新刊『学校では教えてくれないシェイクスピア』 をよろしくお願い申し上げます。

芝居

ずいぶん明るい終わり方~『フィフス・ステップ』

デイヴィッド・アイルランドの芝居『フィフス・ステップ』をナショナル・シアター・ライブで見た。フィン・デン・ヘルトック演出、@sohoplaceで上演された作品である。 www.youtube.com タイトル『フィフス・ステップ』はアルコール依存症を脱却するためのプ…

The Godless Cabaret

道玄坂教会天井裏”M”でThe Godless Cabaretを見てきた。出演はViolet Eva、Mashirokka、MECAV、JANE FLUSHである。初めて行ったのだが、フロアもパフォーマンススペースとして使えるオシャレな会場で、演者もフロアをうまく活用していてなかなか良かった。Vi…

ハッピーエンドの『リア王』~『令和X年のリア王』

吉祥寺シアターで戯曲組×世AMI合同公演、吉村元希台本、金世一演出『令和X年のリア王』を招待で見てきた。 『リア王』に沿ってはいるのだが、だいぶ現代風に変わっており、コーディリア(中山璃虹)を陥れるためリーガン(手塚紀乃)があらかじめリア王(森…

わかりやすい演出~『ビッグ・フェラー』

西沢栄治演出、劇団俳小『ビッグ・フェラー』を見た。2010年にロンドンで初演を見て、2014年に世田谷パブリックシアターで日本初演も見ているので、3回目である。 自分が見たのが3度目だからか、アイルランドに住んで知識が増えたからかもしれないのだが、大…

だいたいウェストエンドと同じだが…劇団四季『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

劇団四季『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見てきた。だいたいウェストエンドと同じ演出で、最後の車が飛ぶお金がかかった特殊効果もある…のだが、ひとつ違うのはゴールディ(ペジェヨン)が黒人男性であるということが日本語版だとわかりづらくなってい…

天動説は関係ない~『恋する天動説』『DYNAMIC NOVA』

東京宝塚劇場で『恋する天動説』『DYNAMIC NOVA』を見てきた。 『恋する天動説』はバイカーもののロマンスである。60年代のブライトンが舞台で、モッズのリーダーであるアレックス・ニュートン・ジョン(暁千星)が、ほとんど同じ名前であるニュートン一族(…

悪くはないが好みではない点も~『ROMEO & JULIET』

劇団ヅッカ、マツモトタクロウ演出『ROMEO & JULIET』を招待で見てきた。 『ロミオとジュリエット』をかなり現代的にしたものである。台詞が完全に現代の若者風になっていて生き生きしているところはとても良いし、けっこう面白いと思うところもある。やろう…

Variety Red Cats vol. 2

GyoenRosso 198でVariety Red Cats vol. 2を見てきた。司会もつとめるMC JUNKOの他、Leona Shikarno、Naomi Magdalena、佐藤英典、Kenny Birkin、Naspy、Violet Eva、Jose Sanchezが出演した。わりと歌が入るショーが多かった。MC JUNKOが司会で名前をかなり…

スタンリーにラジオを投げられた~『欲望という名の電車』

G2演出、吉住モータースの『欲望という名の電車』を見てきた。 枠だけで中が見える大きな2部屋を三方から客席が囲む形の舞台である。外には階段があり、客席の間の通路みたいなところを使って役者が出入りする。スタンリー(田中哲司)はこの通路方向にラジ…

配信よりもライヴ上演のほうが居心地が悪かった~新国立劇場『マノン』

新国立劇場で『マノン』を見てきた。2020年に配信で見たときとあまり変わらない印象で、相変わらずマノン(小野絢子)がただの少々無責任だがかわいそうなだけの女性で、悪女どころか周りに流されて破滅するので、実に憂鬱な内容である。ライヴで見ると、自…

