バレエ

綺麗な演目だが…『M』(配信)

東京バレエ団の『M』を配信で見た。三島由紀夫をテーマにモーリス・ベジャールが作ったバレエ作品である。三島の没後50周年記念に東京文化会館で10月に上演されたものの映像である。 www.nbs.or.jp 直線的に三島の人生を描いているわけではなく、子どもの頃…

ホラーっぽいソネットの翻案~新国立劇場『Shakespeare THE SONNETS』

新国立劇場で『Shakespeare THE SONNETS』を見てきた。シェイクスピアのソネットを中心に『ロミオとジュリエット』とか『オセロー』とか、いろいろな作品を加味しながら作ったバレエ演目である。私が見た回のダンサーは渡邊峻郁と小野絢子だった。 www.nntt.…

衣装や美術が凝っている~フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』(配信)

フィンランド国立バレエ『夏の夜の夢』を配信で見た。2017年の上演を撮影したものである。音楽はメンデルスゾーンだが、『夏の夜の夢』の劇音楽以外にもメンデルスゾーンの曲を使っている。 人間たちは古代地中海風の衣装をまとい、アテネの街も壺絵みたいな…

いろいろ面白いところはあるが、疑問点も~オールド・ヴィク『ジキルとハイド』(配信)

オールド・ヴィクが配信している『ジキルとハイド』を見た。ドルー・マコニーによるダンス演目で、原作は言わずと知れたスティーヴンソンの古典である。2016年に上演されたものらしい。www.oldvictheatre.com 舞台はヴィクトリア朝ではなく、1950年くらいに…

撮影などは大変良いが、お話は…ロイヤルバレエ『眠れる森の美女』(配信)

ロイヤルバレエの配信で『眠れる森の美女』を見た。 www.youtube.com オーソドックスや美術やセットの大変豪華なプロダクションである。映画館で上映する想定で撮られたものなので、撮影などは大変こなれており、ダンスの動きが綺麗によくわかるようになって…

第2幕が苦手~パリ・オペラ座バレエ・シネマ 2020『夏の夜の夢』

2ヶ月ぶりの映画館で、東劇でパリ・オペラ座バレエ・シネマ 2020『夏の夜の夢』を見てきた。ジョージ・バランシンがメンデルスゾーンの音楽に振付したものである。2017年の上演で、衣装をクリスチャン・ラクロワが担当している。 www.culture-ville.jp 第1幕…

若く軽やかな2人~新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』(配信)

新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』を配信で見た。ケネス・マクミラン版で、2016年の公演である。 www.nntt.jac.go.jp セットや衣装などはオーソドックスなルネサンス風のもので、振付も見慣れているマクミラン版なので、この間見たロイヤ…

書くのが早いと仕事が絶えない~『剣の舞 我が心の旋律』(オンライン試写、ネタバレあり)

オンライン試写で『剣の舞 我が心の旋律』を見た。ロシア・アルメニアの合作映画で、ハチャトゥリアンの伝記ものである。バレエ『ガイーヌ』の超有名曲である「剣の舞」の作曲過程を描いたものだ。 www.youtube.com 基本的には、一見ソ連に従順で真面目に仕…

ドラマティックな翻案~ハンブルクバレエ『幻想・「白鳥の湖」のように』(配信)

ハンブルクバレエ『幻想・「白鳥の湖」のように』を配信で見た。ジョン・ノイマイヤーによる『白鳥の湖』の翻案である。 www.hamburgballett.de 主人公がバイエルンの王ルートヴィヒ2世で、『白鳥の湖』は劇中劇になっているという構成だ。ルートヴィヒは同…

『ロミオとジュリエット』2本立て(2)ジュリアン・レステル版『ロミオとジュリエット』

Marquee TVでジュリアン・レステル振付『ロミオとジュリエット』を見た。音楽はプロコフィエフのものを使っている。2014年に収録されたものである。 www.marquee.tv お話のほうはけっこうカットされており、ふつうのプロダクションだと残しておくような箇所…

『ロミオとジュリエット』2本立て(1)スペイン国立ダンスカンパニー『ロミオとジュリエット』(配信)

