文学
神奈川県立図書館及び神奈川近代文学館で開催される第8回Wikipediaブンガク「川端康成」に参加しました。対面での参加は第2回以来ですが(オンラインには参加)、図書館がピカピカに新しくなっていました。記事については川端康成 (少年)の立項支援を行いま…
『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を見てきた。1969年の東大駒場の900番講堂で行われた三島由紀夫と全共闘の討論会に関するドキュメンタリー映画である。 www.youtube.com TBSに残っていた記録映像をもとに再構成したものだということで、それに解説…
北海道立文学館で「北海道ゆかりの文学ー2019年の主な受賞者とトピックス」展と「砂澤ビッキの詩と本棚」展を見てきた。実は「北海道ゆかりの文学ー2019年の主な受賞者とトピックス」展には、女性史学賞をとった私の本も展示されており、展示じたいは撮影禁…
試写会で『リンドグレーン』を見てきた。言わずと知れたスウェーデンの有名作家、アストリッド・リンドグレーンがリンドグレーンになる前の時期、つまり作家業を始める前にシングルマザーとして暮らしていた時代を描いた伝記映画である。 www.youtube.com 20…
フレデリクスボー宮殿から東の方向にある、カレン・ブリクセン博物館にも行ってきた。デンマーク出身で、デンマーク語と英語で著作を書いた著名小説家である。映画化もされた「バベットの晩餐会」とか『アフリカの日々』の著者だ。イサク・ディネーセンとい…
セルバンテスの日記念スペイン語文学者のエディタソン2019が無事終了いたしました。成果記事一覧はこちらです。私はロルカの戯曲[[イェルマ]]と[[血の婚礼]]の記事を作りました。 ja.wikipedia.org
世田谷パブリックシアターで永井愛の『書く女』を見てきた。樋口一葉を黒木華が演じる。 一葉がひどい貧乏暮らしの中で半井桃水に師事したり、他の作家たちと関わったりしながら才能豊かな作家として開花し、死んでいくまでを描いた作品である。一見、書いて…
『新潮45』2015年11月号の「言論の不自由」特集に小田嶋隆「触らぬフェミに祟りなし」(pp. 41-46)という記事が寄稿されているのですが、この記事には演劇の研究者(及びフェミニスト)としては見過ごせないレベルの調査不足、あるいは舞台芸術の軽視があると思…
『ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム』を行きの飛行機の中で見た。 主人公はひつじのショーン。ショーンと仲間たちは農場主を眠らせてバカンスをとろうとするが、ひょんなことから農場主が寝ているトレイラーが暴走して街まで行ってしまう。農場主…
一昨日の「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(1)物語・ノンフィクション編」と「フェミニストとしてすすめる、フェミニズムに関心を持つための本5冊(2)理論・学術・専門書編」に続いて、最後に「フェミニスト批評編」をやろ…
最近炎上していたこのまとめがとにかくひどい。「クソフェミ「まずは本を読め!」俺ら「どの本を?」のテンプレに答える本当にフェミニズムが学べる5冊の本」 とりあえずこのまとめのひどさはいくつもあるのだが、 ・タイトルに「クソフェミ」というのが入って…
岩波ホールでポーランドの映画『パプーシャの黒い瞳』を見てきた。 1910年くらいに生まれ、80年代に亡くなった実在するポーランドのジプシー(ロマ)の女性詩人、パプーシャことブロニスラヴァ・ヴァイスの生涯を描いた伝記映画である。パプーシャはロマの娘と…
『きっと、星のせいじゃない』を見た。 ヒロインのヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は17歳だが末期ガンに苦しんでおり、毎日鬱々とお気に入りの小説『大いなる痛み』を読み返す日々。心配した両親に無理矢理サポートグループに連れて行かれるが、そこで出…
アメリカ文学関係のスタブを日本語版ウィキペディアに乱造していたアカウント(今はブロック中)が作成した記事「ハート・クレーン」を普通アメリカ文学研究で使われている表記「ハート・クレイン」に改名し、英語版からの翻訳で大幅追加しました。クレインは…
アマゾンで学生指導用などのためいろいろな文献リストを作って公開しました。イスラームについて知るブックリスト…これは他の方のオススメ本を集めたもの。 シェイクスピアをこれから読む人向けの研究書20冊 …以前にやったこちらのエントリのリスト 英文学者…
夏休みに「英語圏文化について知りたい人向けの、夏休みのブラックリスト10点(書籍+映像作品)」を実施したところ好評で「またやれ」というご意見があったので、冬休みもやろうと思う。しかしながらただやるだけでは面白くないので、冬休みらしく休むための…
