マクドナー

すごく頑張っているが、もっと笑えてもよいと思う~俳優座劇場『ピローマン』

俳優座劇場でマイケル・マクドナーの『ピローマン』を見た。小川絵梨子による翻訳を用い、寺十吾演出で、演劇集団円によるものである。本来は去年上演予定で楽しみにしていたのだが、延期されてやっとこのたび上演となった。この作品は台本は読んだことがあ…

緑の島に、血まみれの赤黒い笑い〜『ウィー・トーマス』(ネタバレあり)

ドイツ出張後、週末だけロンドンに行ってノエル・カワード劇場でマイケル・グランデージ演出、エイダン・ターナー主演で、マーティン・マクドナーの『ウィー・トーマス』を見てきた。舞台で見るのは初めてである。 舞台は1993年のアイルランド、イニシュモア…

世田谷パブリックシアター『ハングマン』2回目

世田谷パブリックシアターで『ハングマン』2回目を見てきた。ちょっと親密感のある劇場になり、笑うところが増えたように思う。お客さんも埼玉よりリラックスしていたというか、隣の人につられて笑うようなことが多い感じだった。

最後の最後にフツーの人が来る〜『ハングマン』(ネタバレあり)

マーティン・マクドナーの『ハングマン』日本語初演初日に行ってきた。長塚圭史演出、小川絵梨子翻訳で、既にNTライヴで英語版は見ている。プログラムに私が書いた原稿がのっており、招待で初めて初日乾杯というものにも参加したので緊張した。 詳しいあらす…

演出は良かったが、台本はマクドナーとしては若書きっぽい〜『The Beauty Queen of Leenane』(ネタバレあり)

マーティン・マクドナー『The Beauty Queen of Leenane』をシアター風姿花伝で見てきた。演出・翻訳は小川絵梨子がつとめている。コネマラ三部作のひとつで、戯曲じたいは昔読んだことがあったが見るのは今回が初めてだった(けっこう前に読んだので戯曲の内…

ブラックユーモアあふれるパブ劇〜NTライブ『ハングメン』

ナショナル・シアター・ライヴ『ハングメン』を見てきた。マーティン・マクドナーの芝居で、マシュー・ダンスターが演出を担当している。ロイヤル・コート劇場で初演された後、ウィンダム劇場に移った。 絞首刑が廃止されることになった60年代はじめ、イギリ…

もう少し田舎くさいほうが…『イニシュマン島のビリー』(ネタバレあり)

マーティン・マクドナー作、森新太郎演出の『イニシュマン島のビリー』を見てきた。この作品はダブリンでドルイドカンパニーの上演を見たことがある(ダニエル・ラドクリフ版は見ていない)。 1930年代はじめのアイルランド、ロバート・フラハティ監督がドキュ…

バラバラの肉体を取り戻す〜マーティン・マクドナー『スポケーンの左手』(ネタバレあり)

シアタートラムでマーティン・マクドナーの戯曲『スポケーンの左手』を見てきた。2010年に初演された作品を日本語にし、小川絵梨子演出で上演している。小川絵梨子は既に何度かマクドナーの作品を演出したことがあり、かなりこなれていると思う。 舞台はあん…

にせカップルの末路〜『ロンサム・ウェスト』(ネタバレあり)

新国立劇場でマーティン・マクドナー作、堤真一・瑛太主演の『ロンサム・ウェスト』を見てきた。これ、戯曲読んだことがあるつもりだったのだが、見に行ったらなんか別の戯曲と勘違いしてたっぽく、原作未読。 お話はアイルランドの西の田舎、リーナンを舞台…