シェイクスピア

ジョン・スノウ…じゃなかったハル、あんな何にも知らないね~ナショナル・シアター・ライブ『ヘンリー五世』

ナショナル・シアター・ライブの『ヘンリー五世』を見てきた。マックス・ウェブスター演出、キット・ハリントン主演でドンマーウェアハウスで収録されたものである。 www.youtube.com 非常に現代的な演出で、軍人たちは迷彩の軍服を着ているし、戦争も完全に…

どうしても一箇所、解釈違いがあり…日生劇場『夏の夜の夢』

井上尊晶演出『夏の夜の夢』を日生劇場で見てきた。 全体的に階段が多く、そこを森に見立てている。宮殿の場面は真ん中に台を置いてやっている(このため、宮中の場面はちょっと舞台が狭いような印象も受ける)。衣装はけっこう現代風なところもあるが、一部…

彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー八世』再演

彩の国さいたま芸術劇場で『ヘンリー八世』の再演を見てきた。2020年に初演を見ているのだが、あまり上演されない演目だし、阿部寛のヘンリー八世は当たり役だと思うし、また去年の5月以来彩の国シェイクスピアがなかったということもあり、また行ってきた。…

「フォークホラーとしての『マクベス』」講座が無事終了しました

朝日カルチャーでのオンライン講座「フォークホラーとしての『マクベス』」が無事終了しました。お越しくださった方々、どうもありがとうございます。『ウィッカーマン』みたいなフォークホラーと『マクベス』の共通点について話しました。 www.asahiculture…

彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』勉強会に出ます

彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』勉強会に出ます。全4回でどれも面白そうですが、私は第3回 12/4(日)14:00~15:45に「なぜ私たちは『ジョン王』を見たことないのだろう?〜受容、人気、不人気」という受容についての話をします。私はこの作品に…

動きの制限から祝祭へ~『令和X年のオセロー』

吉村元希作・演出、戯曲組『令和X年のオセロー』を見てきた。90分くらいに刈り込んだ『オセロー』の翻案である。シンプルなセットに現代風の衣装で(ただし女性陣はコルセットみたいなものをつけている)、かなりデズデモーナ中心の構成にし、ビアンカ周りの…

文春オンラインに武田砂鉄さんとのイベントの記事が出ました

文春オンラインに武田砂鉄さんと実施した新刊イベントの記事が出ました。また相撲のラジオ中継の話をしております。 bunshun.jp お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門 (文春e-book) 作者:北村 紗衣 文藝春秋 Amazon

スイカを持ったロレンス修道士~シアター2+1『ロミオとジュリエット』

シアター2+1で『ロミオとジュリエット』を見てきた。なるせこお台本・演出によるものである。翻訳は河合祥一郎版に基づいているようだ。 後ろに倒れた2本の柱がクロスしているセットで、この場所がバルコニーとしても使用されている。ロレンス修道士(本島孝…

かなりダイジェストっぽい~『Richard3 i bara』(配信)

『Richard3 i bara』を配信で見た。千賀多佳乃作・演出によるリチャード三世ものである。 1時間40分くらいしかないのだが、前半はシェイクスピアでいうと『ヘンリー六世』のあたりも盛り込んでいて、正直、この長さだとかなりダイジェストっぽい。リチャード…

シェイクスピアと自分の人生をまじえたひとり芝居~Willy's Lil Virgin Queen(配信)

エディンバラフリンジの配信でWilly's Lil Virgin Queenを見た。Terra Taylor Knudsonによるひとり芝居で、演者のシェイクスピアとのかかわりに自分の人生のいろいろな経験を重ねるというものである。『ウィンザーの陽気な女房たち』、『リチャード三世』、…

2人だけでやる1時間15分くらいの『ハムレット』~A Two Woman Hamlet(配信)

エディンバラフリンジの配信でSherman & Friendsの配信によるA Two Woman Hamletを見た。ニコラ・コレットとハンナ・スウィート、2人の女優だけで『ハムレット』を1時間15分くらいでやるというものである。小道具も最小限で、とっかえひっかえいろいろな役を…

移民のシェイクスピア朗読~エディンバラフリンジ、Migrant Shakespeare (配信)

エディンバラフリンジの配信で、ナズ・イェニ翻案・監督、Seyyar CompanyによるMigrant Shakespeareを見た。移民たちが職場とか家とかいろいろなところでシェイクスピアのとても有名な台詞を朗読するというものである。全体的には、日常的な暮らしが意外にシ…

シェイクスピア学会にてアイドルシェイクスピアの発表をします

10月1日-2日に開催される第60回シェイクスピア学会「2010年以降の日本/日本語のシェイクスピア上演を問う」セミナーにて、「若く美しく商業主義的な日本のアイドルシェイクスピア」というタイトルで発表します。主にジャニーズとAKBの話をします。 www.s-sj…

箱庭のリチャード~G.Garage///『リチャード二世』

G.Garage///による河内大和演出『リチャード二世』を見た。 セットは枯山水の庭みたいな感じで、真ん中に岩があり、三方が客席に囲まれた長方形の舞台の回りには小石がまいてある。『リチャード二世』には庭師が出てくる有名な場面があるので、この場面の要…

『Q:A Night At The Kabuki』再演

『Q:A Night At The Kabuki』再演を見てきた。正直なところ、初演で見た時の「これ、クイーン要らないのでは…」という感想はあまり変わらなかった。ただ、前回とは違って戦争が続いている騒がしい世相の中で見るとより現代的な気はしたし、前よりもこなれて…

