芝居

あずまやのかわりにクロークで~日生劇場『メリー・ウィドー』

日生劇場で『メリー・ウィドー』を見た。台詞も歌も日本語で、歌には日本語の字幕がつくというものである。指揮は沖澤のどか、演出は眞鍋卓嗣である。www.nikikai.net 現代の大使館をイメージしたわりとシンプルでカクカクした直線を強調する白っぽいセット…

クリストファー・プラマー演じる温かいプロスペロー~ストラトフォードフェスティヴァル『テンペスト』(配信)

ストラトフォードフェスティヴァルの『テンペスト』を配信で見た。デズ・マカナフ演出の2010年のもので、クリストファー・プラマーが主演である。 https://www.youtube.com/watch?v=9Y5G_V2x5oU わりと近世風な衣装で、あまり奇をてらわない正攻法の演出であ…

近世の女性作家を取り上げた意欲作なのだろうが、いくらなんでも…『エミリア』(配信)

モーガン・ロイド・マルコム作『エミリア』を配信で見た。近世の女性詩人でシェイクスピアの同時代人であるエミリア・ラニエをヒロインにした作品である。つい最近のプロダクションだ。 www.emilialive.com 円形でちょっと劇場っぽいセットの雰囲気もいいし…

オールメール、5人だけでやる『ハムレット』~『5 Guys Shakespeare』(配信)

『5 Guys Shakespeare』を配信で見た。 www.nelke.co.jp 若い男優5人でとっかえひっかえいろんな役を演じながら『ハムレット』をやるというものである。この発想じたいは大変よろしいというか、少人数でオールメールで、みたいなのはアートハウス系のプロダ…

2020 World Burlesque Games(配信)

2020 World Burlesque Gamesを有料配信で見た。オリンピックの年にロンドンでやっているものだが、今年は各地から提出されたビデオのオンライン配信になっている。ロンドン・バーレスク・フェスティバルと同じ運営母体がだいたい同じ形式でやっている。 www.…

綺麗な演目だが…『M』(配信)

東京バレエ団の『M』を配信で見た。三島由紀夫をテーマにモーリス・ベジャールが作ったバレエ作品である。三島の没後50周年記念に東京文化会館で10月に上演されたものの映像である。 www.nbs.or.jp 直線的に三島の人生を描いているわけではなく、子どもの頃…

ホラーっぽいソネットの翻案~新国立劇場『Shakespeare THE SONNETS』

新国立劇場で『Shakespeare THE SONNETS』を見てきた。シェイクスピアのソネットを中心に『ロミオとジュリエット』とか『オセロー』とか、いろいろな作品を加味しながら作ったバレエ演目である。私が見た回のダンサーは渡邊峻郁と小野絢子だった。 www.nntt.…

パイプ椅子とゴミ~カクシンハン『ロミオとジュリエット』(配信)

カクシンハン『ロミオとジュリエット』を配信で見た。3人のキャスト(柳本璃音、根本啓司、大山大輔)と三味線の生演奏(鶴澤寛也)だけの少ないメンバーで無観客で上演するものである。 セットは積み上げたパイプ椅子で弧のように囲った舞台にゴミみたいな…

バルカン半島のきなくさい政争を描く~パトリック・スチュアート『マクベス』(配信)

The Shows Must Go Onのネット配信で『マクベス』を見た。ルパート・グールド演出、パトリック・スチュアート主演で2010年のものである。もともとは2007年にチチェスターで上演したものをテレビ用に翻案したらしい。 www.youtube.com 舞台設定としては1960年…

ミドルクラスの妻が他人の職探しを妨害する話って、今の視点で面白いですかね…ブリストル・オールド・ヴィク『ヘッダ』(舞台配信)

ブリストル・オールド・ヴィクの配信で『ヘッダ』を見た。イプセンの『ヘッダ・ガーブレル』を、21世紀のロンドン、ノッティング・ヒルを舞台にルーシー・カークウッドが書き直したものである。 www.youtube.com だいたい設定は原作に忠実なのだが、ここが問…

