シェイクスピア

クライマックスが大問題で頭を抱えた~タイプス『リア王』

座・高円寺でタイプス『リア王』を見てきた。オールフィメールの上演である。 オーソドックスな上演で、良いところはたくさんある。グロスターが崖から飛び降りようとするあたりのくだりなどは真に迫った描写とユーモアのバランスが良かったし、全体的に笑う…

感情の政治~NTライヴ『ジュリアス・シーザー』

NTライヴの『ジュリアス・シーザー』を見てきた。『ヤング・マルクス』に続き、新しいブリッジ・シアターでの上演を撮影したものである。演出はニコラス・ハイトナーである。 www.youtube.com とにかく面白いのは空間の使い方である。空間の使い方が非常にフ…

笑いが多いが、意外と台本の流れに忠実~宮藤官九郎演出『ロミオとジュリエット』

宮藤官九郎演出、M&Oplaysプロデュース『ロミオとジュリエット』を本多劇場で見てきた。 セットはジュリエットの家に見立てた壁で仕切られていて回転するようになっている。ブロックを大きくしたようなカラフルな箱などがそのへんに散らばっており、壁以外…

逃げ去る夜の夢~カクシンハン『ヴェニスの商人』

カクシンハン『ヴェニスの商人』を見てきた。 平らな舞台の三方を客席が囲むスタイルで、服装はだいたい現代っぽいがシャイロックだけは少々違う衣類を着ている。奥の客席がないところには小高くなった台があり、ここはシャイロックの家として使われたり、ポ…

次回早稲田エクステンションセンターの授業では『テンペスト』を扱います

次回1/21から早稲田大学中野エクステンションセンターで行われる「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア―『テンペスト』を読む」では、『テンペスト』を扱います。お気軽にご参加ください。 あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア―『テ…

ミュージカルらしい『メタルマクベス disc3』

『メタルマクベス disc 3』を見てきた。disc 1やdisc 2と基本的にはあまり変わらない印象だったのだが、主演が浦井健治と長澤まさみだったせいか、少しミュージカル風味が強いかもと思った。あと、相変わらず体力が必要でつかれるプロダクションだ…

彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会無事終了

本日、彩の国シェイクスピア講座Vol.2『ヘンリー五世』徹底勉強会の第2回「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」が無事終了しました。お越し下さった方々、どうもありがとうございます。話の内容は『ヘンリー五世』がいかに…

週末に彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会で話します

24日(土)に彩の国さいたま芸術劇場にて、彩の国シェイクスピア講座Vol.2『ヘンリー五世』徹底勉強会で話します。タイトルは「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」で、『ヘンリー五世』、とくに士気を鼓舞するスピーチがポピ…

豪華な上演~明治大学シェイクスピアプロジェクト『ヴェニスの商人』

明治大学シェイクスピアプロジェクト『ヴェニスの商人』を見てきた。 相変わらずしっかりした上演で、台詞も演技も非常にきちんとしており、笑いのツボもおさえている。中央に一箇所高くした場所を作ったセットで左側上方には生演奏のバンドを置き、ベルモン…

「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア ロマンティックコメディ『十二夜』を楽しむ」開始

本日より早稲田大学中野エクステンションセンターにて「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア ロマンティックコメディ『十二夜』を楽しむ」を開始しました。

新しい論文が出ました

新しい論文が出ました。書誌情報は以下の通りです。 Kitamura Sae, "Shakespeare for Women? Margaret Cavendish and Judith Drake on Seventeenth-century Theatre, Pleasure and Education", The Journal of the Wooden O Symposium, 16-17 (2018): 109 - …

彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会で登壇します

11月10日より、「彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会」が開催されます。第2回である11月24日(土)に、「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」という題目で講演をしますので、ふるってご参加ください…

思ったほど浦島太郎ではなかった~『うリアしまたろ王』(ネタバレあり)

山の手事情社『うリアしまたろ王』を見てきた。『リア王』+『浦島太郎』ということらしい。 ただ、基本的には『リア王』を90分強にカットするという筋で、『浦島太郎』要素はあまり多くはない。リア王(浦弘毅)が乙姫様(越谷真美)の幻影を通じて竜宮城(たぶ…

第57回シェイクスピア学会

津田塾大学で開催された第57回シェイクスピア学会に行ってきた。私が聴いたセッションは簡単にツダってまとめた。 togetter.com

歌舞伎っぽいマクベス~『メタルマクベス』disc2

『メタルマクベス』disc2を見てきた。話はdisc1と同じで、基本的に音楽が大事な芝居だという印象はそう変わらないのだが、役者が違っており、それにあわせて少しずつ演出を変えているというのはある。 尾上松也がランダムスター/マクベス役で、もともと新感…

東大生のウェブメディアUmeeTに研究を紹介する記事が掲載されました

東大生が運営するウェブメディアUmeeTの取材を受けて、自分の研究についてお話しした記事が公開されました。 todai-umeet.com だいたいはこの↓単著の内容に沿ったことです。 シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書 posted with amazlet at 18…

