オペラ

どうしてバイロンがこうなった…?~ハインリヒ・マルシュナー『吸血鬼』

ハインリヒ・マルシュナー『吸血鬼』を配信で見た。ジョン・ポリドリの『吸血鬼』が原作のオペラである。ハノーファー国立歌劇場が3月25日に上演したもので、Ersan Mondtag演出、Stephan Zilias指揮によるものである。 www.youtube.com 全体的に音楽はロマン…

諷刺は辛辣だが、台本はイマイチか~国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ユートピア有限会社』(配信)

国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭による『ユートピア有限会社』を配信で見た。ジェフ・クラークの演出である。これはギルバート・アンド・サリヴァンの演目でもほとんど上演されないもので、国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭でも上演されるのは2回…

妖精おじちゃま万歳~国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『アイオランシ』(配信)

国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭の配信で『アイオランシ』を見た。John Savournin演出のプロダクションで、初めて見る演目である。 妖精アイオランシ(メリエル・カニンガム)は人間の男と結婚したかどで妖精の国を追われ、夫とは関係を断ってひとりで…

共和制と君主の横暴の両方をからかうハチャメチャ喜劇~国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ゴンドラの船頭たち』(配信)

国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ゴンドラの船頭たち』を見た。レイチェル・ミドル演出、Forbear! Theatreによる上演である。2022年8月1日の上演である。この演目は一度、以前にハロゲイトの国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭で観劇したことがあ…

やっぱり日本の衣装でやるのはねぇ…国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ミカド』

バクストンで実施された国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭の配信でピークオペラの『ミカド』を見た。ピークオペラはバクストンで実施されるこのフェスのために作られた劇団らしい。2022年8月2日の上演である。 オーソドックスな演出なのだが、やはり今の…

音楽は魅力的だが、演出がイマイチ~オペラノース『アルチーナ』(配信)

ヘンデルの『アルチーナ』を配信で見た。ティム・オールビー演出、ローレンス・カミングズ指揮で、オペラノースにより2月17日に上演・録画されたプロダクションである。『狂えるオルランド』が原作の作品である。 www.youtube.com 魔女アルチーナ(モイラ・…

かなりダークな上演~ハノーファー州立オペラ『フィガロの結婚』(配信)

ハノーファー州立オペラ『フィガロの結婚』を配信で見た。1月20日に撮影されたものである。演出はリディア・シュタイア、指揮はジュリオ・シローナである。 www.youtube.com 全体的にかなりダークな演出である。まず、最初があの有名な序曲ではなく、一度ロ…

マスクの活用~パルマ王立歌劇場『マハゴニー市の興亡』(配信)

パルマ王立歌劇場で上演された『マハゴニー市の興亡』を配信で見た。ブレヒト台本、クルト・ヴァイル作曲のオペラである。へニング・ブロックハウス演出、クリストファー・フランクリン指揮で4月30日に上演されたものの映像である。 www.youtube.com 第一次…

全然面白くなかった…新国立『ペレアスとメリザンド』

新国立で『ペレアスとメリザンド』を見てきた。メーテルランクの戯曲の基づくドビュッシーのオペラで、ケイティ・ミッチェル演出によるものである。この演目は初めて見た。森で泣いていたところを発見され、発見者であるゴロー(ロラン・ナウリ)の妻となっ…

全体的には楽しめたが、衣装デザインが少し不満~新国立劇場『ばらの騎士』

新国立劇場で『ばらの騎士』を見てきた。サッシャ・ゲッツェル指揮、ジョナサン・ミラー演出のものである。 www.nntt.jac.go.jp 遠近法を強調したセットで、第一幕と第二幕は右側に通路があって出入りできるような感じになっている(なお、遠近法を使ってち…

広間の後ろのオリエンタルな絵柄はいったい…モデナ市立歌劇場『チェネレントラ』(配信)

