集英社ウェブサイトに『女性差別はどう作られてきたか』の書評を書きました

 集英社ウェブサイトに『女性差別はどう作られてきたか』の書評を書きました。

北村紗衣「[書評]男性は女性をどう見なしてきたのか?ー『女性差別はどう作られてきたか』 中村敏子著」集英社新書プラスウェブサイト、2021年3月4日。

shinsho-plus.shueisha.co.jp

 

女性差別はどう作られてきたか (集英社新書)

女性差別はどう作られてきたか (集英社新書)

  • 作者:中村 敏子
  • 発売日: 2021/01/15
  • メディア: 新書
 

 

wezzyに『コンヴァージェンス・カルチャー』の訳者鼎談記事がのりました

 連載が2回お休みのかわりに、wezzyに『コンヴァージェンス・カルチャー』の訳者鼎談記事が載りました。皆様よろしくお願い申し上げます。

wezz-y.com

『波』3月号に『処女の道程』の書評を寄稿しました

 新潮社の『波』3月号に酒井順子『処女の道程』の書評を寄稿しました。書誌情報は以下のとおりです。

北村紗衣「[書評]昔から、処女であり続けることに価値は全くなかったー酒井順子『処女の道程』」『波』2021年3月号、pp. 22-23。

 

波 2020年 03 月号 [雑誌]

波 2020年 03 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: 雑誌
 

 

処女の道程

処女の道程

  • 作者:酒井 順子
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: 単行本
 

 

『赤毛の文化史』に帯の推薦文を書きました

 ジャッキー・コリス・ハーヴィー『赤毛の文化史:マグダラのマリア赤毛のアンからカンバーバッチまで』(北田絵里子訳、原書房、2021)に帯の推薦文を書きました。

 

 

死ぬならいいのか?~『ベイビーティース』(ネタバレあり)

 『ベイビーティース』を見てきた。

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 シドニーに住む16歳のミラ(イライザ・スキャンレン)がヒロインである。ミラはガンを抱えて闘病しているが、ひょんなことから年上のワイルドな不良少年モーゼス(トビー・ウォレス)に出会う。両親の反対にもかかわらずモーゼスに惹かれるミラだったが、病状はどんどん悪化していく。

 世間では「単なる難病ものではない」という触れ込みなのだが、個人的な好みとして全く面白いと思えなかった。まあたしかにふつうの難病映画とはわりとアプローチが違うのだが、正直なところ、私には『きっと、星のせいじゃない』とかとたいした違いがあるようには思えない。というのも、ミラが惹かれるモーゼスは20歳を過ぎていて、ドラッグやってるし、ミラの家からいろんなものを盗もうとするなど、まあとにかく無責任でワイルドで魅力的である。我々(といってもたぶん全世界で推定10人くらいしかいないと思うが)はこういう無責任でワイルドで抗いがたく魅力的な男性に人生をメチャクチャにされないように頑張って生きているものだと思うし、同じくスキャンレンが出ていた『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』はそういう話だったと思うのだが、これは「どうせ死ぬんだし、これからメチャクチャにされる人生はないんだから、こういうタイプの男と深い仲になってもいいじゃないか」みたいな話だ。まあそれはそれで極めて理性的な選択だと思うのだが、見ていて自分がそういう話を面白いと思えるかというとそういうわけではなかった。

 さらにどうも引っかかってしまうところが2つくらいある。ひとつめはけっこう音楽が重要なポイントになっているのに、あんまりそれがちゃんと生きていないことだ。ミラのヴァイオリンが急に上手になったところで先生のギドンが恋でもしたのかと言うのだが、いやいや恋をしたくらいでそんな上手くなるわけねーだろ練習しなきゃ…と思ったし、最後に合奏をしたがっていなかった母アナ(エシー・デイヴィス)がようやく合奏に同意するところも、なんだか演奏としてあんまりパッとしなかったと思う。2つめはミラのモーゼスに対する態度で、一方では苦しんで死にたくないので自分を殺せとモーゼスに頼んだりする一方、父のヘンリー(ベン・メンデルソーン)にモーゼスをよろしくとお願いしたりしていて、イマイチ、恋人のモーゼスを対等な自立した人格として扱っていないように見える。やたら大人ぶるかと思えば無責任に自分を殺せと頼んだりするあたりがフツーのティーンエイジャーらしいのかもしれないが、あんまりロマンティックな恋愛ものとして真面目に受け取れる展開ではないと思った。まあ、この作品じたいがリアル志向でやや諷刺も入ったものになっているので、狙いは達しているのかもしれないが…

