アメリカ文学

シアターコクーン『るつぼ』〜歴史的には重要だが、戯曲自体が古くなっていると思う

シアターコクーンでアーサー・ミラーの『るつぼ』を見てきた。演出はジョナサン・マンビィである。言わずと知れた有名作で、1953年に初演された赤狩り批判の芝居だ。 舞台は17世紀末、マサチューセッツにあるピューリタン的な村セイラムである。主人公である…

グロテスクとユーモア〜『エンジェルス・イン・アメリカ』

トニー・クシュナー『エンジェルス・イン・アメリカ』を両国のblack Aで見てきた。tptによる上演で、門井均演出、第一部・第二部に分かれていて全部で6時間弱くらいある。初演は1990-1993年だが、第二部「ペレストロイカ」は2013年に改訂されており、これは…

父の抑圧とギリシア悲劇〜NTライヴ『橋からの眺め』(ネタバレと字幕解釈あり)

NTライヴで『橋からの眺め』を見てきた。アーサー・ミラーが1950年代に書いた芝居で、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出、マーク・ストロング主演である。 舞台は50年代のブルックリンの波止場の近くに住んでいるシチリア系の一家。家長で波止場の労働者であるエ…

モラハラ男と不安な女〜『スコット&ゼルダ』

銀河劇場で『スコット&ゼルダ』を見てきた。フランク・ワイルドホーン作曲のミュージカルで、スコット・フィッツジェラルドとゼルダ・セイヤーの人生を描いた作品である。もとのアメリカ版とはかなり演出を変えているそうだ。 話は精神病院に入院しているゼ…

これはクィアな悲劇か?〜ナショナル・シアター・ライブ『二十日鼠と人間』

ナショナル・シアター・ライブ『二十日鼠と人間』を吉祥寺オデオンで出てきた。なぜかブロードウェイで上演された作品である。主演は今をときめくクリス・オダウドとジェームズ・フランコ、演出はアンナ・D・シャピロで、スタインベックが自分の小説を戯曲化…

ニューオーリンズ(5)テネシー・ウィリアムズ・ニューオーリンズ文学祭ウォーキングツアー

テネシーまつりの二日目はまずフレンチ・クォーターのリテラリー・ウォーキング・ツアーに参加した。ガイドさんの案内で、テネシーゆかりの家を回る。 テネシーお気に入りだったホテル。 ネコホテルである。 テネシーと彼氏のパンチョが住んでいた家。パンチ…

ニューオーリンズ(6)『トルーマン、テネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)

テネシーまつりの最後の観劇は『トルーマン、テネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)。トルーマン・カポーティが友人だったテネシーの話を中心に、自分の人生や交友を語るという作品である。ジョエル・ヴィグという役者さんが作った一人芝居なのだが、本…

ニューオーリンズ(4)テネシー・ウィリアムズ『日曜日は暗くなるまで着替えない』リーディング公演

三つ目の上演として、テネシー・ウィリアムズの『日曜日は暗くなるまで着替えない』(I Never Get Dressed Till after Dark on Sundays)のリーディング公演を見た。この作品は『古い街』(Vieux Carré)のもとになった作品だそうだが、かなり実験的な短編で(上…

日本からアメリカへ旅する本たち〜『書物の日米関係―リテラシー史に向けて』

和田敦彦『書物の日米関係―リテラシー史に向けて』(新曜社、2007)を読んだ。書物の日米関係―リテラシー史に向けてposted with amazlet at 14.03.09和田 敦彦 新曜社 売り上げランキング: 908,375Amazon.co.jpで詳細を見る 戦前から戦後くらいまで、日本から…

トニ・モリスンが脚本を書いた『オセロー』の翻案音楽劇『デズデモーナ』(バービカン)〜とても力のある作品だが、死後の世界とかいらない

バービカンでトニ・モリスンが脚本を書き、ロキア・トラオレが音楽を作った『オセロー』の翻案音楽劇『デズデモーナ』を見てきた。 ほとんど一人芝居に近いもので、役がふられているのはデズデモーナ役(たまにオセローやエミリアも自分でやったりする)の白人…