ニューオーリンズ(5)テネシー・ウィリアムズ・ニューオーリンズ文学祭ウォーキングツアー

 テネシーまつりの二日目はまずフレンチ・クォーターのリテラリー・ウォーキング・ツアーに参加した。ガイドさんの案内で、テネシーゆかりの家を回る。





 テネシーお気に入りだったホテル。

 ネコホテルである。



 テネシーと彼氏のパンチョが住んでいた家。パンチョはかんしゃく持ちのセクシーな男性で、テネシーはパンチョと自分を参考に『欲望という名の電車』のスタンリーとブランチの性格造形をしたそうだ。この芝居はこの家で執筆されたらしい。

 このあたりにはフォークナーも一時期いたそうで、フォークナーがいたという家にはイースターの飾り付けとシャボン玉装置が。



 書店。


 これはテネシーが買いたかったが買えなかった家らしい。すごく見た目のバランスが悪い。



 テネシーの家。犬もいる!






 テネシー行きつけのレストラン。なんとガイドさんはこのレストランでウェイターのアルバイトをしており、テネシーに何度も食事を運んだらしい。テネシーが酔っ払い男にレストランで絡まれた話とか、テネシーの晩年に食事に誘われて「またの機会に」と答えたらテネシーが直後に亡くなっちゃってものすごく後悔した話とか、面白い逸話をたくさんきかせてもらった。

 いろいろなところを巡っていろいろな話をきいて、土地柄とテネシーの作品の関係が少し理解できたように思う。作者の人生に作品を還元するのはあまりよくないが、とはいえ「地域的」な作家(テネシー・ウィリアムズ以外だとジェイムズ・ジョイスとか)の場合、作品の舞台になった土地を知るのは必ず作品の理解を助けるので、このツアーはとても興味深かった。私は学部の頃にテネシーの作品を読んで、凄いとは思うが一生好きにならないだろうと思った…んだけれども、こうして舞台になった土地と作品の関係を理解していくと驚くことになんとなく作品が好きになっていくような気がする。びっくりだ(まあ、私が年をとったせいもあるだろうが…なんといっても31歳教員で、ブランチと同じだもんね!)。