芝居

マシュー・ボーンシネマ『くるみ割り人形』にコメントを提供しました

マシュー・ボーンシネマ『くるみ割り人形』にコメントを提供しました。映画館で上映されます。切ないところもありつつ楽しい作品なので、是非ご覧下さい。 www.culture-ville.jp

悪くはないが、要らない設定も~『ロミオ&ジュリエット』

アレクサンドラ・ラター演出『ロミオ&ジュリエット』を見てきた。衣装は今の若者が着るような服で、完全に現代的な演出である。ロミオ(長谷川慎)たちがたむろしているのはプールバーだし、ロミオとジュリエット(北乃きい)が出会うキャピュレット家のパー…

ダンテが活躍する学園ものミュージカル~『チェーザレ 破壊の創造者』

ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』を見てきた。惣領冬実作、原基晶監修の同名漫画の舞台化で、小山ゆうなが演出している。2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルス感染症で中止になってしまった作品の初演である。友人何人かと見に行き、いろい…

台本が好きになれなかった~『キングアーサー』

東京芸術劇場で『キングアーサー』を見てきた。ドーヴ・アチアによるフレンチミュージカルである。 だいたいアーサー王伝説ベースである。アーサー(浦井健治)がエクスカリバーを引き抜いて王になるところから始まり、王位を狙うライバルのメレアガン(伊礼…

その追加、本当に必要?~『オンディーヌ』

『オンディーヌ』を見てきた。ジャン・ジロドゥの有名戯曲で、舞台で見るのは初めてである。星田良子による台本・演出で、けっこう翻案してある。 artistjapan.co.jp 水の精オンディーヌ(中村米吉)は湖のほとりで養親に育てられていたが、ある日騎士のハン…

あまり日本版と印象が変わらず~NTライヴ『レオポルトシュタット』

ナショナル・シアター・ライヴ『レオポルトシュタット』を見てきた。トム・ストッパードの戯曲で、既に日本版を見ているが、これはパトリック・マーバー演出のものである。 そこまで日本版と印象が変わらなかったのだが、ただこっちのほうがブラックユーモア…

現代政治を意識した演出~アイリッシュ・ナショナル・オペラ『マリア・ストゥアルダ』(配信)

アイリッシュ・ナショナル・オペラ『マリア・ストゥアルダ』を配信で見た。ドニゼッティの作品で、ファーガス・シェイル指揮、トム・クリード演出で2022年7月に上演されたものの録画配信である。一度メトの配信で別演出を見たことある。お話はエリザベス1世…

旧約聖書を題材に男の嫉妬とBLを~グラインドボーン『サウル』(配信)

年末年始に無料配信されているグラインドボーンの『サウル』を見た。ヘンデルのオラトリオをちゃんとオペラっぽく演出したものである。2015年の上演で、演出家はバリー・コスキー、指揮はアイヴァー・ボルトンである。 www.youtube.com 話は基本的に旧約聖書…

2022年舞台ベスト10

2022年の舞台ベスト10を書いておきたい。2022年は114本の舞台を見て、そのうち配信は52本である(バーレスクや短編の配信も含む)。シェイクスピア関連が44本、オペラが15本(うち13本が配信)、バレエが9本、ミュージカルが6本だった。 1.東京芸術劇場『だ…

意味不明な2022年をまとめて見るような芝居~『われらの狂気を生き延びる道を教えてください』(配信)

コンプソンズ『われらの狂気を生き延びる道を教えてください』を配信で見た。金子鈴幸作・演出である。 大変概要が説明しにくい感じの話で、とりあえず全体が死ぬ前に人が見る走馬灯という枠…的なものに入っている。元アイドルのまさこ(村田寛奈)が経営し…