『チェネレントラ』をオペラストリーミングの配信で見た。2020年12月30日にモデナ市立歌劇場で録画されたものである。アルド・シシロ指揮、ニコラ・ベルロファ演出・衣装による公演である。 www.youtube.com 年末の上演ということで、温かみのある感じにまと…

バレエが入る珍しい上演~『オテロ』(配信)

アーリドラーテ歌劇団『オテロ』を配信で見た。新国立劇場での上演を記録したものである。指揮は山島達夫、演出は木澤譲である。 musica-celeste.zaiko.io 舞台奥から前まで真ん中に白い長方形の絨毯が敷かれており、ソーシャルディスタンスのこともあって舞…

お洒落なセットのゴージャスな上演~ガーシントンオペラ『薔薇の騎士』(配信)

ガーシントンオペラ『薔薇の騎士』を配信で見た。2021年10月30日の上演である。ジョーダン・デ・スーザ指揮、ブルーノ・ラヴェラ演出によるものである。 www.youtube.com 全体的にセットがものすごくお洒落である。全体にわたってセットは大きなうねる葉っぱ…

ツボを押さえた楽しい小品~ピアチェンツァ劇場『ジャンニ・スキッキ』(配信)

ピアチェンツァ劇場『ジャンニ・スキッキ』を配信で見た。2021年1月22日に上演されたものである。指揮はマッシミリアーノ・ステファネッリ、演出がレナート・ボナジュトである。最初にダンテの朗読がついている。 www.youtube.com 『ジャンニ・スキッキ』は…

あまり好みでなかった~『Super Angels スーパーエンジェル』(配信)

新国立の配信で『Super Angels スーパーエンジェル』を見た。島田雅彦台本、渋谷慶一郎作曲、大野和士指揮、小川絵梨子演出監修で、バレエまであるかなり大がかりなオペラである。大人の歌手やダンサー、アンドロイドのオルタ3のほか、手話を含めた子どもコ…

秘密がたくさんある舞台~日生劇場『こうもり』

日生劇場で『こうもり』を見てきた。川瀬賢太郎指揮、アンドレアス・ホモキ演出のものである。『こうもり』は既に一度、生の舞台で見たことがあるのだが、わりと風変わりな演出でやや咀嚼しにくかったところもあったので、今回はもう少しオーソドックスな演…

面白かったが、映画の枠は一切、要らない~『チェネレントラ』

新国立劇場で『チェネレントラ』を見てきた。ロッシーニのオペラで、内容は『シンデレラ』である。配信でずいぶん何回も見たがライヴでは初めて見た。演出は粟國淳、指揮は城谷正博である。 www.nntt.jac.go.jp 歌は良く、とくにヒロインのアンジェリーナ(…

イマーシヴ舞台っぽい演出~バーミンガムオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』

バーミンガムオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を見た。指揮がアルペシュ・チャウハン、演出がグレアム・ヴィックによるものである。2019年のプロダクションで、バーミンガムオペラの50周年記念公演だそうだ。 www.youtube.com このオペラはあまり得意…

統一感のある上演~イングリッシュ・ツアーリング・オペラ『ダイドーとイニーアス』(配信)

イングリッシュ・ツアーリング・オペラ『ダイドーとイニーアス』を配信で見た。2018年のハックニーエンパイアでの上演を撮影したものである。ジョナサン・ケニー指揮、セブ・ハークームの演出によるものである。 右側に傾いた暖炉のあるセットは今年の初めに…

ツボを押さえた笑える上演~二期会『ファルスタッフ』

二期会『ファルスタッフ』を見てきた。レオナルド・シーニ指揮、演出・衣裳が ロラン・ペリーによる上演である。これまた初日が新型コロナウイルスのせいで中止になって上演できるのか…と思っていたが、無事行われた。 舞台設定は20世紀(1960-70年代くらい…

とても現代的な演出~新国立劇場『カルメン』

新国立劇場で『カルメン』を見てきた。アレックス・オリエ演出、大野和士指揮によるものである。一部公演が中止になったので心配していたが、無事上演された。 www.nntt.jac.go.jp 完全に現代的な翻案で、セットは金属のパイプの枠組、カルメン(ステファニ…

