映画

『エルトン・ジョン・ライヴ:Farewell from Dodger Stadium』

ディズニープラスで配信開始した『エルトン・ジョン・ライヴ:Farewell from Dodger Stadium』を見た。エルトン・ジョンがFarewell Yellow Brick Road Tourの一環、北米最後のライヴとして行ったロサンゼルスのドジャー・スタジアムでの公演を撮ったコンサー…

個人的にはイマイチ…『ピンク・クラウド』(ネタバレあり)

イウリ・ジェルバーゼ監督『ピンク・クラウド』を見てきた。 www.youtube.com 舞台はおそらく現代ブラジルのどこかである。ジョヴァナ(ヘナタ・ジ・レリス)とヤーゴ(エドゥアルド・メンドンサ)は出会ったばかりで一夜を共にするが、突然、接触すると10秒…

音楽ドキュメンタリーとしてはかなりイマイチ~『ミスタームーンライト〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢』

『ミスタームーンライト〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢』を見てきた。ビートルズの武道館来日について、関係者や当時のファンなどに取材したドキュメンタリーである。 www.youtube.com 東芝のスタッフからファンクラブの人、財津和夫みたい…

『イニシェリン島の精霊』ウェブサイトにコメントをしました

『イニシェリン島の精霊』ウェブサイトにコメントをしました。見た人にはわかると思うのですが、けっこう底意地の悪いコメントですいません。 www.searchlightpictures.jp

白人至上主義的ヴァイキング像を皮肉ろうとしつつ、誤って受け取られそうな作品~『ノースマン 導かれし復讐者』

ロバート・エガース監督『ノースマン 導かれし復讐者』を見てきた。『ハムレット』のもともとの伝説を映画化した作品である。脚本にはエガースの他、アイスランドの著名な作家であるショーンが参加している。なお、監督はシェイクスピア研究者のウォルター・…

ユニセフプロパガンダ映画なんていうものがあるのか…『丘の上の本屋さん』(試写、ネタバレ注意)

『丘の上の本屋さん』を試写で見た。 www.youtube.com 舞台はイタリアの小さな地方の村である。古書店の店主であるリベロ(レモ・ジローネ)はブルキナファソ出身の移民で本が好きな少年エシエン(ディディー・ローレンツ・チュンブ)と仲良くなり、売り物の…

ちょっといろいろ気になるところが…『エンパイア・オブ・ライト』(試写、ネタバレ注意)

サム・メンデス監督の最新作『エンパイア・オブ・ライト』を試写で見てきた。 www.youtube.com 舞台は1980年代初頭のマーゲイト(海辺のリゾート地)である。地元の映画館でマネージャーをしているヒラリー(オリヴィア・コールマン)は、ボスである既婚者の…

私が苦手なタイプのドキュメンタリー~『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』(試写)

『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』を試写で見た。マリメッコのデザインで有名なデザイナー・画家のマイヤ・イソラについてのドキュメンタリーである。 www.youtube.com マイヤ・イソラは恋多き女性で旅を好んでおり、そのへんに焦点をあてたドキュ…

『トップガン マーヴェリック』のわりを食った感じの歴史もの~『ディヴォーション: マイ・ベスト・ウィングマン』(配信)

『ディヴォーション: マイ・ベスト・ウィングマン』をNetflixで見た。実在するアメリカ軍の黒人パイロットで、非白人としてアメリカ軍史に残る業績をあげたジェシー・ブラウンと、そのウィングマンだった白人のトム・ハドナーをめぐる史実に基づいた作品であ…

『キネマ旬報』2月上旬号に『イニシェリン島の精霊』のレビューを書きました

『キネマ旬報』2月上旬号に『イニシェリン島の精霊』のレビューを書きました。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「暴力と図書館~『イニシェリン島の精霊』をめぐって」『キネマ旬報』2023年2月上旬号、pp. 53-54。 キネマ旬報 2023年2月上旬号 No.1913…

アップデートされた『大統領の陰謀』~『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』

『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』を見た。ハーヴィ・ワインスティーンによる継続的な性的虐待事件に関するジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーの報道についての映画である。この2人が書いた書籍である『その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャー…

ゴシックホラー風二次創作~『ほの蒼き瞳』(ネタバレあり)

『ほの蒼き瞳』をNetflix配信で見た。何度か一緒に仕事をしているスコット・クーパー監督とクリスチャン・ベールが再度組んだ作品である。エドガー・アラン・ポーが登場する歴史ミステリ小説の映画化である。 www.netflix.com 1830年、ウェストポイント士官…

ホームビデオっぽさもあるドキュメンタリー~『If These Walls Could Sing アビー・ロード・スタジオの伝説』

ディズニー+で配信中の『If These Walls Could Sing アビー・ロード・スタジオの伝説』を見た。アビー・ロード・スタジオに関するドキュメンタリー映画で、ポールとリンダのマッカートニー夫妻の娘であるメアリー・マッカートニーが監督している。 基本的に…

馬を通したコミュニティ再生~『ドリーム・ホース』

『ドリーム・ホース』を見た。『シャーロック』『トーチウッド』『ドクター・フー』などの仕事をしていたユーロス・リン監督によるウェールズ映画で、実話をもとにしている。 www.youtube.com 2000年代頃のウェールズの谷間にある田舎の村が舞台である。昼は…

ちょっと詰め込み過ぎ感~『ホワイト・ノイズ』(配信)

Netflixの『ホワイト・ノイズ』を配信で見た。ノア・バームバック監督の新作で、ドン・デリーロの小説の映画化である。 www.netflix.com 非常に説明しにくい話なのだが(そもそも小説が映画化不可能とか言われていた)、だいたい三部構成である。アメリカの…

