シェイクスピア

第57回シェイクスピア学会

津田塾大学で開催された第57回シェイクスピア学会に行ってきた。私が聴いたセッションは簡単にツダってまとめた。 togetter.com

歌舞伎っぽいマクベス~『メタルマクベス』disc2

『メタルマクベス』disc2を見てきた。話はdisc1と同じで、基本的に音楽が大事な芝居だという印象はそう変わらないのだが、役者が違っており、それにあわせて少しずつ演出を変えているというのはある。 尾上松也がランダムスター/マクベス役で、もともと新感…

東大生のウェブメディアUmeeTに研究を紹介する記事が掲載されました

東大生が運営するウェブメディアUmeeTの取材を受けて、自分の研究についてお話しした記事が公開されました。 todai-umeet.com だいたいはこの↓単著の内容に沿ったことです。 シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書 posted with amazlet at 18…

リズムの芝居としてのシェイクスピア~しあわせ学級崩壊『ロミオとジュリエット』

しあわせ学級崩壊『ロミオとジュリエット』を見てきた。 高田馬場の貸し音楽スタジオ、つまりふだんはバンドが稽古をしているような部屋で行われる上演である。ほぼずっと大音量でエレクトロニックダンスミュージックが流れる中、四方の壁に1人ずつ立った4人…

ルネサンスの宮廷庭園になるパルテノン多摩~劇団子供鉅人『夏の夜の夢』

パルテノン多摩で『夏の夜の夢』を見てきた。パルテノン多摩の池の周りで行われる野外上演で、劇団子供鉅人が100人でシェイクスピアをやるという企画である。 パルテノン多摩の池の周りは、正直パフォーマンススペースとしてはかなり問題のあるところだ。半…

賢いオーランドー~Kawaiプロジェクト『お気に召すまま』(ネタバレあり)

シアタートラムでKawaiプロジェクト『お気に召すまま』を見てきた。河合祥一郎新訳、演出のものである。 視覚的な雰囲気は大変なごやかでのどかな感じで、グローブ座の張り出し舞台みたいな三方を客席に囲まれた舞台があり、床はフェルメールに絵に出てくる…

この芝居における魔法は、音楽の力〜『メタルマクベス disc1』

IHIステージアラウンド東京で『メタルマクベス disc1』を見てきた。初演は見られなかったので、今回が初めてである。2218年の荒廃した東京で戦う将軍ランダムスター(橋本さとし)とその妻(濱田めぐみ)の物語が1980年代のバンドであるメタルマクベスの命運が交…

問題劇を問題なく解決する〜『ナイツ・テイルー騎士物語ー』(ネタバレあり)

『ナイツ・テイルー騎士物語ー』を見てきた。めったに上演されないシェイクスピアとジョン・フレッチャー共作のレア劇『二人の貴公子』のミュージカル化で、ジョン・ケアードが演出、主演は堂本光一と井上芳雄ということで、チケットの入手が大変だったのだが…

ユタ出張(7)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、ストレートな演出の『オセロー』

ケイト・バックリー演出『オセロー』を見てきた。 親密感のあるスタジオで、後部に金属の幾何模様の扉が設置されているだけのシンプルなセットである。この扉は幾何模様の隙間からある程度向こう側が見えるようになっているのだが、最後の場面で使われるベッ…

ユタ出張(5)ユタシェイクスピアフェスティヴァル『ヴェニスの商人』〜女優が演じるシャイロック

メリンダ・ファンドシュタイン演出『ヴェニスの商人』を見てきた。 衣装やセットなどはルネサンスふうなのだが、この演出の特徴は、メインキャストのうちかなりの数の男性役を女優が演じているということだ。タイトルロールのアントニオも、実質的にはポーシ…

ユタ出張(4)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、音楽の使い方がかなりイマイチな『ヘンリー六世第一部』

ヘンリー・ウォロニッツ演出『ヘンリー六世第一部』を見てきた。 全体的に、衣装とか小道具は中世風なのだが、音楽だけ現代のポップスを使っていて、それが全然有機的に場面に組み込まれていないので、見ていてけっこうイマイチだと思った。とくに大音量で音…

ユタ出張(3)The Wooden Oシンポジウム

ユタ・シェイクスピア・フェスティヴァルの一環として行われているThe Wooden Oシンポジウムで学会発表してきた。私のタイトルは"How Should You Perform and Watch Othello in a Country Where You Could Never Hire Black Actors?: Shakespeare and Castin…

ユタ出張(2)ユタシェイクスピアフェスティヴァル、エドワーディアンな『ウィンザーの陽気な女房たち』

シーダーシティではユタシェイクスピアフェスティヴァルが行われているので、まずはポール・メイソン・バーンズ演出『ウィンザーの陽気な女房たち』を観劇した。 『ウィンザーの陽気な女房たち』はシェイクスピア喜劇としてはあまり上演しやすいほうではない…

The Wooden O Symposiumで発表します

来週からユタ州シーダーシティのユタシェイクスピアフェスティヴァルの一環として開催されるThe Wooden O Symposiumにて発表します。タイトルは"How Should You Perform and Watch Othello in a Country Where You Could Never Hire Black Actors?: Shakespe…

慈父と荒ぶる母〜カクシンハン『冬物語』

中野のウエストエンドスタジオでカクシンハン『冬物語』を見てきた。 セットは三方を客席に囲まれた空間に四角い舞台を設置し、ラップで透明な壁を作っている。このラップは序盤で破られるのだが、今回のプロダクションはラップがかなり大活躍で、デルフォイ…

