オーソドックスな楽しい上演~国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ペンザンスの海賊』(配信)

 2023年度の国際ギルバート・アンド・サリヴァン祭『ペンザンスの海賊』を配信で見た。サイモン・バタリス演出、マリー・ヒプキン音楽監督による上演で、ナショナルG&Sオペラカンパニーによるものである。

 ナショナルG&Sオペラカンパニーの上演なので奇をてらったところなどはなく、セットも衣装もオーソドックスで、賑やかな笑えるプロダクションである。フレデリック(サム・マーストン)がかなり弱そう…というか、そんなに意志強固ではないのに責任感だけは強そうな感じで、そのせいでいろいろ悩んでしまうのが笑いを誘う。充分楽しめるプロダクションだが、ただ演出としては去年のちょっと攻めたバージョンのほうが良かったと思う。