文学

東北文学館めぐり(4)宮沢賢治記念館

花巻の宮沢賢治記念館に行ってきた。 入り口。 あやしいお出迎え。 イーハトーブ 絶対入りたくない店(中はお土産とレストラン) 花巻のこのあたりはどこもかしこも宮沢賢治関係のものばかりで、宮沢賢治産業があるんだな…とちょっとビックリした。

東北文学館めぐり(3)野村胡堂・あらえびす記念館

紫波町の野村胡堂・あらえびす記念館にも行ってきた。野村胡堂はこの町出身で銭形平次シリーズの著者なのだが、あらえびすという名前でクラシック普及に尽力した音楽評論家でもあったそうだ。 入り口 銭形平次の銭 「クラシック音楽の店」という昔風の看板 …

東北文学館めぐり(1)寺山修司記念館と三沢市歴史民俗資料館

先週末、青森と岩手に文学館めぐりに行ってきた。まずは三沢の寺山修司記念館に行って来た。 いかにもな外見 中はこんな感じ 机の引き出しを開けて、懐中電灯をつけてのぞいて見るという独特の展示方法 ポスターの展示 あじさいが咲く歌碑の遊歩道 遊歩道の…

第8回Wikipediaブンガク「川端康成」に参加しました

神奈川県立図書館及び神奈川近代文学館で開催される第8回Wikipediaブンガク「川端康成」に参加しました。対面での参加は第2回以来ですが(オンラインには参加)、図書館がピカピカに新しくなっていました。記事については川端康成 (少年)の立項支援を行いま…

ハイパーリンクと男らしさ~『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を見てきた。1969年の東大駒場の900番講堂で行われた三島由紀夫と全共闘の討論会に関するドキュメンタリー映画である。 www.youtube.com TBSに残っていた記録映像をもとに再構成したものだということで、それに解説…

北海道立文学館「北海道ゆかりの文学」&「砂澤ビッキの詩と本棚」展

北海道立文学館で「北海道ゆかりの文学ー2019年の主な受賞者とトピックス」展と「砂澤ビッキの詩と本棚」展を見てきた。実は「北海道ゆかりの文学ー2019年の主な受賞者とトピックス」展には、女性史学賞をとった私の本も展示されており、展示じたいは撮影禁…

とてもよくできた映画だが、気になるところが~『リンドグレーン』(ネタバレあり)

試写会で『リンドグレーン』を見てきた。言わずと知れたスウェーデンの有名作家、アストリッド・リンドグレーンがリンドグレーンになる前の時期、つまり作家業を始める前にシングルマザーとして暮らしていた時代を描いた伝記映画である。 www.youtube.com 20…

コペンハーゲン(9)カレン・ブリクセン博物館

フレデリクスボー宮殿から東の方向にある、カレン・ブリクセン博物館にも行ってきた。デンマーク出身で、デンマーク語と英語で著作を書いた著名小説家である。映画化もされた「バベットの晩餐会」とか『アフリカの日々』の著者だ。イサク・ディネーセンとい…

セルバンテスの日記念スペイン語文学者のエディタソン2019が終了しました

セルバンテスの日記念スペイン語文学者のエディタソン2019が無事終了いたしました。成果記事一覧はこちらです。私はロルカの戯曲[[イェルマ]]と[[血の婚礼]]の記事を作りました。 ja.wikipedia.org

アポなしで斎藤緑雨が凸してくる、世にも恐ろしい明治文壇〜『書く女』

世田谷パブリックシアターで永井愛の『書く女』を見てきた。樋口一葉を黒木華が演じる。 一葉がひどい貧乏暮らしの中で半井桃水に師事したり、他の作家たちと関わったりしながら才能豊かな作家として開花し、死んでいくまでを描いた作品である。一見、書いて…

小田嶋隆「触らぬフェミに祟りなし」を芸術史の観点から批判する

『新潮45』2015年11月号の「言論の不自由」特集に小田嶋隆「触らぬフェミに祟りなし」(pp. 41-46)という記事が寄稿されているのですが、この記事には演劇の研究者(及びフェミニスト)としては見過ごせないレベルの調査不足、あるいは舞台芸術の軽視があると思…

Get ye flocks off, get ye flocks off, honey〜『ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム』

『ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム』を行きの飛行機の中で見た。 主人公はひつじのショーン。ショーンと仲間たちは農場主を眠らせてバカンスをとろうとするが、ひょんなことから農場主が寝ているトレイラーが暴走して街まで行ってしまう。農場主…

フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(3)フェミニスト批評編

一昨日の「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(1)物語・ノンフィクション編」と「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(2)理論・学術・専門書編」に続いて、最後に「フェミニスト批評編」をやろ…

フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(1)物語・ノンフィクション編

最近炎上していたこのまとめがとにかくひどい。「クソフェミ「まずは本を読め!」俺ら「どの本を?」のテンプレに答える本当にフェミニズムが学べる5冊の本」 とりあえずこのまとめのひどさはいくつもあるのだが、 ・タイトルに「クソフェミ」というのが入って…

近代も前近代も、女を救わない〜『パプーシャの黒い瞳』(ネタバレあり)

岩波ホールでポーランドの映画『パプーシャの黒い瞳』を見てきた。 1910年くらいに生まれ、80年代に亡くなった実在するポーランドのジプシー(ロマ)の女性詩人、パプーシャことブロニスラヴァ・ヴァイスの生涯を描いた伝記映画である。パプーシャはロマの娘と…