 

きっと、星のせいじゃない。(字幕版)

きっと、星のせいじゃない。(字幕版)

  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: Prime Video
 

 

あまり一貫性がなく、ちょっと無理が…ニック・エヴァンズ演出『ロミオとジュリエット』(配信)

 ニック・エヴァンズ演出、メトカーフ・ゴードン・プロダクションの『ロミオとジュリエット』を配信で見た。

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 先日の『エステラ・スクルージ』同様、グリーンバックでほぼ役者を別撮りし、後で合成したものである。しかしながら、全体的にファンタジー風味で美術については一貫性があった『エステラ・スクルージ』に比べると背景のデザインなどにけっこう疑問がある。かつては劇場が栄えていたが今は劇場が廃業してしまったロンドンのような街が舞台で、登場人物は全員現代の衣装を着ている。冒頭部分は劇場を舞台にしてやっているのだが、この劇場が全体的にあんまり廃れている感じがなく、勝手に若者たちが入って遊んでいるのがちょっと不自然に感じられる。さらに途中からフツーに住宅とか街路になるので、最初に劇場が出てきた意味はあまり無いんじゃないかと思った。終盤、ジュリエットのお墓の場面はまたミョーに劇場っぽくなるのだが、これもそんなに効果はあげていない。また、舞踏会の場面では散発的に登場人物がマスクをつけたりしているのだが、ポストコロナの状況と仮面舞踏会の設定を引っかけるなら全員手の込んだマスクをつけるべきだと思うのにそうなっておらず、「なんか最近のものを取り入れました」で終わってしまっている。全部CGで合成するのが大変だというのはわかるのだが、全体的に衣装とか美術のチョイスに一貫性が無い。新型コロナウイルス感染症の流行を演出に取り入れようとしたのだろうが、少なくとも私は「半端に劇場が廃れたロンドン」とかを見たいわけではない。劇場が懐かしいんだから、劇場設定でやるなら全部劇場でやってほしい。

 役者陣の演技はそう悪くないのだが、たまに妙にタイミングが不自然だったり、対話に親密感がなかったりして、これはやっぱり別撮りで役者陣が超やりにくかったのだろうなと思う。あと、別撮りのせいで殺陣に圧倒的に迫力が無く、突っ立ってる人をただ刺すみたいになっている。原作だと、ロミオのティボルト殺害及びパリス殺害はもみ合っているうちに致命傷に…みたいな感じなので、これは演出上も実によろしくなく、ロミオはやたら危険な人、ティボルトやパリスはちょっと鈍い人みたいに見えてしまう。新型コロナウイルス流行中にこういうことをやろうというやる気はすごいと思うが、まあ無理にやらなくても…と思ってしまった。

50分くらいの音楽劇~ジョン・カスケン、The Shackled King(配信)

 ジョン・カスケンのThe Shackled Kingを研究会メンバー限定の配信で見た。50分ほどの音楽劇で、ジョン・トムリンソンがリア王ロザンナ・マディルスがコーデリアや道化などを歌うものである。スタジオにある2つの机にリアと手を縄でつながれたコーデリアがいて、シェイクスピア劇のセリフをいろいろと歌うというものである。台詞の順番はシェイクスピア劇に従っておらず、全体的に終盤にリアとコーデリアが幽閉されているところの雰囲気が強いが、いろいろフラッシュバックがある。

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