芝居

愉しい作品だが、あのメイクは要るのかねぇ~『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』

東急シアターオーブで『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』を見てきた。デロリスは森公美子、カーティスは今卓哉の版だった。既に英語版は一度生で見たことがある。 ろくでもない男であるカーティスにひっかかってしまい、うだつのあがらない人生…

「MIDWEEK BURLESQUE vol.76 The Year-end Fabulous Party」

「MIDWEEK BURLESQUE vol.76 The Year-end Fabulous Party」に行ってきた。前回のミッドウィーク・バーレスクは研究者観劇会ということで数人募って行ったのだが、今回はウィキペディア演芸関係執筆者観劇会だった。出演者はPrincipessa Elegante、Milah Swa…

これ、クイーン要らないよね~『Q:A Night At The Kabuki』

『Q:A Night At The Kabuki』を見てきた。野田秀樹の新作でクイーンの楽曲を全面的に使用、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の翻案でオールスターキャストということで凄い話題作である。過剰な転売対策が行われていて(客にも劇場にもえらいコスト…

力の入った作品だが、かなり暗い~『あの出来事』

スコットランドの劇作家デイヴィッド・グレッグの『あの出来事』を新国立劇場で見てきた。この作家の作品としては『ミッドサマー』をイギリスで見たことがあったのだが、シェイクスピアの小ネタなどを盛り込みつつ、スコットランドの地方色が豊かな爆笑喜劇…

繊細なマーゴと精神不安定なイヴ~NTライヴ『イヴの総て』

NTライヴで『イヴの総て』を見た。言わずと知れた1950年の名作映画の舞台化で、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出、マーゴ役がジリアン・アンダーソン、イヴ役がリリー・ジェームズである。ブロードウェイを舞台に、大女優マーゴに取り入った新人イヴが周囲の人…

ベン・ジョンソンの『エピシーン』にちょっと似た爆笑オペラ~『ドン・パスクワーレ』

新国立劇場でドニゼッティの『ドン・パスクワーレ』を見てきた。あまり予備知識なしで行ったのだが、大変面白かった。 ご老人のドン・パスクワーレは相続人である甥のエルネストが自分の言うとおりに結婚せず、貧しいが機転の利く美しい寡婦ノリーナと結婚す…

ちょっとカットのやり方が…明治大学シェイクスピアプロジェクト『ローマ英雄伝』

明治大学シェイクスピアプロジェクト『ローマ英雄伝』を見てきた。『ジュリアス・シーザー』と『アントニーとクレオパトラ』を二部構成でやるというものである。 www.kisc.meiji.ac.jp 2016年の『Midsummer Nightmare』に参加したスタッフが演出しているそう…

MIDWEEK BURLESQUE vol.75 -Sweet November-

「MIDWEEK BURLESQUE vol.75 -Sweet November-」を見てきた。観劇会で、複数人で行ってきた。 初登場のゆぶねロマンスはお風呂がテーマのコミカルなものだった。全力!歌劇団はショーは良かったのだが、前回見た時よりもだいぶ人数が減っていたのでちょっと…

スタントン(11)初めて劇場で「こんな白人ばかりのところで芝居を見たくない」と思った~Keene

学会終了前日の夜、ブラックフライアーズ劇場でAnchuli Felicia Kingの新作Keeneのリーディング公演を見てきた。これは学会主催であるアメリカン・シェイクスピア・センターが行っているShakespreare's New Contemporariesという賞をとったものである。 3日…

スタントン(10)精神病院に残された患者のスーツケースを主題とするミュージカル、The Willard Suitcases

ブラックフライアーズ劇場で新作ミュージカルThe Willard Suitcasesを見てきた。これは1995年、ニューヨーク州のウィラード精神病院の屋根裏から、かつての患者のものと思われる大量のスーツケースが見つかったことをもとにした作品である。 americanshakesp…

