearecenter.com フランシス・ボーモントとジョン・フレッチャー共作の芝居で、現在ではおそらくほぼ…

どうしてもナショナルシアターと比べてしまう…ブラックアイドシアター『ジェーン・エア』(配信)

ブラックアイドシアター『ジェーン・エア』を配信で見た。ブラックアイドシアターはバークシャのブラックネルにある劇場である。ニック・レインがシャーロット・ブロンテの原作を脚色したもので、エイドリアン・マクドゥーガル演出である。2019年から2020年…

そこ、狂乱してる暇なんかなくない?~メトロポリタンオペラ『ランメルモールのルチア』(配信、ネタバレあり)

メトロポリタンオペラ『ランメルモールのルチア』を配信で見た。こちらもMETライブビューイングシリーズではなく、1982年の上演を撮影したものである。ウォルター・スコットの『ラマムアの花嫁』が原作だが、原作未読だしオペラも初めて見た。 www.metopera.…

『yom yom』62号にオースティンとジョージ・ムアに関する記事を寄稿しました。

『yom yom』62号にジェーン・オースティンとジョージ・ムアに関する記事を寄稿しました。英文学における結婚を扱うもので、この後何回か書く予定です。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「結婚というタフなビジネス」『yom yom』62号、2020年6月号、56-…

たくさん面白いところがあるが、個人的に苦手なところも~シャウビューネ『オーランド』(配信)

シャウビューネ『オーランド』を配信で見た。以前に東京芸術劇場で見たサラ・ルールのバージョンとは別のもので、アリス・バーチ翻案、ケイティ・ミッチェル演出のものである。ベルリンのシャウビューネなのでもちろんドイツ語で、英語字幕がつく。2019年に…

シンプルで現代的な上演~ナショナル・シアター『ジェーン・エア』(配信)

ナショナル・シアター・ライヴがナショナル・シアター・アット・ホームとしてウェブ配信している『ジェーン・エア』を見た。 www.youtube.com 木枠みたいな2段になっているシンプルなセットがあるだけで、衣装も簡素なもので、ヴィクトリア朝風のお屋敷など…

ウィキペディアに[[劇場 (モーム)]]の記事を作りました

日本語版ウィキペディアに劇場 (モーム)の記事を作りました。英語版からの翻訳に加筆したものです。 ja.wikipedia.org

原作準拠のわかりやすいミュージカル~『高慢と偏見』(配信)

今日から新型コロナウイルスで劇場が閉鎖された代替として配信されている芝居をレビューしようと思う。第一弾はミュージカル『高慢と偏見』にする。 www.youtube.com これは言わずと知れたジェーン・オースティン原作の古典の翻案で、ポール・ゴードンにより…

舞台を現代にすると途端にアルジーとジャックがイヤなやつに~『まじめが肝心』

恵比寿のエコー劇場で『まじめが肝心』を見てきた。文化庁海外研修の成果公演だそうで、演出家の大澤遊をはじめとして海外研究に行ってきたスタッフがかかわっている。ワイルドの人気作だが日本ではそんなによく上演されるわけではないので、ちょっと心配し…

クマのプーさん展

文化村で行われた クマのプーさん展に行ってきた。私はどうもプーさんのぬいぐるみと野生動物が同レベルで離したりする設定が苦手なのだが、学生には卒論の題材としてとても人気があるので行ってこなければと思って見てきた。原画がたくさん来ており、他にも…

史実準拠にしたほうが盛り上がったのでは?~『メアリーの総て』

『メアリーの総て』を見てきた。『フランケンシュタイン』の著者であるロマン主義の小説家、メアリ・シェリーの伝記映画である。 www.youtube.com ウィリアム・ゴドウィンとメアリー・ウルストンクラフトの娘であるメアリー(エル・ファニング)は義理の母(ジ…

「生誕60周年記念 くまのパディントン展」

文化村ザ・ミュージアムで「生誕60周年記念 くまのパディントン展」を見てきた。原画などが多くて面白かったが、ただ昔のアニメのビデオなどを放送するブースではほぼ無音の状態で見ることになってしまったので、字幕をつけてほしかったと思う。自分のパディ…

奇矯にして静かな詩人に潜む大きな情熱〜『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』

テレンス・デイヴィス監督『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』を見てきた。19世紀アメリカの詩人、エミリ・ディキンスンの生涯を描いた伝記映画である。学生時代から死まで、マサチューセッツ州アマストで静かに暮らしていたディキンスンの生涯を追う。 …

大変よくできているが、あまり好みではなかった〜NTライブ『深く青い海』

テレンス・ラティガンの『深く青い海』を見てきた。演出はキャリー・クラックネルで、既に一度、クラックネルが演出した『人形の家』を見たことある。 舞台は戦後のロンドン。ヒロインのヘスター(ヘレン・マックロリー)は夫のウィリアムから離れてテストパイ…

日本の英文学教育が抱えている問題が、はからずも…日本英文学会(関東支部)編『教室の英文学』(研究社、2017) 

献本で頂いた日本英文学会(関東支部)編『教室の英文学』(研究社、2017)を読んだ。教室の英文学posted with amazlet at 17.07.11研究社 売り上げランキング: 103,474Amazon.co.jpで詳細を見る 攻撃されがちな英文学と英語を組み合わせた大学教育について、…

「絵本はここから始まった− ウォルター・クレインの本の仕事」

千葉市美術館で「絵本はここから始まった−ウォルター・クレインの本の仕事」を見てきた。非常に見応えがあり、キレイな本が単純にいっぱいあるというだけではなく、シェイクスピアものとかウィリアム・モリスの政治的著作、ケイト・グリーナウェイなど周辺の…

おとなの女の芸と見栄〜シアターグリーン、モーム『劇場』舞台版(ネタバレあり)

シアターグリーンでサマセット・モーム『劇場』の舞台版『劇場-汝の名は女優-』を見てきた。原作は小説で、サボー・イシュトヴァン監督が『華麗なる恋の舞台で』として映画化している作品である。 1930年代のロンドン。大女優ジュリアは円熟した芸で順風満帆…