シェイクスピア

オフィーリアを死なせない~『令和X年のハムレット』

戯曲組が吉祥寺シアターで行った公演『令和X年のハムレット』を配信で見た。演出もつとめている吉村元希による『ハムレット』の翻案である。『ハムレット』以外にもおそらく『ローゼンクランツとギルデンスターン』などからも影響を受けていると思われる。リ…

10/19(火)の 日経夕刊で『ジュリアス・シーザー』の記事にコメントしました 

2021/10/19 の『日本経済新聞』夕刊の『ジュリアス・シーザー』に関する記事で、ごくごく簡単なコメントを行いました。オールフィメールの舞台に関するものです。

全然ダメだと思う~『野外劇 ロミオとジュリエット』

東京芸術劇場で『野外劇 ロミオとジュリエット』を見てきた。青木豪演出で、もともとは野外劇にする予定だったが新型コロナウイルスなどの事情でできなくなったらしい。500円で見られるプロダクションである。 tokyo-festival.jp 正直なところ、全くダメなプ…

最後に突然…PARCO劇場『ジュリアス・シーザー』(ネタバレ)

PARCO劇場で森新太郎演出『ジュリアス・シーザー』を見た。オールフィメールの上演である。 stage.parco.jp 2時間15分休憩なしで、とくに後半をかなり刈り込んでいる。キャシアス(松本紀保)がお亡くなりになるあたりなどはけっこう飛ばしている。あと、私…

最後をいじらないほうが良かったのでは…『オセローと言う男』

松本大作・演出『オセローと言う男』を配信で見た。内容はたいてい『オセロー』なのだが、ちょっと変えてあるところがある。 en-3-plaze.stores.jp 何もないブラックボックスでコンパクトにまとめた上演である。映像はこの手の小劇場配信にしてはかなり質が…

ナショナル・シアター・ライブ『十二夜』プログラムに寄稿しました

ナショナル・シアター・ライブ『十二夜』プログラムに寄稿しました。とてもオススメの『十二夜』なので、興味のある方は是非、映画館に足を運んでみてください。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「女たちの真の姿」『ナショナル・シアター・ライブ十二…

あの池、要るかな…?吉祥寺シアターで『夏の夜の夢』

吉祥寺シアターで『夏の夜の夢』を見てきた。鈴木勝秀演出で、演劇集団円に拠るものである。 www.musashino-culture.or.jp 二層になっていて、上にはしごなどで作った大きな木を模したようなオブジェがあるセットである。両脇には階段があり、上層階に上がれ…

Call Me Maybe~上海話劇芸術中心『ヘンリー五世』(配信)

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーと上海話劇芸術中心の『ヘンリー五世』を学会員のみの配信で見た。2019年のオーウェン・ホースリー演出による上演を撮ったものだが、初演は2016年で、この時が中国語による中国でのプロによる『ヘンリー五世』初演だっ…

教育用のアーカイヴ映像という感じ~『いつかの、どこかの、ロミオとジュリエット』(配信)

たちかわシェイクスピアプロジェクト『いつかの、どこかの、ロミオとジュリエット』を配信で見た。鮭スペアレの中込遊里が立川の中高生を指導してシェイクスピアをもとにした作品を作るというプロジェクトである。 www.tachikawa-chiikibunka.or.jp 『ロミオ…

「つながる古典」オンライン講座に登壇します

オンライン講座「日置貴之×木ノ下裕一Presents「つながる古典」」シリーズの初回10/10に登壇し、ジェンダーとシェイクスピアということをテーマにお話する予定です。主に歌舞伎がテーマのイベントなのですが、私はまったく歌舞伎に詳しくないのでシェイクス…

演出はとてもいいが、セットをもうちょっとシンプルにしたほうがいいかも~グローブ座『十二夜』

ロンドングローブ座の『十二夜』を配信で見た。ショーン・ホームズ演出でライヴ配信されたものである。 www.shakespearesglobe.com コミカルでエネルギッシュな演出で、楽しめるプロダクションである。マルヴォーリオ(ソフィー・ラッセル)、フェステ(ヴィ…

内容はともかく、舞台の様子がよくわからない…REBORNプロデュース『から騒ぎ』

REBORNプロデュース『から騒ぎ』を配信で見た。 types.jp 全体にケネス・ブラナー版の影響がありそうな演出で、手堅くまとめている。背景に太陽、両端に木があり、あんまり隠れるところのない舞台で、中盤の立ち聞きの場面はこの木が使われている。レオナー…

台本が古くなっているのでは?~『フォーティンブラス』

横内謙介『フォーティンブラス』を見てきた。中屋敷法仁の演出である。1990年初演で何度か再演されている芝居だが、初めて見た。 fortinbras2021.com 『ハムレット』を演じる一座のバックステージものである。スターである正美(内博貴)がハムレット役で上…

子供向けのオールメール野外上演~The Lord Chamberlain's Men『夏の夜の夢』(配信)

The Lord Chamberlain's Menの『夏の夜の夢』を見た。The Lord Chamberlain's Menというのはシェイクスピアが働いていた宮内大臣一座と同じ名前で、オールメールで家族向けに野外上演をする劇団によるシェイクスピア上演である。ピーター・スティックニー演…

アン・タイラー『ヴィネガー・ガール』に解説を書いています

「語りなおしシェイクスピア」シリーズの最新作であるアン・タイラーの『ヴィネガー・ガール』に簡単な解説を書いております。『じゃじゃ馬ならし』の翻案で、9月に刊行予定です。 語りなおしシェイクスピア 3 じゃじゃ馬ならし ヴィネガー・ガール 作者:ア…

面白いところはたくさんあるのだが、知識がなさすぎて…『カタカリ版リア王』(配信)