スタントン(8)~ちょっとカットしすぎなQ1版『ハムレット』

ブラックフライアーズ学会の企画で、近くのメアリー・ボールドウィン大学の学生劇団であるステッドファスト・シェイクスピア・カンパニーが上演するQ1版『ハムレット』が上演された。ブラックフライアーズ劇場の本公演終了後、23時からの上演というすごく遅…

スタントン(6)とにかくセクシーな愛と政治のローマ劇~ブラックフライアーズ劇場『アントニーとクレオパトラ』

ブラックフライアーズ劇場で引き続き『アントニーとクレオパトラ』を見た。アントニー(ジェフリー・ケント)やオクテーヴィアス(マイケル・マノッキア)などのキャストは昨日見た『ジュリアス・シーザー』と同じだが、クレオパトラ(ゾーイ・スピアス)は『シー…

スタントン(4)こずるいアントニー、人間味のあるキャシアス~ブラックフライアーズ劇場『ジュリアス・シーザー』

昨日の『シーザーとクレオパトラ』に続き、ブラックフライアーズ劇場で『ジュリアス・シーザー』を見た。演出家が違うので美術や衣装プランなどはちょっと違い、多少ローマ風になっているのだが、シーザー(デイヴィッド・アンソニー・ルイス)は同じ役者が演…

スタントン(2)ダーク版『ピグマリオン』~ブラックフライアーズ劇場『シーザーとクレオパトラ』

ブラックフライアーズ劇場で『シーザーとクレオパトラ』を見てきた。バーナード・ショーの有名作で、シェイクスピアのローマ劇の前日譚として書かれたものである。映画は見たことあるし、台本も読んだことあるが、生で見るのは初めてだった。 americanshakes…

70年代ピッツバーグの配車サービス~オーガスト・ウィルソン『ジトニー』

ワシントンDCのアリーナステージでオーガスト・ウィルソン『ジトニー』を見てきた。ウィルソンのピッツバーグサイクル劇のひとつである。 ジトニーというのはいわゆる白タク的なもので、70年代のピッツバーグでタクシーがカバーしていない黒人居住地区でこの…

力のある作品ではあるのだろうが、好みが…オーガスト・ウィルソン『フェンス』

フォード劇場でオーガスト・ウィルソン『フェンス』を見てきた。ウィルソンのピッツバーグ・サイクルの一作である。大変有名な作品で映画化もされているのだが、私は見るのは初めてである。 主人公のトロイ(クレイグ・ウォレス)はもともとは強盗で人を殺して…

水の無言劇~シネティック・シアター『テンペスト』

ワシントンDCのシネティック・シアターで『テンペスト』を見てきた。シネティック・シアターはフィジカルシアターの劇団である。この演目もシェイクスピアの芝居をそのままやるのではなく、台詞が一切なく全てが動きで表現される。舞台上には水が張られてい…

すごくよくできた芝居だが、好みかというと…新国立『どん底』

新国立劇場で『どん底』を見てきた。マクシム・ゴーリキーの有名作だが、見たのはこれが初めてである。 www.nntt.jac.go.jp 簡易宿泊所みたいな宿屋を舞台にロシアの貧しい人々を描いた群像劇で、あまりはっきりした物語があるわけではなく、いろいろと救い…

仮想現実を舞台でやる~『THE NETHER』(ネタバレあり)

東京グローブ座で『THE NETHER』を見てきた。2013年初演のアメリカの芝居で、ジェニファー・ヘイリー作である。小児性愛とオンラインの仮想現実空間を扱った、非常に重い作品だ。 オンライン空間The Netherでの犯罪を調査しているモリス捜査官(北山宏光)は、…

オールメールを上手に使った演出~カクシンハン『ロミオとジュリエット』

カクシンハン『ロミオとジュリエット』を見てきた。ポケット公演ということで、3人の役者を使い、オールメール、60分くらいで『ロミオとジュリエット』をやるというものである。 kakushinhan.org 舞台はそこらじゅうに新聞紙がまき散らされ、衣類をかけるフ…