めったに見られない短編2本~『出られないふたり』&『月が昇れば』

レディ・オーガスタス・グレゴリー『出られないふたり』&『月が昇れば』を配信で見た。「アイルランド発 対立と融和をめぐるモノガタリ」シリーズのAプロで、三輪えり演出である。短編2本を続けてやる形の公演で、いずれもめったに見られない作品が見られる…

プロスペローが追い出された理由~『gaku-GAY-kai 2022「贋作・テンペスト」』

劇団フライングステージの年末恒例シェイクスピア企画『gaku-GAY-kai 2022「贋作・テンペスト」』を見てきた。第一部が『テンペスト』、第二部がドラァグクイーンなどが出演するショーである。 新宿の大公だったプロスペロー(エスムラルダ)は追放されて孤…

1人芝居2本立て~『おふえりや遺文/Carmilla』

消えた王国第1回公演『おふえりや遺文/Carmilla』を見てきた。小林秀雄『おふえりや遺文』とシェリダン・レファニュ『カーミラ』を短編の1人芝居(木原春菜出演)で2本立て上演するというものである。どちらも花なのかゴミなのかというような白い紙が散らば…

デヴィッド・ヘアが苦手なのかも…『ストレイト・ライン・クレイジー』

ナショナル・シアター・ライブ『ストレイト・ライン・クレイジー』を見てきた。デイヴィッド・ヘアの戯曲をニコラス・ハイトナーが演出し、ブリッジ・シアターで上演したものである。 www.youtube.com ニューヨークの実在した建築家ロバート・モーゼス(レイ…

何も捨てられないアルパゴン~『守銭奴 あるいは嘘の学校』

静岡のSPACでジャン・ランベール=ヴィルド演出『守銭奴 あるいは嘘の学校』を見てきた。 spac.or.jp 先日見たプルカレーテ版がペラペラのセットにわりと地味な服装で、何も買いたがらず出し惜しみする守銭奴の話っぽかったのに対して、こちらはゴミだらけの…

『マーダーボット・ダイアリー』風シェイクスピア~『夏の夜の夢』

川口のJUKUBOXでカクシンハン企画、木村龍之介演出『夏の夜の夢』を見てきた。前半のトークイベントにゲストとして参加し、後半の上演も見てきた。 oks-jukubox.com 倉庫の建物で上演する短い『夏の夜の夢』で、80分程度にカットしてある。倉庫にポンとソフ…

『マクベス』のバックステージもの~『ショウ・マスト・ゴー・オン』

世田谷パブリックシアターで『ショウ・マスト・ゴー・オン』を見た。三谷幸喜の有名な喜劇で、演出も三谷が担当している。初めて見たのだが、どうも前の上演の時に比べるとわりと変更箇所があるそうだ。 大学教員の栗林淳一(今井朋彦)が書いた『萬マクベス…

投票してももみ消される観客参加型演劇~『リア王~スマホVSリア王~』

シアター風姿花伝で木村龍之介演出『リア王~スマホVSリア王~』を見てきた。タイトルからわかるように、スマートフォンをonにして見る演劇である。LINEのオープンチャットで登場人物の投稿を見たり、投票をしたりすることができる。舞台の中央にモニタが設…

いっそ清々しい後悔のなさ~東京芸術劇場『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』

東京芸術劇場で、シルヴィウ・プルカレーテ演出のモリエール『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』を見てきた。 www.geigeki.jp タイトルロールの守銭奴ことアルパゴン(佐々木蔵之介)はあまりにもケチで高圧的であり、子どもたちは困り果てていた。アルパゴン…

日本のレズビアン版『エンジェルス・イン・アメリカ』~『ことばにない 前編』

こまばアゴラ劇場でムニ『ことばにない 前編』を見てきた。宮崎玲奈作・演出で、前編だけで4時間半(休憩2回)という大作である。 主人公は演劇をやっている朝美(豊島晴香)、ゆず(ワタナベミノリ)、かのこ(巻島みのり)、美緒(浦田すみれ)が主人公だ…

