シェイクスピア

王が無能すぎるので殺さなくてもよいマクベス夫妻~『バイス』(ネタバレ注意)

アダム・マッケイ監督『バイス』を見てきた。 www.youtube.com ブッシュ政権の副大統領だったディック・チェイニーの人生を描いた政治諷刺劇である。ディック(クリスチャン・ベール)は若い頃、飲酒運転で何度も逮捕される自堕落な生活をしていたが、恋人リン…

京劇風味のシェイクスピア~中国国家話劇院『リチャード三世』

東京芸術劇場で王暁鷹演出、中国国家話劇院『リチャード三世』を見てきた。 衣装もセットも中国の時代劇風である。セットは後ろに漢字が書かれた白っぽい幕がかかったもので、この幕は人が死ぬたびにどんどん血の筋が増えていく。打楽器の生演奏もある。女優…

オールフィメールアマチュア劇団による『ディランとキャサリン』…じゃなかった『ピラマスとシスビ』~『女優たちのための冬の夜の夢』

『女優たちのための冬の夜の夢』を見てきた。キャストメンバーはTeamQueenのほうである。 www.livedog.net オールフィメールで『夏の夜の夢』を上演するため、女優たちが森で合宿していると、どうやらパック役を演じる夢子に不思議な力が働いて、森の中で『…

若い芝居、ロミオの夢~カクシンハン・スタジオ『ロミオとジュリエット』

カクシンハン・スタジオの『ロミオとジュリエット』を見てきた。生まれて初めてポストトークも頼まれたので、けっこう緊張して目を大きく見開いて見た。 kakushinhan.org 10ヶ月前に訓練を始めたばかりの初心者俳優で行う成果発表会的なところもある公演とい…

Repreに書籍紹介を書きました

表象文化論学会のニューズレターである『Repre』に、寄稿したShakespeare and the 'Live' Theatre Broadcast Experienceの書籍紹介を書きました。 www.repre.org Shakespeare and the 'Live' Theatre Broadcast Experience (Arden Shakespeare and Methuen D…

本日発売の『週刊文春』「名著のツボ」にコメントしました

前回に引き続き、本日発売『週刊文春』の「名著のツボ」でハムレットについてコメントしています。 週刊文春 2019年 2/28 号 [雑誌] posted with amazlet at 19.02.21 (2019-02-21) Amazon.co.jpで詳細を見る

いいところはたくさんあるが、あまり好みではなかった~NTライヴ『マクベス』

NTライヴ『マクベス』を見てきた。ルーファス・ノリス演出で、主演はロリー・キニアとアン=マリー・ダフである。 www.youtube.com セットは内戦で破壊された近未来の都市で、ポストアポカリプス的な混乱状態がイメージされている。ただ、とくに前半部では立…

カクシンハン『ロミオとジュリエット』ポストトークで登壇します

カクシンハン『ロミオとジュリエット』、2/23(土)、18時の公演にて、ポストトークで登壇することになりました。 カクシンハン・スタジオ修了公演『ロミオとジュリエット』アフタートーク決定!2/23土 18時の回北村紗衣(シェイクスピア研究者) × 木村龍之介(演…

『週刊文春』の「名著のツボ」にコメントしました

今週発売の『週刊文春』「名著のツボ」で『ロミオとジュリエット』についてコメントしました。次号でも『ハムレット』についてコメントする予定です。 週刊文春 2019年 2/21 号 [雑誌] posted with amazlet at 19.02.16 文藝春秋 (2019-02-14) Amazon.co.jp…

次回のエクステンション講座では『アントニーとクレオパトラ』をとりあげます

次回5/13~6/10の早稲田大学エクステンションセンター中野校でのシェイクスピア講座では、NTライヴでの上映にあわせて『アントニーとクレオパトラ』をとりあげます。全くシェイクスピアをご存じない方でも参加できますので、どなたでもお気軽にお申し込みく…

彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー五世』

彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー五世』のプログラムに記事を執筆したので、招待で行ってきた。このプロダクションについては劇評を書くかもしれないので、メモ程度にしておこうと思う。 台本のカットがとにかくひどい 初日から非難囂々になっていたことな…

文春オンラインに「「クイーン」と「シェイクスピア」の共通点から考える、何が金や人気を生むのか」を寄稿しました

文春オンラインに「「クイーン」と「シェイクスピア」の共通点から考える、何が金や人気を生むのか」を寄稿しました。クイーンとシェイクスピアを手がかりに、正典形成、受容、マーケティングについて考える記事です。正典形成プロセスについてはかなり単純…

3月6日に武蔵大学公開講座にて「読み書きするシェイクスピア女子 ―近世の舞台芸術ファン活動」というテーマで話します

3/4~3/7にかけて行われる武蔵大学第70回公開講座「英語で書かれる/読まれる世界の文学」にて、3/6に「読み書きするシェイクスピア女子 ―近世の舞台芸術ファン活動」というテーマで話します。 www.musashi.ac.jp

来週から早稲田エクステンションセンターで『テンペスト』のクラスが始まります

1/21(月)より、中野の早稲田エクステンションセンターで「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア―『テンペスト』を読む」講座が始まります。まだあきがあるようですので、お気軽にお申し込みください。 www.wuext.waseda.jp

