同じ部屋を2人に貸して…国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『コックスとボックス』(配信)

 国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭の配信で『コックスとボックス』(Cox & Box)を見た。1幕物でサリヴァン作曲の作品だが、台本はF・C・バーナンドによるものである。ノースウェストプロダクションズによる1幕物3本立てのうちのひとつで、演出はロバート・ベケット音楽監督はデヴィッド・グールデンである。

 元軍人のバウンサー(ブルース・グレアム)が、生活時間が正反対である帽子職人のコックス(サム・スノーデン)と印刷屋のボックス(ラッセル・ペインター)に同じ部屋を貸し、その結果2人がモメるという話である。鉢合わせした2人はケンカになるが、両方が同じ女性に求婚していたことが発覚する…ものの、これは無事2人ともフラれる。さらに生き別れの兄弟だったこともわかって大団円となる。

 バカみたいな強引な話だが、笑えるところはけっこうある。サヴォイオペラ同様、展開はメチャクチャである。台本はギルバートのものに比べるとちょっと粗野な感じはする。