クリストファー・ハンプトン作、蜷川幸雄演出『皆既食』を見てきた。原作は1967年の作品で、1995年にレオナルド・ディカプリオ主演で『太陽と月に背いて』として映画化されている。象徴主義の詩人アルチュール・ランボーとポール・ヴェルレーヌの泥沼不倫を…
アイルランドの作家、フラン・オブライエンの新訳が出るということなのだが、私、最近友人にすすめられるまでこの作家のことを全く知らず、女性だと思って検索したら(これ、なんかキレイな感じの名前なんで私の隠れた性的偏見が活動してしまってケルト美女を…
エミリー・マッチャー『ハウスワイフ2.0』森嶋マリ訳(文藝春秋、2014)を読んだ。ハウスワイフ2.0posted with amazlet at 14.10.17エミリー マッチャー 文藝春秋 売り上げランキング: 4,683Amazon.co.jpで詳細を見る アメリカにおける、高学歴女性・キャリア…
いろいろなところで大学の先生が夏休みのブックリストを作って公開しているので、私も作ってみようと思う。ただし、映画やドラマを入れたいのと、あとちょっと夏なので納涼っぽくホラーやSFを入れたいと思ったので、ブックリストではなくブラックリストとす…
アップリンクで、ドキュメンタリー映画『ドストエフスキーと愛に生きる』を見た。よくできた映画だったと思うのだが、別に愛とかの話ではない気がしたので(気がしただけだが)、邦題はこんなんじゃないほうがよかったのでは…もとのタイトルは『五頭の象と生き…
駒場博物館で「ダンヌンツィオに夢中だった頃―カブリエーレ・ダンヌンツィオ(1863-1938)生誕150周年記念展」を見てきた。駒場博物館は以前の勤め先(司書TAやってた)で行くのは久しぶりだったのだが、全然雰囲気も変わっておらず懐かしい感じ。 ダンヌンツ…
書誌学の定番を読み直す企画の一部として、フレドソン・バワーズ『本文批評と文芸批評』(中央書院、1983)を読んだ。本文批評と文芸批評posted with amazlet at 13.12.11フレドソン・バワーズ 中央書院 売り上げランキング: 1,728,197Amazon.co.jpで詳細を見る…
久米依子『「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀』(青弓社、2013)を読んだ。「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀posted with amazlet at 13.12.02久米 依子 青弓社 売り上げランキング: 273,097Amazon.co.jpで詳細を見る 近…
ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』野崎歓訳(光文社、2011)を読んだ。うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫 Aウ 5-1)posted with amazlet at 13.11.20ヴィアン 光文社 (2011-09-13)売り上げランキング: 25,276Amazon.co.jpで詳細を見る きちんと原作を読んだ…
『ムード・インディゴ うたかたの日々』を見てきた。 私、1968年にフランスで映画化された『うたかたの日々』を高校生の時に見てなんて変な映画だ…と思った覚えがあり、今回もなんてったってミシェル・ゴンドリー監督なのですごく変な映画を期待していったの…
大浦康介『フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間』(世界思想社、2013)を読んだ。フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間posted with amazlet at 13.08.21世界思想社 売り上げランキング: 64,510Amazon.co.jpで詳細を見る 芸術をやっている…
前田愛『近代読者の成立』を読んだ。1973年だかに出て何度か再版されているらしいのだが、私が読んだ2001年の岩波現代文庫版ももう品切れらしい。良い本なのに残念である。 内容は天保期から戦後くらいまでかなり長いスパンで、出版、作者の考え方、読者の投…
出光美術館で「源氏絵と伊勢絵〜描かれた恋物語」展を見ていた。結構こんでいて人気もある展覧会だったのだが、うちが絵巻とかマンガみたいな絵に物語がついてるタイプの絵が大変苦手であるせいであまり楽しめず…一枚の絵はわりとわかりやすいものもあったの…
第七回歴史コミュニケーション研究会に出席した。 報告内容についてはこちらとかこちらで既に詳しい説明があがっているからいいとして、私が気になったのは第二部「さかのぼり世界史A」である。というのも、なんか普段文学や芝居、映画のナラティヴに触れて…