あまり映画らしさは無い~『ヒトラーのための虐殺会議』(試写)

『ヒトラーのための虐殺会議』を試写で見た。1942年のヴァンゼー会議の80周年記念で作られたドイツのテレビ映画で、日本では劇場公開される。 www.youtube.com 全体的に会議の議事録をそのまんま起こしたみたいな台本で、淡々と話し合いが進む。ユダヤ人の絶…

モリコーネの生前の業績がよくわかるドキュメンタリー~『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(試写)

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』を試写で見た。20世紀映画音楽の巨匠である作曲家のエンニオ・モリコーネの人生について、『ニュー・シネマ・パラダイス』などで一緒に仕事をしていたジュゼッペ・トルナトーレ監督が作ったドキュメンタリーである。モリコ…

2022年映画ベスト10

昨日、アトロクで発表した映画ベスト10です(伊賀大介さんのベストとあわせてこちらとこちらで聴くことができます)。今年は133本の映画を見ました。そのうち27本は配信で、1本は日本未公開(ソフトで鑑賞)です。 1. 『メタモルフォーゼの縁側』…ポジティブ…

今年配信で見た新作一覧

備忘録として今年配信やソフトで見た新作映画をリストして(27本ある)、ひとことだけ感想を書いておこうと思う。 ・『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス』(2022年1月に限定劇場公開、その後Netflixに) ハンガリーの時代ものホラーで、第一次世界大戦の…

名戯曲を新演出で再演したような作品~『生きる LIVING』(試写)

『生きる LIVING』を試写で見てきた。黒澤明の『生きる』を、舞台を1950年代初頭(時代はだいたい原作と同じ)のロンドンを舞台にリメイクしたものである。脚本をカズオ・イシグロが執筆し、オリバー・ハーマヌスが監督している。 www.youtube.com 舞台はロ…

難民たちの第二の人生~『チーム・ジンバブエのソムリエたち』

『チーム・ジンバブエのソムリエたち』を見てきた。政治的・経済的混乱が続くジンバブエを脱出して南アフリカ共和国に移住した4人の難民の男性たちが、移住後に身につけたワインに関する知識でテイスティング世界大会に出場する様子を撮ったドキュメンタリー…

自分のためにオシャレするのは素晴らしいことだ~『ミセス・ハリス、パリへ行く』(ネタバレあり)

『ミセス・ハリス、パリへ行く』を見た。ポール・ギャリコの有名なヤングアダルト小説(というものはたぶんギャリコがこれを書いた頃にはなかったと思うが)を映画化したものである。 www.youtube.com 舞台は1957年のロンドンである。第二次世界大戦に出征し…

終盤はボディホラーのような怖さ~『あのこと』

オードレイ・ディヴァイン監督・脚本『あのこと』を見てきた。ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーの小説が原作である。 www.youtube.com 舞台は1960年代のフランスの大学都市である。ワーキングクラスの娘である成績優秀なアンヌ(アナマリア・ヴァル…

つまらなくはないのだが、いろいろツッコミどころも~『ザリガニの鳴くところ』

『ザリガニの鳴くところ』を見てきた。原作は同名のヒット小説だが、未読である。 www.youtube.com 舞台は1969年のノースカロライナの湿地帯である。沼地で1人暮らしをしているカイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は恋人だったチェイス(ハリス・ディ…

よくできたブラックコメディ映画~『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』

『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』を見た。 www.youtube.com 第二次世界大戦中、ユダヤ人の青年ジル(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)はたまたまペルシャ語の本を持っていたため、ユダヤ人狩りの際に自分はペルシャ系だというウソをついて死を逃れよ…

ポーギーが必要だった~『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』(試写、ネタバレ注意)

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』を試写で見た。ケイシー・レモンズ監督、アンソニー・マッカーテン(『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本家)脚本で、言わずと知れたホイットニー・ヒューストンの伝記映画である。 www.youtube.com…

つまらないわけではないが…『ザ・メニュー』(ネタバレあり)

『ザ・メニュー』を見てきた。 www.youtube.com 有名シェフのジュリアン(レイフ・ファインズ)が取り仕切る孤島のレストランに一団の客が招待される。ジュリアンの大ファンであるタイラー(ニコラス・ホルト)はマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)を連れて…

ホリデー気分の短編集~『ひつじのショーン スペシャル クリスマスがやってきた!』

『ひつじのショーン スペシャル クリスマスがやってきた!』を見てきた。中編『ひつじのショーン ~クリスマスの冒険』に、クリスマスや冬に関係する短編3編を足したものである。諷刺的なユーモアもけっこうある『ひつじのショーン』シリーズだが、クリスマ…

パーパ・エッシードゥを無駄遣いするフォークホラー~『MEN 同じ顔の男たち』(ネタバレあり)

アレックス・ガーランド監督『MEN 同じ顔の男たち』を見た。 www.youtube.com 夫ジェームズ(パーパ・エッシードゥ )が自殺したばかりのハーパー(ジェシー・バックリー)は、ロンドンを逃れてちょっと骨休めをするため、田舎のお屋敷に休暇に出かける。と…

話の方向性と映像的な方針が一致していない~『ドント・ウォーリー・ダーリン』(ネタバレあり)

オリヴィア・ワイルド監督作『ドント・ウォーリー・ダーリン』を見てきた。 www.youtube.com 砂漠のど真ん中にある1950年代風の町ヴィクトリーが舞台である。ヴィクトリーはカリスマ的なフランク(クリス・パイン)が運営する極秘プロジェクトをやっている会…