テネシー・ウィリアムズ

わりとオーソドックスなテネシー・ウィリアムズ~『ガラスの動物園』

新国立劇場でイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出『ガラスの動物園』を見た。イザベル・ユペールがアマンダ役という豪華なプロダクションである。劇場もほぼ満席だった。 セットは全体にけばのあるふわっとした茶色い生地で覆われた長方形の部屋である。後ろの壁に…

良いプロダクションだが、音楽が新しすぎかも~『ガラスの動物園』

シアタークリエで『ガラスの動物園』を見てきた。 www.tohostage.com わりと大がかりな家屋のセットで、右側に外につながる階段がある。紳士のお客様ことジム(竪山隼太)が来る時にはわざわざアマンダ(麻実れい)が階段にまで花を飾ったりしていて、しみっ…

私が好きではないテネシー~『男が死ぬ日』

テネシー・ウィリアムズの西洋能『男が死ぬ日』を見てきた。三島由紀夫とテネシー・ウィリアムズの交流の産物だというお芝居である。 タイトルどおり、男性の画家が自殺するまでを描いた作品である。主要登場人物は画家、愛人、東洋人で、それ以外に後見が出…

レインボーのスカーフ~文学座『ガラスの動物園』

高橋正徳演出、文学座『ガラスの動物園』を見てきた。言わずと知れたテネシー・ウィリアムズの有名作である。戯曲はかなり前に読んだことあるが、舞台で見たのは初めてだった。 舞台は1930年代くらいのセントルイスである。夫に出て行かれたアマンダ(塩田朋…

子ネコと猛犬〜『欲望という名の電車』

フィリップ・ブリーン演出『欲望という名の電車』を見てきた。実はライヴで見るのは初めてである。 けっこう工夫したセットで、最初はドアが降りている状態で始まるのだが、開幕してすぐドアが上に上がって真ん中に散らかった二部屋のアパートが出てくる。第…

ニューオーリンズ(5)テネシー・ウィリアムズ・ニューオーリンズ文学祭ウォーキングツアー

テネシーまつりの二日目はまずフレンチ・クォーターのリテラリー・ウォーキング・ツアーに参加した。ガイドさんの案内で、テネシーゆかりの家を回る。 テネシーお気に入りだったホテル。 ネコホテルである。 テネシーと彼氏のパンチョが住んでいた家。パンチ…

ニューオーリンズ(6)『トルーマン、テネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)

テネシーまつりの最後の観劇は『トルーマン、テネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)。トルーマン・カポーティが友人だったテネシーの話を中心に、自分の人生や交友を語るという作品である。ジョエル・ヴィグという役者さんが作った一人芝居なのだが、本…

ニューオーリンズ(4)テネシー・ウィリアムズ『日曜日は暗くなるまで着替えない』リーディング公演

三つ目の上演として、テネシー・ウィリアムズの『日曜日は暗くなるまで着替えない』(I Never Get Dressed Till after Dark on Sundays)のリーディング公演を見た。この作品は『古い街』(Vieux Carré)のもとになった作品だそうだが、かなり実験的な短編で(上…

ニューオーリンズ(2)歴史的建造物でテネシー・ウィリアムズのホテル劇を上演

さて、ニューオーリンズにきた一番のおめあてはテネシー・ウィリアムズ・ニューオーリンズ文学祭であるので、観劇にいそしむことに。まずはホテル劇の上演を見る。 このホテル劇は、テネシー・ウィリアムズのホテルを舞台にした一幕物四作品(それぞれの上演…

男性の陰湿、女性の無垢〜NTライヴ『欲望という名の電車』

NTライヴで『欲望という名の電車』を見た。去年の夏にヤング・ヴィックで行われた上演で、演出はベネディクト・アンドリュース。舞台上演でこの演目を見るのは始めてである。 言わずと知れたテネシー・ウィリアムズの有名作なのであらすじは不要かもしれない…

プリントルーム、テネシー・ウィリアムズ作『地上の王国』〜人殺しが起きない『サイコ』、あるいはセクシーなゴリラ的なるもの

近くにあるプリントルームというちっちゃい劇場でテネシー・ウィリアムズのあまり上演されない戯曲『地上の王国』(Kingdom of Earth、別名:"The Seven Descents of Myrtle")を見てきた。こんなのやってるの全然知らなかったのだが、Sweet Showers in April…