芝居

真面目なノラ、色気のあるトルヴァル~『人形の家Part 2』

ルーカス・ナスの戯曲『人形の家Part 2』を見てきた。これは事前に戯曲を読んで解説記事を書いたので、招待で行ってきた。 stage.parco.jp 解説記事で書いたように、これはイプセン『人形の家』の15年後を書いたものである。ノラ(永作博美)が離婚のために戻…

MIDWEEK BURLESQUE vol.72 -Sugar, Spice, and Something Explosive-

「MIDWEEK BURLESQUE vol.72 -Sugar, Spice, and Something Explosive-」を見てきた。見てきた、というか、なんとイベントタイトルが私の新刊『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』と一緒(新刊に主催のエヴァさんの写真が使われている)なので、新刊を持って行…

演出は悪くはないが、翻訳台本がちょっと~『お気に召すまま』(ネタバレあり)

東京芸術劇場で熊林弘高演出『お気に召すまま』を見てきた。ロザリンドが満島ひかり、シーリアが中嶋朋子、オーランドが坂口健太郎、オリバーが満島真之介、タッチストーンが温水洋一という大変な豪華キャストである。 非常にエロティックで混沌としており、…

相変わらず宣伝が…松竹ブロードウェイシネマ『ロミオとジュリエット』

真 松竹ブロードウェイ『ロミオとジュリエット』を見てきた。これは2013年にデヴィッド・ルヴォー演出でブロードウェイで上演された公演を撮影したもので、ロミオ役がオーランド・ブルーム、ジュリエット役がコンドラ・ラシャドである。 グラフィティが書か…

オリエンタリズム風味はあるが、イヤな感じがしないようアップデート~『王様と私』

東急シアターオーブで『王様と私』を見てきた。ロジャース&ハマースタインの有名作で、バートレット・シャー演出、ケリー・オハラ、渡辺謙主演のブロードウェイ公演を日本に持ってきたものである。タイの王室で家庭教師をしていた歴史上の人物であるアンナ・…

『ビリー・エリオット』のダーサイド~『アレルヤ!』

ナショナル・シアター・ライヴでアラン・ベネットの新作『アレルヤ!』を見てきた。ニコラス・ハイトナー演出で、ブリッジ・シアターで上演されたものである。 www.ntlive.jp 舞台は閉鎖の危機に揺れるヨークシャーのベツレヘム病院老人科である。元炭鉱夫の…

マシュー・ボーン『白鳥の湖~スワン・レイク~』

マシュー・ボーン『白鳥の湖~スワン・レイク~』を見てきた。もう何度か見た演目だが、何度見ても面白い。演出が変わっているところがいくつかあり、とくにバーの場面は以前見た時はもう少し派手だったように思う(プログラムにもバーの場面の変更については…

表象文化論学会第14回大会、パフォーマンス「ARICA Presents『終わるときがきた』──ベケット『ロッカバイ』再訪」

京大で開催された表象文化論学会第14回大会1日目に行ってきた。企画委員長なので(?)ちゃんと実況してまとめた。 togetter.com 表象文化論学会の大会ではパフォーマンスが上演されることになっているのだが、今回はなんと開催校からのコミッションでARICAに作…

小部屋に出没する亡霊たち~しあわせ学級崩壊『ハムレット』

しあわせ学級崩壊『ハムレット』を見てきた。構成は去年の『ロミオとジュリエット』同様、音楽スタジオの小部屋で大音量の音楽にあわせて、シンプルな衣装を着た役者がかなり刈り込んだ『ハムレット』(1時間くらい)を上演する、というかポエトリーリーディン…

レインボーのスカーフ~文学座『ガラスの動物園』

高橋正徳演出、文学座『ガラスの動物園』を見てきた。言わずと知れたテネシー・ウィリアムズの有名作である。戯曲はかなり前に読んだことあるが、舞台で見たのは初めてだった。 舞台は1930年代くらいのセントルイスである。夫に出て行かれたアマンダ(塩田朋…

