シェイクスピア

珍しい演出あり~言葉のアリア『オセロー』(ネタバレあり)

八幡山ワーサルシアターで言葉のアリア『オセロー』を見てきた。佐々木雄太郎演出・構成によるもので、劇団としては第2回公演らしい。現代風の衣装で、真ん中に白い台があるシンプルなセットで上演するものである。 このプロダクションの特徴はオセローを女…

Shakespeare Journalに、18世紀エディンバラの文芸ファンに関する論文がのりました

日本シェイクスピア協会が刊行している和文誌『Shakespeare Journal』に投稿した論文がのりました。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「我々にもオシァン・ジュビリー祭を!ーシェイクスピア・ジュビリー祭と、とあるスコットランドのファンの夢」『Sha…

水!手洗い!~『マクベスの悲劇』

俳優座で『マクベスの悲劇』を見てきた。 haiyuza.net 新しい台本を使い、あまりカットなしでやるというものである。完全ノーカットというわけではなく(付け足しと考えられているヘカテの場面などはない)、また最初にマクベス夫妻の強い愛情を示すべく、台本…

ツボをおさえたロマンティックコメディ~本多劇場『十二夜』

本多劇場で青木豪演出、オールメール『十二夜』を見てきた。 12th-night.westage.jp 美術などの方針としては以前から青木豪がやっているDステのオールメールシェイクスピアを踏襲した感じで、真ん中にお社がある一方、衣装などは洋風である。演出も笑いのツ…

ダンスはとても綺麗だが、ロミオのぴっちりタイツが問題だと思う~バレエ映画『ロミオとジュリエット』

ロイヤル・バレエによるバレエ映画『ロミオとジュリエット』を見てきた。 www.youtube.com プロコフィエフの音楽にケネス・マクミランが振り付けたロイヤル・バレエの定番作品である『ロミオとジュリエット』を映画化したものなのだが、最近流行りの舞台を撮…

QJウェブに『シェイクスピアの庭』のレビューを書きました

QJウェブに『シェイクスピアの庭』の簡単なレビューを書きました。 qjweb.jp

7カ国連合軍が襲ってくる~カクシンハンスタジオ『ジュリアス・シーザー』

シアター風姿花伝でカクシンハンスタジオ『ジュリアス・シーザー』を見てきた。ふつうにやると3時間以上かかる芝居を100分くらいに縮めたというものである。 いつものカクシンハンどおりクロスジェンダーキャスティングである。ブルータス(渡部哲成)は男優な…

「ストラットフォードのシェイクスピアの伝記映画」が作られる意味~『シェイクスピアの庭』(ネタバレ注意)

試写会で『シェイクスピアの庭』を見てきた。ケネス・ブラナーとジュディ・デンチが晩年のシェイクスピア夫妻を演じるという作品である。 www.youtube.com 話は1613年、『ヘンリー八世』の上演中にグローブ座が燃える事件から始まる。ウィリアム・シェイクス…

シェイクスピア大盛りパスティーシュ~『天保十二年のシェイクスピア』

井上ひさし『天保十二年のシェイクスピア』をシェイクスピアリアン仲間で見てきた。日生劇場だったのだが、めったにとれないようないい席だったのでちょっとびっくりした。舞台でこれを見るのは初めてである。 www.tohostage.com 内容はシェイクスピア全作品…

朝日カルチャーにて「シェイクスピア劇のヒロインを考える」という講義をします

5/29(金)19:00より、朝日カルチャーで「シェイクスピア劇のヒロインを考える」という講義をします。主にシェイクスピアのヒロインに関するキャラクター批評みたいな内容になる予定です。 www.asahiculture.jp なお、その2日前の5/27に早稲田でもシェイクスピ…

その権力は肉か、服か~彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー八世』(ネタバレあり)

彩の国さいたま芸術劇場で『ヘンリー八世』を見てきた。これはあまり上演されない演目で、私も舞台では2回くらいしか見たことがない。 全体的に現代風なセットで、聖職者や王であるヘンリー八世(阿部寛)以外はかなり近代的なスーツを着ている。両側に階段が…

ブスネタ以外はほぼ完璧な翻案~『泣くロミオと怒るジュリエット』(ネタバレ)

鄭義信作・演出『泣くロミオと怒るジュリエット』を見てきた。『ロミオとジュリエット』(+『ウェストサイド物語』)のオールメール翻案だが、場所はどこか日本の関西っぽい場所、時代はいつかの戦争の後である。地名や人名はそのままなのだが、明らかに日本…

配役を含めて安定してきた印象~物狂い音楽劇『リヤ王』

鮭スペアレによる物狂い音楽劇『リヤ王』を見てきた。鮭スペアレは坪内逍遙の台本を使って能の要素を取り入れながらシェイクスピアを上演する劇団なのだが、銕仙会能楽研修所で上演ということで、いつも上演に増して能っぽくなっていた。 既に『ロミオとヂュ…

早稲田でシェイクスピアの講義をします

5/27に早稲田大学でシェイクスピアとジェンダー、セクシュアリティに関する講義をすることになりました。「もしも私が女なら~シェイクスピア劇におけるジェンダーとセクシュアリティ」という題目で、キャスティングとか上演の話をする予定です。 www.waseda…