終盤すごくいい展開があるが、戯曲が古くなっている気がする…『国語事件殺人辞典』

大河内直子演出、こまつ座の『国語事件殺人辞典』を見て来た。井上ひさしの作品である。変なタイトルだが、これは主人公がかかる病気にひっかけたタイトルなので、これで正しい。 在野の国語学者で辞書作りに一生を捧げている花見万太郎(筧利夫)と、元編集…

以前より少し優雅になったような…Kバレエ『ロミオとジュリエット』

Kバレエ『ロミオとジュリエット』を見て来た。以前と同様、ケンカの場面は女性陣も参加してかなり荒っぽかったり、ティーンエイジャーの暴力がけっこう大きい役割を果たしている作品である。最初が町の中とかではなく、ロザラインとおぼしき女性(大久保沙耶…

陽気な女房中心の楽しいオペラ~新国立劇場『ウィンザーの陽気な女房たち』

新国立劇場でオットー・ニコライ『ウィンザーの陽気な女房たち』を見た。カロリーネ・グルーバー演出」で、新国立のオペラ研修所の公演である。 話はシェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』ほとんどそのままだが、名前などはドイツ語風にだいぶ変え…

面白さに大きな差が…ガチゲキ!!シェイクスピア

座・高円寺で上演された、シェイクスピアがテーマのガチゲキ!!を見てきた。6つの劇団に同じテーマで芝居を上演してもらい、2つずつ組み合わせて観客投票で競うというものである。私は1日で全部見た。 1セットめはエンニュイ『平面的な世界、断片的な部屋-…

La Nuit de Burlesque 80's洋楽縛り

初めて赤坂のハッカニブンノイチに行って『La Nuit de Burlesque 80's洋楽縛り』を見てきた。Maico Tsubaki、春 the BLUEFILM、Jane Flush、Leona Shikarno、Violet Evaが出演だった。たまに80年代洋楽でないのがあって?ということもあったが、80年代洋楽を…

紅い猫と踊る月vol.24

Gyoen Rosso 198で「紅い猫と踊る月vol.24」を見てきた。出演者はほのひな(サンバ)、Kei(ポールダンス)、LOViN(バーレスク)、JADE FOREST COMPANY(Quartet)、Kenny Birkin(司会も)、Sayo Celestial(ベリーダンス)、Tixi(ベリーダンス)、Ren-chang(バーレスク…

かなり戯曲に沿った作り~NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』

NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』を見てきた。マーティン・フリードマン振付・演出による上演である。 いつも見ているマクミラン版に比べるとだいぶシェイクスピアの戯曲の話を伝えることにフォーカスしている感じで、あまりバレエに詳しくないが戯曲の…

初心者向きではないなと思うところも…『カヴァレリア・ルスティカーナ』『道化師』

東京文化会館で二期会『カヴァレリア・ルスティカーナ』と『道化師』を見てきた。指揮者はアンドレア・バッティストーニ、演出はダミアーノ・ミキエレットである。 どっちもけっこう凝った演出である。『カヴァレリア・ルスティカーナ』は初めて見たが、最初…

ハムレットが比較的まともな人に見える演出~ナショナル・シアター・ライブ『ハムレット』

ナショナル・シアター・ライブでロバート・ハスティ演出『ハムレット』を見た。 www.youtube.com セットや衣装はたいがい現代風だが、ハムレット(ヒラン・アベイセケラ)は舞台上演の場面などではエリザベス朝風の襟をつけている。台本はカットが比較的少な…

文学の中の永遠と人生の幻滅~『ピーターとアリス』

熊林弘高演出『ピーターとアリス』を見てきた。イギリス初演時にベン・ウィショーとジュディ・デンチ主演のバージョンを見たので、二度目である。 www.youtube.com そこまで初演と大きく印象が変わっているわけではない…というか、文学の中に永遠に閉じ込め…

