「大学共通テストにおける英語民間試験の導入中止を求める請願」togetterまとめを作りました

 本日行われた「大学共通テストにおける英語民間試験の導入中止を求める請願」についてのtogetterまとめを作って見ました。私も請願に署名しています。私は、大学ごとの個別試験に民間試験を導入するのには否定的ではありませんが、共通テストで導入するのは地方格差、経済格差の拡大につながるのですべきではないと考えています。

togetter.com

 

新刊が重版決定しました

 新刊『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』、発売3日で重版となりました。どうもありがとうございます。あまりこういう経験がないので大変嬉しいです。 

お砂糖とスパイスと爆発的な何か—不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
北村紗衣
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次回早稲田エクステンション講座は『リチャード二世』です

 次回の早稲田大学エクステンションセンター中野校の授業は「あなたがまだ知らないかもしれないシェイクスピア 『リチャード二世』を楽しむ」です。NTライヴで秋にサイモン・ラッセル・ビール主演『リチャード二世』が上映されるので、その準備的に7/22、7/29、8/5の3回でこの戯曲を読みます。シェイクスピアは全く読んだことがないという方もお気軽にご参加ください。

www.wuext.waseda.jp

 

『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が発売されました

 新刊『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が発売となりました。アマゾンのフェミニズムカテゴリで瞬間1位になっております。ありがとうございます。

 だいたいはwezzyの連載「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」に載せた記事を書き直したもので、このブログに書いた批評WLに書いた記事を直したものも入っていますが、完全に新しい書き下ろしは以下の6本(+前書き、後書き、コラム)です。

 

 

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新刊『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』、刷り上がりました

 新刊『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が刷り上がって家に届きました!

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家に届いた新刊

 

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とにかく好みでなくてつまらない~新国立劇場『オレステイア』(ネタバレ)

 新国立劇場でロバート・アイク版『オレステイア』を見てきた。とにかくつまらなくて、何から何まで趣味でない芝居だった。同じタイムラインを扱った大作劇としては、いろいろ問題もあったにせよ、『エレクトラ』のほうがだいぶマシだったと思う。こういうのが好きだという人がいるのはわかるが、私はできるだけこういうものは見たくない。

 

 お話は『オレステイア』三部作だが、アイスキュロスの芝居が始まるだいぶ以前、イピゲネイアの死の前から話が始まる。それ以降のあらすじはだいたい同じで、ギリシア軍の総大将アガメムノンが娘のイピゲネイアを生贄としたことに怒った妻クリュタイメストラが復讐のためアガメムノンを殺し、それに対して今度は父を殺された娘エレクトラと息子オレステースが復讐として母を殺すが、オレステースは結局神から赦してもらえる、という内容である。衣装などは完全に現代風で、セットはロバート・アイクっぽくスクリーンをふんだんに使ったものになっている。

 

 まず、おそらくロバート・アイクの台本が原因で気に入らなかったと思われるところをあげようと思う。ネタバレになるが、この作品ではエレクトラはオレステースの妄想であり、実在していない。私はアイク版『ハムレット』の時でもアンドルー・スコット演じるハムレットの妄想みたいな場面があったことについて非常に批判的なのだが、アイクはやたらと「これってパラノイアだよ!」みたいな演出が好きで、それが鼻につくところがあると思う(まあ、そうじゃないと『1984』みたいなものは作れないのだが)。しかし、強烈な母親クリュタイメストラを見て育ったオレステースが、自分の暴力性を外注するために別人格として姉エレクトラを作っていた…というのは、あまりにも精神分析チックでちょっとうんざりする。全体的にこの『オレステイア』はずいぶん精神分析じみた芝居である。 

 次に、おそらくアイクのせい…と思われるが、翻訳(平川大作)や演出(上村聡史)のせいもあるかもしれないところをあげようと思う。クリュタイメストラが夫を殺した後、やたら性的な台詞を言いながらセックスみたいな身ぶりをするところにちょっとミソジニーを感じた。クリュタイメストラが夫を殺すのは復讐なのだから、性的興奮と結びつけるのはおかしい。ただ、これは演出がやたら性的要素を強調していることや、翻訳の台詞について流れがイマイチ良くないことが問題なのかもしれないので、全部アイクの台本のせいかはわからない(翻訳は全体的にちょっとこなれてない感じがするところもあった)。

 また、最後の裁判の場面について、これは翻訳か演出のせいなのかな…と思うところがあった。アイスキュロスの『オレステイア』三部作の最終作『慈しみの女神たち』は、女の命よりも男の命のほうが価値があるからオレステースが赦してもらえるという、とんでもない家父長制プロパガンダで終わるので、たぶん今ふつうに上演すると鼻持ちならない芝居に見える(しかも女神アテナがものすごい性差別発言をするところがあり、男性のクリエイターが女神にこれを言わせているのかと思うとはっきり言って気持ち悪い)。改作とか翻案するのならばここをなんとかしないといけないのだが、レビューなどによると、どうももとの演出では最後に社会が家父長制的であるからオレステースが赦されるのだ、ということがよくわかるようになっていたらしい。しかしながらこの上演では翻訳のせいなのか演出のせいなのか、最後のキメの台詞がさらっと流れていてそれがいまいちはっきりしないのである。最後の裁判長の台詞や演技をもっと露骨にしたほうが良かったのじゃないだろうか。

 あと、これは演出だろうと思うのだが、全体的に舞台が大陸ヨーロッパのおしゃれっぽい芝居のバッタもんみたいに見えるのが良くない。セットを血まみれにするような上演は大陸ヨーロッパではけっこうあるが、私の記憶ではもっとうまくやってるなと思うようなものがたくさんあった。なんかちょっと気取って見える。

 なお、演技についてはとくに文句はない。横田栄司アガメムノンアイギストス二役はすごかったし、神野三鈴のクリュタイメストラはド迫力だし、ずいぶん影の薄いオレステースだと思ったらそれは抑えていたみたいで最後はちゃんと見せてくれた生田斗真も良かった。

10月にブラックフライアーズ学会で発表します

 10月にヴァージニア州ストーントンのアメリカンシェイクスピアセンターで開かれるブラックフライアーズ学会で発表することになりました。4月から始まった科研費プロジェクトの最初の成果発表になりそうです。テーマは近世イングランド演劇における口臭です。