「《北欧の至宝》マッツ・ミケルセン生誕60周年祭」の試写でスサンネ・ビア監督『アフター・ウェディング』(2006)を試写で見た。
インドで孤児などを対象にした人道援助事業をやっているヤコブ(マッツ・ミケルセン)は金策に窮していたが、実業家ヨルゲン(ロルフ・ラスゴード)が寄付をしたいという話を受け、交渉のためデンマークに帰国する。ところがヨルゲンの妻ヘレネ(シセ・バベット・クヌッセン)はヤコブの元恋人で、どうやら自分の娘である可能性が高いアンナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)が結婚するということがわかる。ヨルゲンが何を目的としているのか戸惑うヤコブだが…
全体的にドグマ95っぽく(ビアはもともとドグマ95に影響を受けている)、手持ちカメラの使い方とか話の展開などがトマス・ヴィンターベアの『セレブレーション』に似てるな…と思うところもあった。ただしこの話は『セレブレーション』と違ってけっこう正統派のメロドラマっぽい展開で、終盤はかなりちゃんとした人情噺だ。ヨルゲンの思惑が明かされ、ヤコブが生活を変える決心をするあたりの展開もそんなに斬新さはないが役者陣の演技でしっかりした人間ドラマになっている。