スペイン国立ダンスカンパニーの『ロミオとジュリエット』をMarquee TVの配信で見た。ナチョ・ドゥアト振付で、2008年に来日もしたことあるらしい。ただ、2013年のプロダクションを撮ったものなので、振付や演出にマイナーチェンジはあるかもしれない。 www.…

頼れる大人はメガネをかけている~チューリッヒ歌劇場『ロミオとジュリエット』(配信)

チューリッヒ歌劇場『ロミオとジュリエット』を配信で見た。クリスティアン・シュプック振付によるものである。 www.opernhaus.ch わりと暗めのステージで、奥に窓のある二階建てのお屋敷なのだが、たまにお屋敷というよりは役所みたいな冷たい感じで見える…

全然ファム・ファタルに見えない~新国立劇場『マノン』(配信)

新国立劇場巣ごもりシアターでバレエの『マノン』を見た。マスネの曲にケネス・マクミランが振付をしたものである。今年2月の公演で、実は行きたいと思っていたのだが見に行けなかった。 www.nntt.jac.go.jp 原作はアベ・プレヴォの小説である。マスネは18世…

ボトムが本当にロバっぽい~アシュトン『夏の夜の夢』(配信)

フレデリック・アシュトン版『夏の夜の夢』Marquee TVの配信で初めて見た。メンデルスゾーンの音楽を使った1時間くらいの演目である。2017年に上演されたものだ。 www.marquee.tv 夜の森の雰囲気あるセットにロマンティックな可愛らしい妖精がたくさん出てく…

『ミッドサマー』好きならこれを見よ!~スウェーデン王立バレエ『夏の夜の夢』(配信、ネタバレあり)

Mrquee TVのフリートライアルでアレクサンダー・エクマン振付、スウェーデン王立バレエ『夏の夜の夢』を見た。2017年の上演を収録したものである。タイトルはシェイクスピアで多少の影響はあると思うのだが、お話は戯曲とは全く関係なく、北欧の夏至祭りを題…

普通のロミジュリとだいぶ違う~スウェーデン王立バレエ『ジュリエットとロミオ』(配信、ネタバレあり)

Marquee TVのフリートライアルでスウェーデン王立バレエ『ジュリエットとロミオ』を見た。マツ・エクの振付で、2013年の上演を撮影したものである。 www.youtube.com タイトルからもわかるようにいわゆるふつうの『ロミオとジュリエット』のバレエと全然違い…

魅力的だが、小説を読んでいないと初心者には難しいかも~ノーザンバレエ『1984』(配信)

ノーザンバレエ『1984』の配信を見た。2016年に撮影されたものである。 www.youtube.com ジョージ・オーウェルの『1984』のバレエ化作品である。ギシギシした不穏な音楽に、記憶を象徴するような大きな棚と場面転換であらわれるテレスクリーンが対照的なセッ…

マシュー・ボーン IN CINEMA『ロミオとジュリエット』

マシュー・ボーン IN CINEMA『ロミオとジュリエット』を試写会で見てきた。 www.youtube.com 生の舞台をロンドンで見ていて、内容に関してはそんなに大きな違いは感じなかったのだが、一つ思ったのはなんかちょっと短くなっているような気がしたことだ。ただ…

ダンスはとても綺麗だが、ロミオのぴっちりタイツが問題だと思う~バレエ映画『ロミオとジュリエット』

ロイヤル・バレエによるバレエ映画『ロミオとジュリエット』を見てきた。 www.youtube.com プロコフィエフの音楽にケネス・マクミランが振り付けたロイヤル・バレエの定番作品である『ロミオとジュリエット』を映画化したものなのだが、最近流行りの舞台を撮…

プロコフィエフからロマンティックを引くと…マシュー・ボーン版『ロミオとジュリエット』(ネタバレあり)

サドラ-ズ・ウェルズ劇場でマシュー・ボーン版『ロミオとジュリエット』を見てきた。完全な新演出である。 new-adventures.net プロコフィエフの音楽を使っているが、設定は相当変わっている。近未来の全体主義的な管理教育を行う寄宿学校を舞台に、監視員…