リズムの芝居としてのシェイクスピア~しあわせ学級崩壊『ロミオとジュリエット』

しあわせ学級崩壊『ロミオとジュリエット』を見てきた。 高田馬場の貸し音楽スタジオ、つまりふだんはバンドが稽古をしているような部屋で行われる上演である。ほぼずっと大音量でエレクトロニックダンスミュージックが流れる中、四方の壁に1人ずつ立った4人…

ルネサンスの宮廷庭園になるパルテノン多摩~劇団子供鉅人『夏の夜の夢』

パルテノン多摩で『夏の夜の夢』を見てきた。パルテノン多摩の池の周りで行われる野外上演で、劇団子供鉅人が100人でシェイクスピアをやるという企画である。 パルテノン多摩の池の周りは、正直パフォーマンススペースとしてはかなり問題のあるところだ。半…

賢いオーランドー~Kawaiプロジェクト『お気に召すまま』(ネタバレあり)

シアタートラムでKawaiプロジェクト『お気に召すまま』を見てきた。河合祥一郎新訳、演出のものである。 視覚的な雰囲気は大変なごやかでのどかな感じで、グローブ座の張り出し舞台みたいな三方を客席に囲まれた舞台があり、床はフェルメールに絵に出てくる…

この芝居における魔法は、音楽の力〜『メタルマクベス disc1』

IHIステージアラウンド東京で『メタルマクベス disc1』を見てきた。初演は見られなかったので、今回が初めてである。2218年の荒廃した東京で戦う将軍ランダムスター(橋本さとし)とその妻(濱田めぐみ)の物語が1980年代のバンドであるメタルマクベスの命運が交…

問題劇を問題なく解決する〜『ナイツ・テイルー騎士物語ー』(ネタバレあり)

『ナイツ・テイルー騎士物語ー』を見てきた。めったに上演されないシェイクスピアとジョン・フレッチャー共作のレア劇『二人の貴公子』のミュージカル化で、ジョン・ケアードが演出、主演は堂本光一と井上芳雄ということで、チケットの入手が大変だったのだが…

ユタ出張(7)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、ストレートな演出の『オセロー』

ケイト・バックリー演出『オセロー』を見てきた。 親密感のあるスタジオで、後部に金属の幾何模様の扉が設置されているだけのシンプルなセットである。この扉は幾何模様の隙間からある程度向こう側が見えるようになっているのだが、最後の場面で使われるベッ…

ユタ出張(5)ユタシェイクスピアフェスティヴァル『ヴェニスの商人』〜女優が演じるシャイロック

メリンダ・ファンドシュタイン演出『ヴェニスの商人』を見てきた。 衣装やセットなどはルネサンスふうなのだが、この演出の特徴は、メインキャストのうちかなりの数の男性役を女優が演じているということだ。タイトルロールのアントニオも、実質的にはポーシ…

ユタ出張(4)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、音楽の使い方がかなりイマイチな『ヘンリー六世第一部』

ヘンリー・ウォロニッツ演出『ヘンリー六世第一部』を見てきた。 全体的に、衣装とか小道具は中世風なのだが、音楽だけ現代のポップスを使っていて、それが全然有機的に場面に組み込まれていないので、見ていてけっこうイマイチだと思った。とくに大音量で音…

ユタ出張(3)The Wooden Oシンポジウム

ユタ・シェイクスピア・フェスティヴァルの一環として行われているThe Wooden Oシンポジウムで学会発表してきた。私のタイトルは"How Should You Perform and Watch Othello in a Country Where You Could Never Hire Black Actors?: Shakespeare and Castin…

ユタ出張(2)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、エドワーディアンな『ウィンザーの陽気な女房たち』

シーダーシティではユタシェイクスピアフェスティヴァルが行われているので、まずはポール・メイソン・バーンズ演出『ウィンザーの陽気な女房たち』を観劇した。 『ウィンザーの陽気な女房たち』はシェイクスピア喜劇としてはあまり上演しやすいほうではない…

The Wooden O Symposiumで発表します

来週からユタ州シーダーシティのユタシェイクスピアフェスティヴァルの一環として開催されるThe Wooden O Symposiumにて発表します。タイトルは"How Should You Perform and Watch Othello in a Country Where You Could Never Hire Black Actors?: Shakespe…

慈父と荒ぶる母〜カクシンハン『冬物語』

中野のウエストエンドスタジオでカクシンハン『冬物語』を見てきた。 セットは三方を客席に囲まれた空間に四角い舞台を設置し、ラップで透明な壁を作っている。このラップは序盤で破られるのだが、今回のプロダクションはラップがかなり大活躍で、デルフォイ…

NTライヴの日本における受容とSNS上のファンカルチャーに関する英語論文を刊行しました

初めてアーデン・シェイクスピアの論文集に寄稿しました。Pascale Aebischer, Susanne Greenhalgh, Laurie Osborne, ed., Shakespeare and the Live Theatre Broadcast Experience (Bloomsbury Arden, 2018)です。寄稿した論文タイトルは"The Curious Incide…

子供向けのシェイクスピアショー、Shakespearience

サウスバンクのアンダーベリーフェスティヴァルで、子供向けのシェイクスピアショーであるShakespearienceを見てきた。これはヒゲをつけた3人の役者(男性1人、女性2人)でとっかえひっかえいろんな役をやりながら、かなり簡単にした『マクベス』『ロミオとジ…