配信で『カタカリ版リア王』を見た。インドの伝統的な舞台芸術であるカタカリによる『リア王』の上演である。カンパニーはインドの劇団ではなく、フランスのアネット・レデイ/ケリ劇団が作ったもので、2019年の上演だそうだ。 演奏や歌を担当する人と舞踊を…

イマーシヴ舞台っぽい演出~バーミンガムオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』

バーミンガムオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を見た。指揮がアルペシュ・チャウハン、演出がグレアム・ヴィックによるものである。2019年のプロダクションで、バーミンガムオペラの50周年記念公演だそうだ。 www.youtube.com このオペラはあまり得意…

今月の連載記事は「男社会と陽気な人妻たち~『ウィンザーの陽気な女房たち』と『メリー・ウィドウ』」です

今月の連載記事は「男社会と陽気な人妻たち~『ウィンザーの陽気な女房たち』と『メリー・ウィドウ』」です。書いたのは先月末なのですが、思いがけず「幸せそうな女性」に関連するテーマになってしまいました。舞台芸術に出てくる陽気な人妻たちがどうやっ…

演出には工夫があるが、ちょっとセリフ回しが…ニッショーホール『リア王』

ニッショーホールで『リア王』を見てきた。昨日レビューした『マクベス』との同時上演である。 『マクベス』に比べるとクラシック音楽がしつこくなく(リアとコーデリアが再会するところもマーラーはちょっと狙いすぎな気もするが)、演出にもけっこう工夫が…

意図せざる批評性が出てしまっている~ニッショーホール『マクベス』

ニッショーホールで『マクベス』を見てきた。演出・主演は横内正がつとめている。 やたら衣装がキラキラしているのと、クラシック音楽をふんだんに使っている以外はふつうの『マクベス』で、とくに新しい演出などはあまりないと思う。クラシック音楽は正直け…

撮影のクオリティが…Gフォースプロデュース『夏の夜の夢』(配信)

Gフォースプロデュースのミュージカル『夏の夜の夢』を配信で見た。JOYJOYシアターで上演されたものである。 正直、音と撮影のクオリティはよろしくない。一応、引いたり寄ったりはあるのだが、暗い場面はあんまりよく見えない。音もイマイチで、とくに序盤…

声優によるリーディング~『名作異聞 ロミオとジュリエット~ ティボルト その恋の犠牲者~』(配信)

『名作異聞 ロミオとジュリエット~ ティボルト その恋の犠牲者~』を配信で見た。長瀬貴弘脚本、松崎史也演出で、声優によるリーディング公演である。東京芸術劇場で上演され、ニコニコの有料配信で見ることができる。 readpia.jp お話の内容は、『ロミオと…

8/7の21時より、笑の内閣『マクラDEリア王』オンラインアフタートークに出演します

直前のお知らせになってしまいましたが、8/7の21時より、笑の内閣『マクラDEリア王』オンラインアフタートークに出演します。有料ですが、以下のリンクから見ることができます。気軽にお越しくださいませ。公演の配信も購入できます。 shirasu.io shirasu.io

全部を丸く終わらせる~言葉のアリア『から騒ぎ』

言葉のアリアによる『から騒ぎ』を見てきた。佐々木雄太郎演出で、劇場MOMOで上演されたものである。 全体的に和解や調和を強調する柔らかめの演出である。ベネディック(シミズアスナ)もクローディオ(鈴原紗央)も女優が演じているが男性という設定で、一…

アフリカの国が舞台の見応えある演出~セントルイスシェイクスピア祭『リア王』(配信)

セントルイスシェイクスピア祭の『リア王』を配信で見た。演出はカール・コーフィールドによるものである。野外上演を撮影したものである。 stlshakes.org 舞台は北アフリカのどこかの国という設定で、キャストはだいたい非白人である(ただ、設定が北アフリ…

内容は悪くないが、撮影が…鄧樹榮演出『マクベス』(配信)

世界シェイクスピア大会の配信で鄧樹榮演出の『マクベス』を見た。2019年の香港のプロダクションである。広東語で英語字幕がつく(最後のQ&Aは字幕がないので見られなかった)。 箱のような背景幕だけがあるシンプルなセットで展開する物語である。一応、現…

ハムレットを出す必要あるのか…?『オフィーリア』(配信)

世界シェイクスピア大会の配信で『オフィーリア』を見た。シンガポールで2016年に行われた上演で、ナタリー・ヘネディゲとミシェル・タン作、演出もヘネディゲがつとめている。『ハムレット』の翻案である。 プールみたいなセットにプール監視員用の椅子があ…

ツボを押さえた笑える上演~二期会『ファルスタッフ』

二期会『ファルスタッフ』を見てきた。レオナルド・シーニ指揮、演出・衣裳が ロラン・ペリーによる上演である。これまた初日が新型コロナウイルスのせいで中止になって上演できるのか…と思っていたが、無事行われた。 舞台設定は20世紀(1960-70年代くらい…

世界シェイクスピア大会の発表が終わりました

世界シェイクスピア大会のセミナー"Seminar 25: Shakespeare in-between Translation and Adaptation"での発表"Why Should George Lucas Fall in Love? From Shakespeare’s Biography to Star Wars"が無事終了しました。大会はまだプレカンファレンスなので…

こなれた再演~『ウィルを待ちながら インターナショナル・ヴァージョン』

『ウィルを待ちながら インターナショナル・ヴァージョン』を見た。2018年初演なのだが、今回の上演はシビウ国際演劇祭参加を見込んだ改訂版で、英語のセリフなどもある。前回見た時はとてもよくできていると思った一方でわりと苦手なところもあったのだが、…