子ども向けのわかりやすいバレエ上演~日生劇場『真夏の夜の夢』

日生劇場で『真夏の夜の夢』を見てきた。メンデルスゾーンの音楽に振付をしたもので、演出は中島伸欣である。家族向けのイベントで、子どもにもかわるように解説がつく(最初にバレエのマイムの意味に関する説明などもある)。音楽は東京シティ・バレエ団に…

9/17に「フォークホラーとしての『マクベス』」オンライン講義を行います

次回の朝日カルチャーオンライン講座は9/17「フォークホラーとしての『マクベス』」です。わりと『ウィッカーマン』とかフォークホラー系の作品の話に近づけて『マクベス』を考える予定です。お気軽にお申し込み下さい。 www.asahiculture.jp

ビーズクッションが活躍~『妖楽 夏の夜の夢』

山本健翔演出、だるまとカナリア『妖楽 夏の夜の夢』を見てきた。 www.daruma-za.net 薄紫っぽい背景に月の模様が描かれたセットで、緑色と紫色のビーズクッションが2つずつ置かれている。このクッションがいろいろなものに見立てて使われ、恋人たちのケンカ…

朝日カルチャー『テンペスト』講義が終わりました

朝日カルチャーで実施した『テンペスト』のオンライン講義が無事終わりました。お聴き下さった皆様、どうもありがとうございます。 www.asahiculture.jp 次回の講座は9/17「フォークホラーとしての『マクベス』」です。お気軽にお申し込み下さい。 www.asahi…

踊りの優美さとはうらはらな暴力的演出~Kバレエ『ロミオとジュリエット 』in Cinema

Kバレエ『ロミオとジュリエット 』in Cinemaを見てきた。3月の公演を収録し、映画館で上映するものである。 www.k-ballet.co.jp 優美なダンスとはうらはら、けっこう『ロミオとジュリエット』としては暴力的な演出である。若者たちのケンカは女性陣も参加し…

ちょっとダイジェストっぽい?~『薔薇王の葬列』

日本青年館ホールで『薔薇王の葬列』を見てきた。菅野文の同名漫画・そのアニメ化を原作とする舞台で、おおもとの原作はシェイクスピアの『ヘンリー六世』三部作と『リチャード三世』(つまり薔薇戦争サイクル)である。漫画とアニメは未見である。 www.yout…

『人文情報学月報』第130号に書評を寄稿しました

メールマガジン『人文情報学月報』第130号後編にDiana E. Henderson and Kyle Sabastian Vitale, ed., Shakespeare and Digital Pedagogy: Case Studies and Strategies (The Arden Shakespeare, 2022)の書評を寄稿しました。デジタル教育とシェイクスピアに…

ミラノ上演の帰国公演~鮭スペアレ版『マクベス』(配信)

鮭スペアレ版『マクベス』を配信で見た。2018年に一度見ているのだが、これはイタリアのミラノにあるSpazio Teatro No'hmaでの招聘公演のためにいろいろ作り直したものである。前に見た時の場所は北千住BUoYだったのだが、今回は銕仙会能楽研修所での上演で…

英文学会発表が無事終了しました

日本英文学会第94回全国大会1日目の「シェイクスピアとフェミニズム的受容」シンポジアムにて、「誰も憧れないシェイクスピアのヒロインたちー『デズデモーナ』と『ヴィネガー・ガール』」の発表を行いました。久しぶりに事前レコーディングではないライヴの…

これはいつかフルの『ハムレット』に…?『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』

彩の国さいたま芸術劇場でG.Garage///番外公演『Oshiire Hamlet 押入ハムレット』を見てきた。坪内逍遥の台本を使い、河内大和がだいたいは1人芝居で亡霊や劇中劇などは能楽師の津村禮次郎がつとめ、音楽はスガダイローがつけるというものである。ほとんど即…

あまりこなれていないと思う~スペースZERO『十二夜』

スペースZEROでTYプロモーション『十二夜』を見た。横内正演出によるものである。 www.ty-promotion.com 正直、全体的にあんまりパッとしない上演だったように思う。まずテキレジにちょっと疑問があり、最初の「音楽が恋の糧なら…」の有名なセリフがある場面…

かなりちゃんとした『ロミオとジュリエット』~『浪花節シェイクスピア 富美男と夕莉子』

紀伊國屋ホールで『浪花節シェイクスピア 富美男と夕莉子』を見てきた。末満健一脚本・演出による大阪弁の『ロミオとジュリエット』である。 www.mmj-pro.co.jp 1950年代末、大阪の南あたりにあるらしい浪花坂という街が舞台である。ヤクザの紋田木一門の跡…

殺陣がとても良い~フロント・フット・シアター『リチャード三世』(配信)

フロント・フット・シアター『リチャード三世』を配信で見た。殺陣の専門家であるローレンス・カーマイケル演出で、コックピット劇場で上演されたものである。おそらく2017年の公演だろうと思う。 www.youtube.com シンプルな箱みたいなセットで、広報に4段…

なぜこれで面白くなるのかわからないが、大変面白い~男肉 du Soleil『転生したハムレットの世界で生きるべきか死ぬべきか戻れるか、それが問題だ』(ネタバレ)

下北沢の小劇場B1で男肉 du Soleil『転生したハムレットの世界で生きるべきか死ぬべきか戻れるか、それが問題だ』を見てきた。 oniku-du-soleil.boy.jp 借金を返すためにいろいろな仕事で過労である一方、迷惑系YouTuberとしても活動している城之内(城之内…

演出が個人的に趣味にあわなかった~オーチャードホール『ロミオとジュリエット』

オーチャードホールで松山バレエ団『ロミオとジュリエット』を見てきた。清水哲太郎演出・振付、河合尚市指揮によるものである。 73歳でジュリエットを踊る森下洋子の力量などは凄いと思ったのだが、正直、演出コンセプトが個人的に面白いと思えなかった。パ…