昭和歌謡を駆け抜けるキャロル・キング~『ビューティフル』

帝国劇場で『ビューティフル』を見てきた。キャロル・キングの人生を描いたミュージカルである。キングの曲をはじめとして、60年代頃のヒット曲がたくさん使われている。 www.tohostage.com ミュージシャンであるキングの人生を描くものなので、ふつうのジュ…

話はともかく、照明などの演出が…TBS赤坂ACTシアター『NINE』

TBS赤坂ACTシアターで『NINE』を見てきた。フェリーニの映画『8 1/2』のミュージカル化で、この舞台も映画化されたことがある。 www.umegei.com 60年代頃のイタリアを舞台に、仕事がスランプ状態に陥り、私生活も暗礁に乗り上げ気味の映画監督のグイド(城田…

華やかで現代風な上演~ウィーン国立歌劇場『ロミオとジュリエット』(配信)

ウィーン国立歌劇場のオペラ『ロミオとジュリエット』を配信で見た。指揮者はプラシド・ドミンゴ、演出家はユルゲン・フリムで、2017年に上演されたものである。 play.wiener-staatsoper.at 非常に現代的で華やかな演出である。ジュリエット(アイダ・ガリフ…

ファッショナブルでモダンな上演~ウィーン国立歌劇場『オーランドー』(配信)

ウィーン国立歌劇場で2019年に初演されたオペラ『オーランドー』を見た。これはヴァージニア・ウルフの『オーランドー』が原作で、作曲家がオルガ・ノイヴィルト、演出がポリー・グレアム、衣装が川久保玲というものである。オーランドー役は『アグリッピー…

音声が有料配信クオリティではない~『山の神様 -The Gods of the Mountain-』(舞台配信)

演劇企画CaL番外公演『山の神様 -The Gods of the Mountain-』を見た。ロード・ダンセイニの戯曲である。 note.com 原作は神秘的なホラーファンタジーっぽい味わいの作品で、あまり日本で上演されるわけではないと思うので貴重な機会…だと思うのだが、正直、…

衣装や美術が凝っている~フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』(配信)

フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』を配信で見た。2017年の上演を撮影したものである。音楽はメンデルスゾーンだが、『夏の夜の夢』の劇音楽以外にもメンデルスゾーンの曲を使っている。 人間たちは古代地中海風の衣装をまとい、アテネの街も壺絵みたいな…

わりときちんと『十二夜』準拠~宝塚歌劇月組宝塚大劇場公演『WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』千秋楽ライブ中継

宝塚歌劇月組宝塚大劇場公演『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』千秋楽ライブ中継を見てきた。映画館でのライブビューイングだが、かなり混雑していた。 liveviewing.jp 最初がレビューで坂東玉三郎が監修した…

私はこういうドグマ95みたいな芝居は見たくない~『たかが世界の終わり』(配信)

第7世代実験室の配信舞台『たかが世界の終わり』を見た。ジャン=リュック・ラガルスの戯曲で、グザヴィエ・ドランが映画化もしている作品である。www.playthemoment.info ライヴで上演する様子を手持ちでひたすら長回しするカメラで撮るという配信方法なの…

海のそばでの無料上演~シェイクスピア・バイ・ザ・シー『タイタス・アンドロニカス』(配信)

シェイクスピア・バイ・ザ・シーが行った『タイタス・アンドロニカス』上演のオンライン配信を見た。ステファニー・コルトリン演出のものである。私が知っているだけで「シェイクスピア・バイ・ザ・シー」という劇団は4つもあるのだが、これはカリフォルニア…

大作を一挙上映~新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズ映像上映『ヘンリー六世』『リチャード三世』

新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズ映像上映で『ヘンリー六世』と『リチャード三世』を見てきた。鵜山仁演出で、だいたい同じ座組で2009年からやってきたプロジェクトの復習編である。ただし全部の映像を見られるわけではなく、けっこうカットしてある…