シンプルな学生舞台~ロイヤル・アカデミー・オペラ『ダイドーとイニーアス』(配信)

ロイヤル・アカデミー・オペラによるパーセルの『ダイドーとイニーアス』配信を見た。 www.youtube.com こちらはロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックの上演ということで、スタッフと学生が作った舞台である。そのため、歌はわりと良いのだが、舞台装置…

博物館のセットは…?バイエルン国立歌劇場『リア王』(配信)

バイエルン国立歌劇場の『リア王』を配信で見た。2021年5月30日に撮影したもので、クラウス・H・ヘンネベルク台本、アリベルト・ライマン作曲で1978年に初演された作品である。ユッカ=ペッカ・サラステが指揮、クリストフ・マルターラーが演出をつとめてい…

カットしすぎでは?~ドイツ・オペラ・アム・ライン『ロメオとユリア』(配信)

ドイツ・オペラ・アム・ラインのボリス・ブラッハーによるオペラ『ロミオとジュリエット』を配信で見た。そういう作品があること自体全く知らなかったのだが、ブラッハーはバルト・ドイツ人の作曲家で、これは1943年の作品だということだ。今年の3月19日の上…

笑えてまとまりのある上演~チューリヒ歌劇場『セメレ』(配信)

チューリヒ歌劇場の配信でヘンデル『セメレ』を見た。2007年の上演映像で、ロバート・カーセン演出のものである。字幕などはない。 www.opernhaus.ch 『セメレ』は今年の初めにコーミッシュ・オーパー・ベルリンの配信を見たのだが、それに比べると全体的に…

西部劇に複雑な音楽~メトロポリタンオペラ『西部の娘』(配信)

メトロポリタンオペラの配信で『西部の娘』を見た。2018年の上演で、マルコ・アルミリアート指揮、ジャンカルロ・デル・モナコ演出のものである。プッチーニの作品だが、話は19世紀半ばの西部を舞台に酒場の女主人であるミニー(エヴァ=マリア・ヴェストブ…

50年代頃のイタリアが舞台の楽しいプロダクション~ウィーン国立歌劇場『チェネレントラ』(配信)

ウィーン国立歌劇場の『チェネレントラ』を配信で見た。スヴェン=エリク・べヒトルフ演出、ジャン=クリストフ・スピノジ指揮で、2018年2月22日に上演されたものである。 舞台は「サン・ソーニョ」というヨーロッパの小国らしいのだが、50年代くらいのイタ…

キャラが立った楽しい上演~ウィーン国立歌劇場『フィガロの結婚』(配信)

ウィーン国立歌劇場による『フィガロの結婚』の配信を見た。2021年2月4日に無観客で上演されたばかりの公演の録画らしい。指揮者はフィリップ・ジョルダンで、演出はジャン=ピエール・ポネルによるものである。 以前に配信でポネルの『チェネレントラ』を見…

やや演出に疑問~ウィーン国立歌劇場『皇帝ティートの慈悲』(配信)

ウィーン国立歌劇場の配信でモーツァルトのオペラ『皇帝ティートの慈悲』を見た。2016年4月4日の上演を録画したものである。演出家はユルゲン・フリム、指揮者はアダム・フィッシャーである。 ローマの皇帝ティートをめぐるいざこざを描いた作品である。ティ…

モーツァルトの音楽を使った抱腹絶倒のCovidコメディオペラ~フィンランド国立オペラ、Covid Fan Tutte(配信)

フィンランド国立オペラによるCovid Fan Tutteを配信で見た。2020年8月に初演された『コジ・ファン・トゥッテ』の翻案で、音楽は少しだけワーグナーなどが使われている以外はほぼモーツァルトである。指揮者のエサ=ペッカ・サロネンと、有名なワーグナーソ…