テイト・モダン「ナタリア・ゴンチャロワ展」

テイト・モダンでナタリア・ゴンチャロワ展を見てきた。デザインから絵画まで幅広く活動したロシアの芸術家で、第一次世界大戦前後のロシア前衛芸術を主導したアーティストのひとりである。全体的に雪国っぽいセンスが感じられてすごく良かったのだが、一番…

東急シアターオーブ、マシュー・ボーン『シンデレラ』

マシュー・ボーン版『シンデレラ』を見てきた。プロコフィエフの音楽を使いつつ、設定を第二次世界大戦にして、シンデレラと王子さまをロンドン空襲で引き裂かれる男女にしたバージョンである。 www.youtube.com これは2010年の再演をイギリスで見ていて、か…

動き出す彫像〜ロイヤル・バレエ『冬物語』

TOHOシネマズ日本橋でロイヤル・バレエ『冬物語』の上映を見てきた。シェイクスピアの『冬物語』をクリストファー・ウィールドン振付、ジョビー・タルボット作曲でバレエ化した作品である。 バレエに詳しくないのであまり綿密な評価はできないのだが、セット…

フィンランド国立バレエ団『たのしいムーミン一家 〜ムーミンと魔法使いの帽子〜』

フィンランド国立バレエ団『たのしいムーミン一家 〜ムーミンと魔法使いの帽子〜』を見てきた。 前半は北欧バレエ・ガラで、『白鳥の湖』など有名な演目のハイライトを踊るものである。後半がムーミンのバレエで、着ぐるみがつま先立ちで回ったりするところ…

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン『ウルフ・ワークス』

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン『ウルフ・ワークス』を見てきた。ヴァージニア・ウルフの作品と生涯を三部構成でたどるバレエである。私はもともとコンテンポラリーっぽいダンスを映像で見るのが苦手で、しかも季節性のアレルギーが爆発して始…

動物の世界〜バレエ『ピーターラビットと仲間たち』

Kカンパニーのバレエ『ピーターラビットと仲間たち』を見てきた。 第2部は『ピーターラビットと仲間たち』で、ダンサーが全員精巧なぬいぐるみを着込んでビアトリクス・ポターの世界を再現する。微笑ましい展開で、着ぐるみを着込んでいるダンサーの踊りのキ…

マシュー・ボーン版『眠れる森の美女』(The Sleeping Beauty)日本公演

マシュー・ボーン版『眠れる森の美女』(The Sleeping Beauty)の日本公演を見てきた。既にロンドンでの初演を見ているので感想はそちらとそんなに変わらないのだが、ゴシックな雰囲気に独特の色気とユーモアをからめた純愛もので切ない作品だった。とにかく楽…

超セクシーな『カルメン』のバレエ版翻案〜マシュー・ボーン『ザ・カーマン』 in シネマ

マシュー・ボーンの『ザ・カーマン』の映画館上映を恵比寿ガーデンシネマで見てきた。ボーンの主な演目では唯一見たことのないものなので楽しみにしていたのだが、大変面白かった。とにかくセクシーである。 音楽はビゼーの『カルメン』を使っているのだが、…

messy連載に「男性に自由を奪われた「籠の鳥」〜チャイコフスキー『白鳥の湖』と森鴎外『雁』」を書きました

いつものmessyの連載に「男性に自由を奪われた「籠の鳥」〜チャイコフスキー『白鳥の湖』と森鴎外『雁』」を書きました。鑑賞初心者として、ゆるい感じでバレエの楽しみを書いたものです。マシュー・ボーンをオススメしています。 ちなみに今回の連載は、卒…

夢のようなシビアな世界〜『バレエボーイズ』

『バレエボーイズ』を見てきた。 オスロでバレエダンサーを目指す三人の少年、ルーカス、シーヴェルト、トルゲールの生活を追ったドキュメンタリー映画である。三人は大変仲が良く、それぞれとにかくバレエを愛し、夢を追う姿が清々しい。ということで純粋で…