アマゾン族の崩壊~劇団ワンツーワークス『男女逆転<マクベス>』

劇団ワンツーワークス『男女逆転<マクベス>』を見てきた。男女の役をほとんど全部入れ替えるというもので、原作で男性の設定の役は女性に、女性の設定の役は男性になる。つまりマクベスが女性という設定になり、マクベスの配偶者がマクベス夫人ならぬ夫君に…

政治よりも愛が高貴~NTライヴ『アントニーとクレオパトラ』

NTライヴで『アントニーとクレオパトラ』を見てきた。サイモン・ゴドウィン演出、レイフ・ファインズがアントニー役、ソフィ・オコネドーがクレオパトラ役である。 www.youtube.com セットは現代風で、主にローマがオフィス、エジプトは真ん中にプールのある…

とにかく好みでなくてつまらない~新国立劇場『オレステイア』(ネタバレ)

新国立劇場でロバート・アイク版『オレステイア』を見てきた。とにかくつまらなくて、何から何まで趣味でない芝居だった。同じタイムラインを扱った大作劇としては、いろいろ問題もあったにせよ、『エレクトラ』のほうがだいぶマシだったと思う。こういうの…

女性の内面と信仰を深く掘り下げた力作~METライブビューイング『カルメル会修道女の対話』(ネタバレあり)

METライブビューイング『カルメル会修道女の対話』を見てきた。プーランクのオペラで、今回初めて見たのだが、凄い作品で、ここ数ヶ月で見た舞台の中でも抜群に面白かった。 www.shochiku.co.jp フランス革命の際、コンピエーニュでカルメル会修道女が殉教し…

MIDWEEK BURLESQUE vol.70 -Dazzlin' Drizzle-

「MIDWEEK BURLESQUE vol.70 -Dazzlin' Drizzle-」を見てきた。前半はMargalet Igorroomの妙に引きずるアンパンマンネタのショー、衣装がかわいいKatieのショーに引き続き、バーレスクではない全力!歌劇団が突然のアイドル歌謡ショーをはじめてちょっとびっ…

狂気の時のほうが、人間~NTライヴ『英国万歳!』

NTライヴで『英国万歳!』を見てきた。アラン・ベネットの有名戯曲で、アダム・ペンフォード演出のノッティンガム・プレイハウスでの公演を収録したものだ。 www.youtube.com 実はこれはロンドンで一度見たことがあるのだが、戯曲の構成としてはけっこうゆる…

やわらかい布~KAAT『恐るべき子供たち』

KAATで『恐るべき子供たち』を見てきた。ジャン・コクトーの小説の舞台化で、白井晃演出である。 あらすじはだいたい原作どおりで、2人だけの世界を持っているエリザベート(南沢奈央)とポール(柾木玲弥)の姉弟と、その友人で同居することになるジェラール(松…

リアリズムは要らない~ドン・キホーテプロジェクト『リア王』

綾瀬のKISYURYURI THEATERでドン・キホーテプロジェクト『リア王』を見てきた。珍しく招待で見た。 king-lear-donquijote.themedia.jp 工場の建物を再利用した劇場で、ほとんど何もない部屋でやる『リア王』である。窓から自然光をとっているのだが、終盤は…

貴種流離ハムレット~劇団四季『ライオン・キング』

劇団四季『ライオン・キング』をはじめて見てきた。 www.shiki.jp お話はまあだいたいアニメ映画と同じである(こちらは見たことがある)。父であるライオンの王ムファサの死をきっかけに領地を離れた若きライオンの王子シンバが、王位を取り戻すため王国に戻…

ささくれだった東京のハムレット~カクシンハンリーディング『ハムレット×SHIBUYA ~ヒカリよ、俺たちの復讐は穢れたか~』

渋谷でカクシンハンリーディング『ハムレット×SHIBUYA ~ヒカリよ、俺たちの復讐は穢れたか~』を見てきた。これを見たのは初めてである。 話はあまり直線的に進まないのだが、おおまかにはアキハバラとシブヤという現代の青年を中心に、渋谷のスクランブル交…