彩の国シェイクスピア講座Vol.4 『ジョン王』徹底勉強会に出ます

彩の国シェイクスピア講座Vol.4『ジョン王』徹底勉強会に出ます。全4回の準備講座ですが、私は第3回5/10に登壇し、「なぜ私たちは『ジョン王』を見たことないのだろう?~受容、人気、不人気」という題目で受容史系の話をします。 www.saf.or.jp

沖縄の英文学会にて近世英文学とユートピア幻想に関するシンポジアムを開催します

2020/5/16に沖縄の琉球大学で開催される英文学会大会にて、近世英文学とユートピア幻想に関するシンポジアムを開催します。タイトルは以下のとおりです。 「The isle is full of noises―近世イングランド文学とユートピア的「島」幻想」 テーマとしては近世…

最後の文字は日本語にすべきでは?~『ウエスト・サイド・ストーリー』Season 1

IHIステージアラウンド東京で『ウエスト・サイド・ストーリー』を見てきた。マリア役が北乃きい、トニー役が蒼井翔太、アニタ役が樋口麻美、リフ役が上山竜治、ベルナルド役が水田航生の回だった。 わりと狭いセットを使った場面から始まるので、最初はちょ…

DULL-COLORED POP『マクベス』

DULL-COLORED POP『マクベス』を見てきた。ものすごく面白かったのだが、これは紙媒体に劇評を書くかもしれないので、メモだけにしておく。 とにかく政治諷刺が強烈な現代的な舞台である。途中までは「なんでマクベスはこんなしゃべり方なんだ…?」と思って…

アルクの英語学習ミニコラム、最終回はシェイクスピアです

アルクのGOTCHA!に連載していた英語学習ミニ連載コラム、最終回はシェイクスピアのリズムと代名詞の話を書きました。 gotcha.alc.co.jp

カクシンハンはここ7年ですごく成長したのだと思った~『海辺のロミオとジュリエット』+ポストトーク

東池袋アトリエファンファーレで『海辺のロミオとジュリエット』のリーディングを見てきた。2012年に書いた戯曲だということだ。 とりあえず思ったのは、カクシンハンはここ7年ですごい成長したのだなということだ。この作品は『ロミオとジュリエット』を基…

カクシンハン『ロミオとジュリエット』+ポストトーク

東池袋アトリエファンファーレでカクシンハン『ロミオとジュリエット』を見て、ポストトークに参加してきた。2ヶ月前にギャラリー LE DECO 3でやった時と台本や役者は同じなのだが、地下の黒い部屋にはしごなどを設置したセットでかなり見た目の雰囲気が違い…

カクシンハン『ロミオとジュリエット』のアフタートークに出ます

12/10 (火)にアトリエファンファーレで行われるカクシンハン『ロミオとジュリエット』にて、アフタートークに登壇いたします。よろしくお願い申し上げます。 kakushinhan.org

『Didion』3号に寄稿しています

『Didion』3号に寄稿しています。演劇の特集で、カクシンハンとかしあわせ学級崩壊のこととかを書いております。よろしくお願いいたします。 北村紗衣「舞台、二次創作、古典」『Didion』3 (2019):109-114。 errandpress.com

春のエクステンション講座では『ジョン王』をとりあげます

春の早稲田大学中野校エクステンション講座では『ジョン王』をとりあげます。彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』にあわせてやるつもりです。おそらく、定期で行うエクステンション講座はこれが最後になると思います。 www.wuext.waseda.jp

これ、クイーン要らないよね~『Q:A Night At The Kabuki』

『Q:A Night At The Kabuki』を見てきた。野田秀樹の新作でクイーンの楽曲を全面的に使用、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の翻案でオールスターキャストということで凄い話題作である。過剰な転売対策が行われていて(客にも劇場にもえらいコスト…

8割エモ、1割シェイクスピア、1割ジェームズ・ディーン~『キング』

『キング』を見てきた。ネットフリックスが作ったヘンリー五世ものの歴史映画である。主演が今をときめくティモシー・シャラメ、オーストラリアのスターであるジョエル・エジャトンが脚本・製作・主演ということで、ネットフリックスとしてはたぶんかなり力…

ちょっとカットのやり方が…明治大学シェイクスピアプロジェクト『ローマ英雄伝』

明治大学シェイクスピアプロジェクト『ローマ英雄伝』を見てきた。『ジュリアス・シーザー』と『アントニーとクレオパトラ』を二部構成でやるというものである。 www.kisc.meiji.ac.jp 2016年の『Midsummer Nightmare』に参加したスタッフが演出しているそう…

スタントン(9)ブラックフライアーズ学会5日目

学会最終日の様子。クマとセルフィをとる時間がもうけられた。 togetter.com

スタントン(8)~ちょっとカットしすぎなQ1版『ハムレット』

ブラックフライアーズ学会の企画で、近くのメアリー・ボールドウィン大学の学生劇団であるステッドファスト・シェイクスピア・カンパニーが上演するQ1版『ハムレット』が上演された。ブラックフライアーズ劇場の本公演終了後、23時からの上演というすごく遅…

スタントン(7)ブラックフライアーズ学会4日目

ブラックフライアーズ学会4日目。この日は夜のリーディング公演でちょっと微妙なことがあったのだが、それについてはまた詳しく後で書くことにする。 togetter.com