家族ホラーと涙目のハムレット~ブリストルオールドヴィク『ハムレット』(配信)

ブリストルオールドヴィクの配信でジョン・ヘイダー演出『ハムレット』を見た。 www.youtube.com 現代の衣装で、セットも黒っぽい現代風の美術である。後ろにかなり大がかりな回転する機構がある。オーソドックスに黒ずくめのハムレット(ビリー・ハウル)を…

台本がちょっと混乱気味~『歌妖曲~中川大志之丞変化~』

明治座で『歌妖曲~中川大志之丞変化~』を見てきた。倉持裕が作・演出で、『リチャード三世』をベースにして昭和歌謡界を舞台とした翻案である。 www.sanjushi2nd-2022.com 芸能一家である鳴尾家の息子である定(中川大志)は、家族でひとりだけ顔と四肢に…

チェッカーボードの戦争~オレゴン・シェイクスピア・フェスティヴァル『ジョン王』

オレゴン・シェイクスピア・フェスティヴァルの『ジョン王』を配信で見た。ローザ・ジョシ演出のものである。『ジョン王』はあまり上演されないので、めったにない機会である(映像は何種類か見たことがあるのだが、たぶん私も生では見たことがないと思う)。…

記憶を取り戻す~『レオポルトシュタット』

『レオポルトシュタット』を新国立劇場で見てきた。トム・ストッパード最新作で、小川絵梨子演出によるものである。日本主演で、この後英語版もナショナル・シアター・ライブで上映される。 1899年から1955年までのタイムスパンで、ウィーンのユダヤ系の一族…

相変わらずふしぎな終わり方~『スカパンの悪だくみ』

先日の『病は気から』に引き続き、『スカパンの悪だくみ』をル・シネマで見た。こちらもモリエール生誕400年記念で、コメディ・フランセーズで上演されたものを撮って映画館で上映する企画の一部である。ドゥニ・ポダリデスの演出で2017年に上演されたもので…

荒っぽくリアルなのに、最後はシュールな諷刺劇~『病は気から』

モリエール『病は気から』をル・シネマで見た。モリエール生誕400年記念で、コメディ・フランセーズで上演されたものを撮って映画館で上映する企画である。クロード・ストラーツ演出で、2020年に上演されたものである。この演目を見るのは初めてである。 主…

雑然としたセットからジャージー・ボーイズのルーツが感じられる~『ジャージー・ボーイズ』

日生劇場で藤田俊太郎演出『ジャージー・ボーイズ』を見てきた。この作品を生の舞台で見るのは初めてである(映画版は見たことある)。キャストはブラックチームだった。 www.youtube.com 映画を撮影しているという設定のセットで、後ろに着替えがかかってる…

ドタバタ喜劇から最後は綺麗にまとめる演出~言葉のアリア『間違いの喜劇』

佐々木雄太郎演出、言葉のアリア『間違いの喜劇』を見てきた。1時間45分くらいのコンパクトな上演である。両脇にドアがあるセットで、このドアの使い方がちょっと特徴的だ。取り違えによってアンティフォラスとドローミオが家から閉め出される場面では舞台を…

わりとオーソドックスなテネシー・ウィリアムズ~『ガラスの動物園』

新国立劇場でイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出『ガラスの動物園』を見た。イザベル・ユペールがアマンダ役という豪華なプロダクションである。劇場もほぼ満席だった。 セットは全体にけばのあるふわっとした茶色い生地で覆われた長方形の部屋である。後ろの壁に…

どうしてバイロンがこうなった…?~ハインリヒ・マルシュナー『吸血鬼』

ハインリヒ・マルシュナー『吸血鬼』を配信で見た。ジョン・ポリドリの『吸血鬼』が原作のオペラである。ハノーファー国立歌劇場が3月25日に上演したもので、Ersan Mondtag演出、Stephan Zilias指揮によるものである。 www.youtube.com 全体的に音楽はロマン…