NTライヴの日本における受容とSNS上のファンカルチャーに関する英語論文を刊行しました

初めてアーデン・シェイクスピアの論文集に寄稿しました。Pascale Aebischer, Susanne Greenhalgh, Laurie Osborne, ed., Shakespeare and the Live Theatre Broadcast Experience (Bloomsbury Arden, 2018)です。寄稿した論文タイトルは"The Curious Incide…

子供向けのシェイクスピアショー、Shakespearience

サウスバンクのアンダーベリーフェスティヴァルで、子供向けのシェイクスピアショーであるShakespearienceを見てきた。これはヒゲをつけた3人の役者(男性1人、女性2人)でとっかえひっかえいろんな役をやりながら、かなり簡単にした『マクベス』『ロミオとジ…

最後の演出がすごい〜『ウィルを待ちながら〜歯もなく目もなく何もなし〜』(ネタバレあり)

Kawai Projectによる新作『ウィルを待ちながら〜歯もなく目もなく何もなし』をこまばアゴラ劇場で見てきた。 ウィリアム・シェイクスピアがスランプに陥って『歯もなく目もなく何もなし』という芝居を書いていたところ、リチャード・バーベッジがせかしに来…

マーロウ大活躍!〜自由劇場『恋におちたシェイクスピア』

自由劇場で劇団四季『恋におちたシェイクスピア』を見てきた。言わずと知れた映画版の舞台化である。去年の『シェイクスピア物語〜真実の愛』とは関係ないらしい。 正直、映画より良かったと思う。けっこう大規模な階層のある劇場のセットが周りを囲み、真ん…

ちょっと撮り方が好みじゃなかった〜英国ロイヤル・オペラ・ハウス『マクベス』

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン『マクベス』を見てきた。演出はフィリダ・ロイドである。ヴェルディのオペラ版を見るのは初めてだった。 マクベス夫人(アンナ・ネトレプコ)や、フリーダ・カーロのようにつながった眉のメイクで出てくる大勢の魔…

鋭く人種差別に切り込んでいるが、ジェンダーはイマイチ〜『アイヌ オセロ』

シェイクスピア・カンパニーの『アイヌ オセロ』を学生を引率して見に行ってきた。1月に仙台で公演があり、そこまで行って見てこようと思うくらい行きたかった上演なのだが週末出勤のせいで果たせず、今回やっと東京公演で見に行けた。 日本の芝居とは思えな…

早稲田大学の中野エクステンションセンターのシェイクスピア入門講座第三弾

早稲田大学の中野エクステンションセンターでやっている「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア」講座第三弾として「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア ミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』原作『二人の貴公子』を読む」を7/…

すごく時代考証のしっかりした時代もの〜『薔薇と白鳥』(ネタバレあり)

東京グローブ座でG2作・演出『薔薇と白鳥』を見てきた。「薔薇」ことクリストファー・マーロウ(八乙女光)と「白鳥」ウィリアム・シェイクスピア(髙木雄也)の友情を描く作品である。 舞台装置はかなり大がかりで、けっこう高い位置に設置されており、さらに階…

「声に出してシェイクスピア特別篇「歴史劇の現場から2」―新国立劇場の『ヘンリー五世』をめぐって―」が無事終了しました

東京工業大学でのイベント「声に出してシェイクスピア特別篇「歴史劇の現場から2」―新国立劇場の『ヘンリー五世』をめぐって―」が終了しました。お越し下さった方々、ありがとうございました。他の登壇者の方々のお話も面白く、たいへん有意義なイベントでし…

音楽的な上演〜ITCL『ロミオとジュリエット』

獨協大学でインターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン『ロミオとジュリエット』を見てきた。毎年来日している劇団で、最小限の道具しか使わず、少人数で1人がいろいろな役をやりながらシェイクスピアを上演するのが特徴である。英語の上演で、字幕…

剥き出しの戦争劇〜新国立劇場『ヘンリー五世』(ネタバレあり)

新国立劇場で鵜山仁演出『ヘンリー五世』を見てきた。1年半前に上演された『ヘンリー四世』二部作の続きで、浦井健治を王子から王となったヘンリー役に据えた上演である。美術コンセプトも前回を引き継いでおり、左右に木の骨組みを配置したセットだ。左の舞…

5月28日に東工大で『ヘンリー五世』のイベントに登壇します

5月28日に東工大で開かれる『ヘンリー五世』のイベントに登壇します。「声に出してシェイクスピア特別篇「歴史劇の現場から2」―新国立劇場の『ヘンリー五世』をめぐって―」というタイトルで、俳優の下総源太朗さんと、新国立劇場で制作をつとめている三崎力…

動き出す彫像〜ロイヤル・バレエ『冬物語』

TOHOシネマズ日本橋でロイヤル・バレエ『冬物語』の上映を見てきた。シェイクスピアの『冬物語』をクリストファー・ウィールドン振付、ジョビー・タルボット作曲でバレエ化した作品である。 バレエに詳しくないのであまり綿密な評価はできないのだが、セット…

横断歩道の上の、父上の幻影〜カクシンハン『ハムレット』

シアターグリーンでカクシンハン『ハムレット』を見てきた。 既に2014年にカクシンハンの『ハムレット』を一度別の演出で見て、それについて雑誌に劇評を書いているのだが、今回は全く違った演出だった。前回は親密感のあるSPACE雑遊のセットを生かした非常…

早稲田大学の中野エクステンションセンターのシェイクスピア入門講座第二弾

1月から早稲田大学の中野エクステンションセンターで「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア」という講座をやっていますが、第二弾として「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア 新国立劇場『ヘンリー五世』上演の楽しみ方入門」を5/7…