とても野心的だが、好きかというと…劇団AUN Age.1『オセロー』

浅草九劇で長谷川志演出、劇団AUN Age.1『オセロー』を見てきた。 ほぼ何もないブラックボックスみたいな舞台にかなりカットを少なくした台本で(全くカットがないというわけではないが)、台詞をきちんと聞かせる上演である。キプロス上陸後の台詞などはカッ…

プロローグ部分がなかなか面白い~ITCL『真夏の夜の夢』(演出ネタバレあり)

学生を引率し、成城大学でインターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン『真夏の夜の夢』を見てきた。毎年来日し、英語でシェイクスピアを上演している劇団である。シンプルなセットを使い、少人数でいろいろな役をとっかえひっかえやるのが特徴のカ…

サイモン・ゴドウィン演出『ハムレット』(ネタバレあり、メモ)

文化村シアターコクーンでサイモン・ゴドウィン演出『ハムレット』を見てきた。これは劇評を書くかもしれないので、要点をメモだけ。 ・真ん中に監視塔があり、回転するセットを使っている。デザインは北欧がモチーフらしいが、来ている衣服や小道具などのせ…

それ、ズルくない?~『Wild』(ネタバレあり)

マイク・バートレットの戯曲『Wild』日本上演を見てきた。東京グローブ座での上演で、演出は小川絵梨子である。エドワード・スノーデンによるアメリカ政府告発にヒントを得た作品だ。 舞台はモスクワのどこかにあるホテルの一室である。アメリカ政府が行って…

昔のミュージカル映画みたい~松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』(ネタバレあり)

松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』を見てきた。2016年の上演を撮影して映画館で上映するというものである。METライブビューイングのブロードウェイ版、NTライヴのアメリカ版とでもいったところだろうか。 原作はミクローシュ・ラースローの『…

MIDWEEK BURLESQUE vol.69 -Reiwa248-

「MIDWEEK BURLESQUE vol.69 -Reiwa248-」に行ってきた…のだが、休日で開始時間が1時間早いのに気付かず、21時に行ったら第1部が終わっていて後半しか見られなかった… 第2部の1本目のYUTAROは料理人のショーだったのだが、私が以前見た時に「せっかくフライ…

困ったオタク大集合~新国立劇場『かもめ』

新国立劇場で鈴木裕美演出、チェーホフ『かもめ』を見てきた。トム・ストッパードによる英語台本を小川絵梨子が翻訳したものである。キャストは全てオーディションで決めたそうだ。 www.nntt.jac.go.jp 緑の芝生で行う野外上演やお屋敷など、セットはわりと…

前見た上演よりも難しかった気がする~『良い子はみんなご褒美がもらえる』

『良い子はみんなご褒美がもらえる』を見てきた。トム・ストッパードの戯曲で、ウィル・タケットが演出である。 一度ナショナル・シアターで見たことがあるのであらすじはそちらを参照してほしいのだが、基本的にはソビエトとおぼしき独裁国家で政治犯のアレ…

最高のバケモノ~NTライヴ、イアン・マッケラン主演『リア王』

NTライヴでジョナサン・マンビー演出、イアン・マッケラン演出の『リア王』を見てきた。 www.ntlive.jp 演出は現代的だが、美術や衣装などは完全に21世紀というわけではなく、ちょっとマッケラン版『リチャード三世』を思わせるような戦前風のところもある。…

女優陣は頑張ってるが、台本のカットがひどい~SKE48版『ハムレット』(ネタバレあり)

SKE48版『ハムレット』を見てきた。SKEについては全く知らないのだが、『SKEBINGO!~ガチでお芝居やらせて頂きます!』という番組の企画らしい。舞台はデンマークではなくSKEの地元の名古屋で、敵国はノルウェーではなく岐阜である。 www.nelke.co.jp 女優…