妖精まわりがわりと良かった~劇団昴附属養成所第四期生修了公演『夏の夜の夢』

Pit昴で劇団昴附属養成所第四期生修了公演『夏の夜の夢』を見た。菊池准演出によるものである。主要な役者数名以外はひとりでふたつか3つの役をとっかえひっかえやる公演である。 あまり気を衒ったところはない公演だが、一部のセリフは現代的に変更しており…

『プレゼント・ラフター』プログラムに寄稿しています

PARCO劇場で上演中の『プレゼント・ラフター』プログラムに「現在の演劇、今ここの笑い声」という解説を寄稿しています。だいぶ気合いを入れて書いた原稿ですので、劇場にお越しの際はどうぞ見てみてください。とても楽しい芝居です。

観光地のパブ~劇壇ガルバ『The Weir〜堰〜 』

劇壇ガルバ『The Weir〜堰〜 』を見た。コナー・マクファーソンのパブ劇で、髙田曜子訳、桐山知也演出のプロダクションである。この演目じたいを見るのは3回目である。 前に見た時同様、「癒しとしての怪談」みたいな話だと思ったのだが、こちらのプロダクシ…

シャーロック・ホームズのテクスト論~『最後の事件』

博品館劇場で『最後の事件』を見てきた。アーサー・コナン・ドイル(矢崎広)がシャーロック・ホームズ(糸川耀士郎)を生み出して大成功するが、自分がやりたいことと売れることの間のギャップに悩んで結局『最後の事件』を書いてホームズをキルオフするま…

非常に面白いが、もうちょっと掘り下げてもいいところも…『贋作・オセロー』

シアターグリーンで『贋作・オセロー』を見てきた。『オセロー』を菅野臣太朗が脚色・演出したもので、2024年に上演された芝居の再演だそうである。 『オセロー』を上演している劇団が、すぐ近くで『オセロー』にそっくりな殺人事件が発生したのを知り、芝居…

木の力~『ゴドーを待ちながら』

赤坂RED/THEATERで西本由香演出『ゴドーを待ちながら』を見てきた。 エストラゴンことゴゴ(小倉久寛)とウラジミールことジジ(横堀悦夫)がとぼけたやりとりをする展開である。全体的に、物忘れがどんどん激しくなっている初老のおじさん同士のボケとツッ…

話の意味がそもそも…『お光とお紺 ~伊勢音頭 恋の絵草紙』

『お光とお紺 ~伊勢音頭 恋の絵草紙』を新橋演舞場で見てきた。小幡欣治の『油屋おこん』の翻案だそうで、さらにもとの話は『伊勢音頭恋寝刃』である。 飢饉のため熊野の村から伊勢の古市に遊女として売られてきた後、油屋で競い合う人気遊女となったお光(…

ロマンス風味がなく、原作に忠実な上演~『ピグマリオン』

ニコラス・バーター演出『ピグマリオン』をブリリアホールで見てきた。 『ピグマリオン』は原作の展開と違う形に魔改造され、ヒロインのイライザがヒギンズとくっつくという戯曲を素直に読むとあり得ない感じの展開で上演されてしまうことも多いのだが、これ…

多層的な諷刺と人情の機微~『ウォレン夫人の職業』

ドミニク・クック演出『ウォレン夫人の職業』をナショナル・シアター・ライブで見た。バーナード・ショーの有名作だが、上演を見るのは今回が初めてである。 www.youtube.com 大学で数学の学位をとったヴィヴィ(ベッシー・カーター)のところに母であるウォ…

ブレヒトをやっているところは面白いが、ギミックは要らないと思う~『ガリレオ~ENDLESS TURN~』

『ガリレオ~ENDLESS TURN~』を静岡芸術劇場で見てきた。ブレヒトの有名な戯曲を多田淳之介が脚色・演出したものである。 最初と最後のAIうんぬんや序盤30分くらいの「人間の歴史ダイジェスト」みたいなギミックっぽい演出は別に要らないと思う。そもそも戯…