かなりわかりやすく変更、クロスジェンダーキャスティングも採用~新国立劇場『尺には尺を』

新国立劇場演劇研修所第14期生試演会『尺には尺を』を見てきた。子供のためのシェイクスピアシリーズをやっていた山崎清介演出である。 www.nntt.jac.go.jp 舞台に動かせる柱を立てたわりとシンプルなセットである。演出家が「子供のためのシェイクスピア」…

面白おかしくよくまとまったコメディ~シアタークリエ『おかしな二人』

シアタークリエでニール・サイモン『おかしな二人』を見てきた。これはもともとは男性が「おかしな二人」ことオスカーとフェリックスを演じる作品なのだが、サイモン自身が改訂した女性版があり、こちらの上演である。ニール・サイモンの作品は映画は見たこ…

役者陣が大変良かった~東京芸術劇場『真夏の夜の夢』

東京芸術劇場で野田秀樹脚色、シルヴィウ・プルカレーテ演出の『真夏の夜の夢』を見てきた。新型コロナウイルスのせいでプルカレーテがなかなか来日できずに大変だったらしいのだが、どうにか間に合うように来日して作れたらしい。 www.geigeki.jp 野田版夏…

近代劇って実はオタサーの物語なのでは…NTライヴ『プレゼント・ラフター』(ネタバレあり)

ナショナル・シアター・ライヴで『プレゼント・ラフター』を見た。ノエル・カワードが1930年代末に書いた戯曲だが(40年代まで初演はされなかったらしいが)、たぶん日本ではあまり知られておらず、現在のところ手に入る翻訳はない…と思う。これはマシュー・…

久しぶりの「ちゃんとした」シェイクスピア~新国立劇場『リチャード二世』

新国立劇場で鵜山仁演出『リチャード二世』を見てきた。 www.nntt.jac.go.jp 新国立で同じ座組で12年もかけてやっている史劇シリーズの最終作である(できればこの座組で『ヘンリー八世』『ジョン王』『エドワード三世』『サー・トマス・モア』とかもどうで…

シェイクスピアの女性キャラクターに台詞と歌で迫る~『シェイクスピア~哀しみの女たち~』

髙岸未朝演出『シェイクスピア~哀しみの女たち~』を見てきた。シェイクスピア悲劇の女性キャラクターについて、モノローグとオペラのアリアを組み合わせて人物像を表現する企画である。演劇のモノローグは田野聖子、オペラのアリアは田村麻子が担当してい…

コンプソンズ『WATCH THE WATCHMEN』(メモのみ)

コンプソンズ『WATCH THE WATCHMEN』を見てきた。こちらは10/17にオンラインポストトークに出ることになっているので、とりあえずレビューではなく箇条書きのメモのみとする。 ・最初はスランプに陥った演出家が苦し紛れにYouTuber始めるみたいな展開で、よ…

『フォロー・ミー』の原作~『あなたの目』

新国立劇場でピーター・シェーファーの『あなたの目』を見てきた。これは私が大好きな映画『フォロー・ミー』の原作である(私のツイッターのハンドルネームはこの映画からとっている)。 フォロー・ミー【Blu-ray】 発売日: 2012/09/05 メディア: Blu-ray …

百合の物語~三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020 真夏の死/班女』

三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020 真夏の死/班女』を見た。先週に続く第2弾で、短編小説『真夏の死』と近代能楽集に入っている『班女』の上演である。 正直なところ、小説を現代風にアレンジした『真夏の死』と、三島の戯曲をそのままやった『班女』は…

ライヴエンタテイメントが見られないつらさをそのまま憂える~三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020 憂国/橋づくし』

三島由紀夫没後50周年企画『MISHIMA2020』第一弾を見てきた。短編を4本連続上演するもので、第一弾は『橋づくし』と『(死なない)憂国』である。 www.nissaytheatre.or.jp 野上絹代演出『橋づくし』は、新橋の料亭の女たちが銀座の7つの橋を渡る願掛けをす…