面白いところはたくさんあるが、現代的な演出とあっているのかは疑問~『オイディプス』(演出ネタバレあり)

マシュー・ダンスター演出『オイディプス』を見てきた。言わずと知れたソフォクレスのギリシア悲劇である。テーバイの王オイディプスの殺人と近親相姦にまみれた呪われた運命を描いた作品で、現存する最古のミステリ戯曲でもある。 www.bunkamura.co.jp あら…

次から次へと出てくる家庭問題~NTライヴ『みんな我が子』

NTライヴでアーサー・ミラーの『みんな我が子』を見てきた。ジェレミー・ヘリン演出で、オールドヴィックで上演されたものだ。初演は1947年で、いかにも第二次世界大戦直後の作品だ。この演目を見るのは初めてである。 www.ntlive.jp 第二次世界大戦直後のア…

労働運動とフェミニズムを掘り下げた歴史もの~『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』(ネタバレあり)

『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』を見てきた。アメリカと日本の合作で、19世紀にマサチューセッツ州ローウェルの繊維工場で働いていた女性たち(ローウェル・ミル・ガールズ)の活動を描いた歴史ものミュージカルである。かなり脚色があるにせよ、実在の人物…

かなり好みでなかった~『ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損-』

シアタークリエで『ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損-』を見てきた。2013年にニューヨークで初演されたミュージカルの日本版である。 www.tohostage.com 話は『恋の骨折り損』なのだが、正直かなり好みでなかった…まず、原作では私がわりと気に行っ…

MIDWEEK BURLESQUE vol.74 -The Lucky Horror Picture Show-

「MIDWEEK BURLESQUE vol.74 -The Lucky Horror Picture Show-」を見てきた。もともとは観劇会をするつもりだったのだが予定があわず、結局ひとりで鑑賞した。 前半はデュオのHyls(Rosa Diamanté + Mummy Bomb)の黒っぽいドレスで統一したちょっとハロウィ…

宮沢りえの美しくない瞬間~『死と乙女』(ネタバレあり)

アリエル・ドーフマン作、小川絵梨子演出『死と乙女』を見てきた。映画化もされている有名な作品で、見るのは今回が初めてである。 舞台は南米の某国(ドーフマンの出身地であるチリと似ているが、おそらくあえてぼかしてある)、長年の独裁政権が終わり、ジ…

個人的な理由で全然好きになれなかった…東京芸術劇場『ミクスチュア』(ネタバレあり)

東京芸術劇場で贅沢貧乏『ミクスチュア』を見てきた。台本の出来とかとは全く関係なく、個人的にかなり好きになれなかった。 とあるスポーツセンターに集う人々を中心に、現代日本に生きる人々の葛藤とか悩みとかを描いた作品で、台本じたいは非常に考えられ…

リラックスして見られる楽しい翻案~『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』(ネタバレあり)

世田谷パブリックシアターで三谷幸喜『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』を見てきた。 www.impresario-ent.co.jp ホームズ(柿澤勇人)とワトソン(佐藤二朗)が同居しはじめた直後、『緋色の研究』前でホームズがまだ素人探偵だった頃を描いた二次創作であ…

保守党の党首選みたいな上演~NTライヴ『リチャード二世』

NTライヴ『リチャード二世』を見てきた。ジョー・ヒル=ギビンズ演出で、主演はサイモン・ラッセル・ビールである。 www.ntlive.jp とにかく変わった演出で、テクストはばっさりカットして王妃すら出てこない。入り口も出口もないただの箱みたいなセットで、…

とにかく長いが、話の流れを考えてカットしている~東京グローブ座『ハムレット』

東京グローブ座で『ハムレット』を見てきた。森新太郎演出で、ハムレット役は菊池風磨である。 www.hamlet2019.jp セットは比較的シンプルなのだが、とにかくいっぱい回転する。最初にクローディアスが臣下の前でハムレットにヴィッテンベルクに帰らないよう…