バレエ

マシュー・ボーン『ロミオとジュリエット』公式サイトにコメントを寄せました

マシュー・ボーンのバレエ『ロミオとジュリエット』日本公演公式サイトにコメントを寄せました。こちらは大変オススメの作品です。 horipro-stage.jp

『芸術新潮』9月号に『マシュー・ボーン IN CINEMA/眠れる森の美女』のレビューを書きました

『芸術新潮』2023年9月号に『マシュー・ボーン IN CINEMA/眠れる森の美女』のレビューを書きました。はじめてこのページで非映画コンテンツを扱いました。書誌情報は以下の通りです。 北村紗衣「昔ながらのおとぎ話はちょっと…という人のためのバレエ(『マ…

終盤はかなり緊張感がある~ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』

上野の東京文化会館でロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』を見てきた。ケネス・マクミラン振付、クーン・ケッセルズ指揮によるものである。既にロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』は何度か見たことがある。 前に見た時とそんなに雰囲気が違う…

暗い話とコメディの組み合わせ~『シェイクスピア・ダブルビル』

新国立劇場で『シェイクスピア・ダブルビル』を見てきた。ウィル・タケットがジェラルディン・ミュシャの音楽に振付をした新作『マクベス』と、フレデリック・アシュトンがメンデルスゾーンの音楽に振付をした定番である『夏の夜の夢』の組み合わせである。…

わりとセクシーな物語バレエ~英国ロイヤル・オペラ・ハウス『赤い薔薇ソースの伝説』(試写)

英国ロイヤル・オペラ・ハウス『赤い薔薇ソースの伝説』を試写で見た。クリストファー・ウィールドン振付、ジョビー・タルボット作曲(台本はこの2名の共作)による新作バレエである。原作はラウラ・エスキヴァルの小説『赤い薔薇ソースの伝説』で、同名の映…

ドラマティックな歴史バレエ~『クレオパトラ in Cinema』

Kバレエカンパニーの舞台を撮って映画館で上演するシリーズの一部である『クレオパトラ in Cinema』を見てきた。2022年10月29日にBunkamuraで上演されたマチネを撮ったものである。演出・振付・台本を熊川哲也が担当したオリジナル作品で、作曲はカール・ニ…

マシュー・ボーンシネマ『くるみ割り人形』にコメントを提供しました

マシュー・ボーンシネマ『くるみ割り人形』にコメントを提供しました。映画館で上映されます。切ないところもありつつ楽しい作品なので、是非ご覧下さい。 www.culture-ville.jp

子ども向けのわかりやすいバレエ上演~日生劇場『真夏の夜の夢』

日生劇場で『真夏の夜の夢』を見てきた。メンデルスゾーンの音楽に振付をしたもので、演出は中島伸欣である。家族向けのイベントで、子どもにもかわるように解説がつく(最初にバレエのマイムの意味に関する説明などもある)。音楽は東京シティ・バレエ団に…

踊りの優美さとはうらはらな暴力的演出~Kバレエ『ロミオとジュリエット 』in Cinema

Kバレエ『ロミオとジュリエット 』in Cinemaを見てきた。3月の公演を収録し、映画館で上映するものである。 www.k-ballet.co.jp 優美なダンスとはうらはら、けっこう『ロミオとジュリエット』としては暴力的な演出である。若者たちのケンカは女性陣も参加し…

悪夢とユーモア~新国立劇場『不思議の国のアリス』(ネタバレあり)

新国立劇場で『不思議の国のアリス』を見てきた。2011年にロイヤルバレエで初演された作品である。原作はもちろんルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』である。ジョビー・タルボットが作曲、クリストファー・ウィールドンが振付を担当している。 www.yo…

演出が個人的に趣味にあわなかった~オーチャードホール『ロミオとジュリエット』

オーチャードホールで松山バレエ団『ロミオとジュリエット』を見てきた。清水哲太郎演出・振付、河合尚市指揮によるものである。 73歳でジュリエットを踊る森下洋子の力量などは凄いと思ったのだが、正直、演出コンセプトが個人的に面白いと思えなかった。パ…

ティーンエイジャーの恋~東京文化会館『ロミオとジュリエット』

東京文化会館で東京バレエ団『ロミオとジュリエット』を見てきた。東京バレエ団としてはジョン・クランコが振り付けたものの初演だそうである。このバージョンはたぶん初めて見た。 www.nbs.or.jp 二層になった豪華なステージが特徴で、とくにパーティの場面…

正統派のプロダクション~新国立劇場『シンデレラ』

新国立劇場で『シンデレラ』を見た。フレデリック・アシュトン振付のもので、ウェンディ・エリス・サムスとマリン・ソワーズが監修・演出、マーティン・イェーツ指揮によるものである。 www.nntt.jac.go.jp 全体的には非常に正統派の演出で、安心して見られ…

笑えるところの多い上演~キエフ・バレエ『シンデレラ』

キエフ・バレエ『シンデレラ』を配信で見た。2018年12月27日の上演の映像である。 www.youtube.com わりとスピーディでコミカルで、笑うところも多い演出である。衣装はけっこう綺麗で、シンデレラ(アンナ・ムロムツェワ)は家政婦扱いされている時から地味…

字幕があるので大変わかりやすい~キエフバレエ『白鳥の湖』(配信)

キエフバレエ『白鳥の湖』を配信で見た。ウクライナはもちろん戦争でひどい被害を受けているのだが、キエフバレエのダンサーは無事で夏に来日も予定しているそうだ。当たり前だが運営が大変なことになっているので、義援金も受け付けている。 www.youtube.com…

思ったほど禍々しくなかった~オペラノース『春の祭典』(配信)