『週刊文春WOMAN』第1号のシェイクスピア記事にコメントが掲載されました

『週刊文春WOMAN』第1号のシェイクスピア記事にコメントが掲載されました。杉村道子「シェイクスピアは超古典だ!」という記事で、シェイクスピアの女性ファンや、現在のシェイクスピア受容について少しだけコメントしております。他にも浦井建治さんとかい…

西川貴教シェイクスピアが良かった~『サムシング・ロッテン』

『サムシング・ロッテン』を見てきた。ジョン・オファレルとケイリー・カークパトリック脚本、ケイリーとウェイン・カークパトリックが作詞作曲で2015年に初演されたシェイクスピアネタのミュージカルである。日本版の演出は福田雄一だった。 舞台はエリザベ…

キャストの難しさ~鮭スペアレ『マクベス』

北千住BUoYで鮭スペアレ『マクベス』を見てきた。 いつもの鮭スペアレに比べると能の要素を減らしているのだが、これは演目が『マクベス』であることを考えると当然…というか、既に『蜘蛛巣城』でちゃんとやっているので、この期に及んでもう一度やるとした…

嫉妬深い男の勘違いを描いた笑劇~『喜劇新オセロ』

高円寺アトリエファンファーレで『喜劇新オセロ』を見てきた。これは益田太郎冠者が1906年に書いた『オセロー』の翻案で、初演は川上音ニ郎の一座によるものだったらしい。あまり上演されない芝居で、60分くらいの小品である。演出は西沢栄治で、キャストはA…

『ヘンリー五世』徹底勉強会の講演レポートが出ました

先日彩の国さいたま芸術劇場で実施した講演「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」のレポートが公開されました。 【レポート】彩の国シェイクスピア講座Vol.2「『ヘンリー五世』徹底勉強会」 第2回「知らないようで慣れ親し…

クライマックスが大問題で頭を抱えた~タイプス『リア王』

座・高円寺でタイプス『リア王』を見てきた。オールフィメールの上演である。 オーソドックスな上演で、良いところはたくさんある。グロスターが崖から飛び降りようとするあたりのくだりなどは真に迫った描写とユーモアのバランスが良かったし、全体的に笑う…

感情の政治~NTライヴ『ジュリアス・シーザー』

NTライヴの『ジュリアス・シーザー』を見てきた。『ヤング・マルクス』に続き、新しいブリッジ・シアターでの上演を撮影したものである。演出はニコラス・ハイトナーである。 www.youtube.com とにかく面白いのは空間の使い方である。空間の使い方が非常にフ…

笑いが多いが、意外と台本の流れに忠実~宮藤官九郎演出『ロミオとジュリエット』

宮藤官九郎演出、M&Oplaysプロデュース『ロミオとジュリエット』を本多劇場で見てきた。 セットはジュリエットの家に見立てた壁で仕切られていて回転するようになっている。ブロックを大きくしたようなカラフルな箱などがそのへんに散らばっており、壁以外…

逃げ去る夜の夢~カクシンハン『ヴェニスの商人』

カクシンハン『ヴェニスの商人』を見てきた。 平らな舞台の三方を客席が囲むスタイルで、服装はだいたい現代っぽいがシャイロックだけは少々違う衣類を着ている。奥の客席がないところには小高くなった台があり、ここはシャイロックの家として使われたり、ポ…

次回早稲田エクステンションセンターの授業では『テンペスト』を扱います

次回1/21から早稲田大学中野エクステンションセンターで行われる「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア―『テンペスト』を読む」では、『テンペスト』を扱います。お気軽にご参加ください。 あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア―『テ…

ミュージカルらしい『メタルマクベス disc3』

『メタルマクベス disc 3』を見てきた。disc 1やdisc 2と基本的にはあまり変わらない印象だったのだが、主演が浦井健治と長澤まさみだったせいか、少しミュージカル風味が強いかもと思った。あと、相変わらず体力が必要でつかれるプロダクションだ…

彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会無事終了

本日、彩の国シェイクスピア講座Vol.2『ヘンリー五世』徹底勉強会の第2回「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」が無事終了しました。お越し下さった方々、どうもありがとうございます。話の内容は『ヘンリー五世』がいかに…

週末に彩の国シェイクスピア講座Vol.2 『ヘンリー五世』徹底勉強会で話します

24日(土)に彩の国さいたま芸術劇場にて、彩の国シェイクスピア講座Vol.2『ヘンリー五世』徹底勉強会で話します。タイトルは「知らないようで慣れ親しんでいる『ヘンリー五世』の世界~影響と受容」で、『ヘンリー五世』、とくに士気を鼓舞するスピーチがポピ…

豪華な上演~明治大学シェイクスピアプロジェクト『ヴェニスの商人』

明治大学シェイクスピアプロジェクト『ヴェニスの商人』を見てきた。 相変わらずしっかりした上演で、台詞も演技も非常にきちんとしており、笑いのツボもおさえている。中央に一箇所高くした場所を作ったセットで左側上方には生演奏のバンドを置き、ベルモン…

「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア ロマンティックコメディ『十二夜』を楽しむ」開始

本日より早稲田大学中野エクステンションセンターにて「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア ロマンティックコメディ『十二夜』を楽しむ」を開始しました。

新しい論文が出ました

新しい論文が出ました。書誌情報は以下の通りです。 Kitamura Sae, "Shakespeare for Women? Margaret Cavendish and Judith Drake on Seventeenth-century Theatre, Pleasure and Education", The Journal of the Wooden O Symposium, 16-17 (2018): 109 - …