若く軽やかな2人~新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』(配信)

 新国立劇場巣ごもりシアター『ロメオとジュリエット』を配信で見た。ケネス・マクミラン版で、2016年の公演である。

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 セットや衣装などはオーソドックスなルネサンス風のもので、振付も見慣れているマクミラン版なので、この間見たロイヤル・バレエ版の映画に似ている。ロメオ(福岡雄大)とジュリエット(小野絢子)は若く軽やかなカップルで、とくにジュリエットは序盤は非常に子供っぽい。最初に登場する時は乳母といたずらっぽくじゃれあっていて、とても縁談話が持ち込まれるような年頃には見えないくらい少女らしい。有名な「騎士たちの踊り」のところはふつうよりもゆっくり重々しく演奏していると思うのだが、最後に後ろの階段からまるでスキップするみたいな足取りでジュリエットが降りてきており、ここは礼儀にこだわる大人たちの社交の様子と、それにそぐわないくらい若く軽快なジュリエットの対比がはっきりしていると思う。そんなジュリエットがロメオとの恋と結婚を経て、終盤は自分の意志で決断できる女性になっていくというところが見所だ。