オペラノースの『春の祭典』の配信を観た。35分程度で終わる短いものである。ハイチ出身のJeanguy Saintusが振り付けており、ヴードゥーからインスピレーションを得ているそうだ。そのせいなのか思ったほど禍々しくなく、生け贄がどうこうみたいな不吉な感じ…

映画界を舞台にした演出~パリ・オペラ座バレエ・シネマ『シンデレラ』

パリ・オペラ座バレエ・シネマ『シンデレラ』を見た。2018年の上演で、ルドルフ・ヌレエフ振付のものである。www.culture-ville.jp 映画界を舞台にしたもので、王子(カール・パケット)は映画スターになっている。シンデレラ(ヴァランティーヌ・コラサント…

やつれた女の子から堂々とした女性へ~Kバレエカンパニー『シンデレラ in Cinema』

Kバレエカンパニーの『シンデレラ in Cinema』を見てきた。Kバレエカンパニーは映画館での上映を定期的にやっており、これは今年の10月の公演の映像である。 www.tbs.co.jp 『シンデレラ』はオーソドックスな演出とマシュー・ボーン版で1度ずつ見たことある…

モーリス・ベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』

モーリス・ベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』を見てきた。クイーンとモーツァルトの曲を使った演目で、1991年に亡くなったフレディ・マーキュリーと、1992年に亡くなったモーリス・ベジャール・バレエ団のダンサーであるジョルジュ・ドン、エ…

シンプルな美術のしっかりした上演~ポーランド国立バレエ『ロミオとジュリエット』(配信)

ポーランド国立バレエの『ロミオとジュリエット』を配信で見た。今年の2月27日に上演されたものの映像である。 www.youtube.com 私が見慣れているマクミランのイギリス風のバージョンとはがらりと雰囲気の違う、ヨーロッパ風の『ロミオとジュリエット』であ…

セックスの拒否と芸術~『マシュー・ボーン IN CINEMA/赤い靴』(試写、ネタバレ注意)

『マシュー・ボーン IN CINEMA/赤い靴』を試写で見てきた。こちらは昨年、公演が来日予定だったが新型コロナウイルスで上演中止になり、映像のほうが先に日本公開となった作品である。 www.youtube.com お話は有名なバレエ映画である『赤い靴』に沿ったもの…

バルコニーが地味すぎるような…NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』(配信)

NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』を配信で見た。2017年2月26日に上演されたものの映像である。指揮は冨田実里、演出は久保紘一、振付はマーティン・フリードマンである。 www.youtube.com わりと全体的にオーソドックスな衣装やセットを用いた演出で、正…

綺麗な演目だが…『M』(配信)

東京バレエ団の『M』を配信で見た。三島由紀夫をテーマにモーリス・ベジャールが作ったバレエ作品である。三島の没後50周年記念に東京文化会館で10月に上演されたものの映像である。 www.nbs.or.jp 直線的に三島の人生を描いているわけではなく、子どもの頃…

ホラーっぽいソネットの翻案~新国立劇場『Shakespeare THE SONNETS』

新国立劇場で『Shakespeare THE SONNETS』を見てきた。シェイクスピアのソネットを中心に『ロミオとジュリエット』とか『オセロー』とか、いろいろな作品を加味しながら作ったバレエ演目である。私が見た回のダンサーは渡邊峻郁と小野絢子だった。 www.nntt.…

衣装や美術が凝っている~フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』(配信)

フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』を配信で見た。2017年の上演を撮影したものである。音楽はメンデルスゾーンだが、『夏の夜の夢』の劇音楽以外にもメンデルスゾーンの曲を使っている。 人間たちは古代地中海風の衣装をまとい、アテネの街も壺絵みたいな…

いろいろ面白いところはあるが、疑問点も~オールド・ヴィク『ジキルとハイド』(配信)

オールド・ヴィクが配信している『ジキルとハイド』を見た。ドルー・マコニーによるダンス演目で、原作は言わずと知れたスティーヴンソンの古典である。2016年に上演されたものらしい。www.oldvictheatre.com 舞台はヴィクトリア朝ではなく、1950年くらいに…

撮影などは大変良いが、お話は…ロイヤルバレエ『眠れる森の美女』(配信)

ロイヤルバレエの配信で『眠れる森の美女』を見た。 www.youtube.com オーソドックスや美術やセットの大変豪華なプロダクションである。映画館で上映する想定で撮られたものなので、撮影などは大変こなれており、ダンスの動きが綺麗によくわかるようになって…

第2幕が苦手~パリ・オペラ座バレエ・シネマ 2020『夏の夜の夢』

2ヶ月ぶりの映画館で、東劇でパリ・オペラ座バレエ・シネマ 2020『夏の夜の夢』を見てきた。ジョージ・バランシンがメンデルスゾーンの音楽に振付したものである。2017年の上演で、衣装をクリスチャン・ラクロワが担当している。 www.culture-ville.jp 第1幕…

若く軽やかな2人~新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』(配信)

新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』を配信で見た。ケネス・マクミラン版で、2016年の公演である。 www.nntt.jac.go.jp セットや衣装などはオーソドックスなルネサンス風のもので、振付も見慣れているマクミラン版なので、この間見たロイヤ…

書くのが早いと仕事が絶えない~『剣の舞 我が心の旋律』(オンライン試写、ネタバレあり)

オンライン試写で『剣の舞 我が心の旋律』を見た。ロシア・アルメニアの合作映画で、ハチャトゥリアンの伝記ものである。バレエ『ガイーヌ』の超有名曲である「剣の舞」の作曲過程を描いたものだ。 www.youtube.com 基本的には、一見ソ連に従順で真面目に仕…