ウィレム・デフォーに尋ねないで自分で続き書けよ〜『きっと、星のせいじゃない』

『きっと、星のせいじゃない』を見た。 ヒロインのヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は17歳だが末期ガンに苦しんでおり、毎日鬱々とお気に入りの小説『大いなる痛み』を読み返す日々。心配した両親に無理矢理サポートグループに連れて行かれるが、そこで出…

日本語版ウィキペディアで「ハート・クレイン」の項目に大幅追加しました

アメリカ文学関係のスタブを日本語版ウィキペディアに乱造していたアカウント(今はブロック中)が作成した記事「ハート・クレーン」を普通アメリカ文学研究で使われている表記「ハート・クレイン」に改名し、英語版からの翻訳で大幅追加しました。クレインは…

アマゾンで各種文献・映画リストを作りました

アマゾンで学生指導用などのためいろいろな文献リストを作って公開しました。イスラームについて知るブックリスト…これは他の方のオススメ本を集めたもの。 シェイクスピアをこれから読む人向けの研究書20冊 …以前にやったこちらのエントリのリスト 英文学者…

働かないための冬休みのブラックリスト10点(書籍+映画)

夏休みに「英語圏文化について知りたい人向けの、夏休みのブラックリスト10点(書籍+映像作品)」を実施したところ好評で「またやれ」というご意見があったので、冬休みもやろうと思う。しかしながらただやるだけでは面白くないので、冬休みらしく休むための…

ヴェルレーヌとランボー、泥沼不倫劇〜『皆既食』

クリストファー・ハンプトン作、蜷川幸雄演出『皆既食』を見てきた。原作は1967年の作品で、1995年にレオナルド・ディカプリオ主演で『太陽と月に背いて』として映画化されている。象徴主義の詩人アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌの泥沼不倫を…

女性名で執筆活動を行った男性作家をリストしてみた

アイルランドの作家、フラン・オブライエンの新訳が出るということなのだが、私、最近友人にすすめられるまでこの作家のことを全く知らず、女性だと思って検索したら(これ、なんかキレイな感じの名前なんで私の隠れた性的偏見が活動してしまってケルト美女を…

すばらしい生き方をする、できる限りお近づきになりたくない人々〜エミリー・マッチャー『ハウスワイフ2.0』

エミリー・マッチャー『ハウスワイフ2.0』森嶋マリ訳(文藝春秋、2014)を読んだ。ハウスワイフ2.0posted with amazlet at 14.10.17エミリー マッチャー 文藝春秋 売り上げランキング: 4,683Amazon.co.jpで詳細を見る アメリカにおける、高学歴女性・キャリア…

英語圏文化について知りたい人向けの、夏休みのブラックリスト10点(書籍+映像作品)

いろいろなところで大学の先生が夏休みのブックリストを作って公開しているので、私も作ってみようと思う。ただし、映画やドラマを入れたいのと、あとちょっと夏なので納涼っぽくホラーやSFを入れたいと思ったので、ブックリストではなくブラックリストとす…

外国語ができるとは、なんと辛いことか〜『ドストエフスキーと愛に生きる』

アップリンクで、ドキュメンタリー映画『ドストエフスキーと愛に生きる』を見た。よくできた映画だったと思うのだが、別に愛とかの話ではない気がしたので(気がしただけだが)、邦題はこんなんじゃないほうがよかったのでは…もとのタイトルは『五頭の象と生き…

駒場博物館「ダンヌンツィオに夢中だった頃―カブリエーレ・ダンヌンツィオ(1863-1938) 生誕150周年記念展」

駒場博物館で「ダンヌンツィオに夢中だった頃―カブリエーレ・ダンヌンツィオ(1863-1938)生誕150周年記念展」を見てきた。駒場博物館は以前の勤め先(司書TAやってた)で行くのは久しぶりだったのだが、全然雰囲気も変わっておらず懐かしい感じ。 ダンヌンツ…

本文批評にまつわる怪談集〜フレドソン・バワーズ『本文批評と文芸批評』

書誌学の定番を読み直す企画の一部として、フレドソン・バワーズ『本文批評と文芸批評』(中央書院、1983)を読んだ。本文批評と文芸批評posted with amazlet at 13.12.11フレドソン・バワーズ 中央書院 売り上げランキング: 1,728,197Amazon.co.jpで詳細を見る…

吉屋信子の従軍記とその周りの議論に注目〜久米依子『「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀』(青弓社、2013)

久米依子『「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀』(青弓社、2013)を読んだ。「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀posted with amazlet at 13.12.02久米 依子 青弓社 売り上げランキング: 273,097Amazon.co.jpで詳細を見る 近…

ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』〜恋か、諷刺か

ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』野崎歓訳(光文社、2011)を読んだ。うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫 Aウ 5-1)posted with amazlet at 13.11.20ヴィアン 光文社 (2011-09-13)売り上げランキング: 25,276Amazon.co.jpで詳細を見る きちんと原作を読んだ…

働いたら負け、現代思想家には死を、そしてただ手を動かしてアートを〜『ムード・インディゴ うたかたの日々』

『ムード・インディゴ うたかたの日々』を見てきた。 私、1968年にフランスで映画化された『うたかたの日々』を高校生の時に見てなんて変な映画だ…と思った覚えがあり、今回もなんてったってミシェル・ゴンドリー監督なのですごく変な映画を期待していったの…

カティリーナにも歴史あり〜大浦康介『フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間』

大浦康介『フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間』(世界思想社、2013)を読んだ。フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間posted with amazlet at 13.08.21世界思想社 売り上げランキング: 64,510Amazon.co.jpで詳細を見る 芸術をやっている…