ハノーファー歌劇場によるモンテヴェルディ『オルフェオ』の上演を配信で見た。2023年4月28日の上演を撮ったものである。デイヴィッド・ベイツ指揮、シルヴィア・コスタ演出によるものである。
全体的に冥界を意識させる暗い感じの悪夢っぽい雰囲気の舞台で、最初にフクロウが出てきたりけっこう神秘的なのだが、正直、自宅のテレビで見ていると歌手の表情などがよくわからなくてもうちょっと明るくして欲しいな…と思うところもある。若くて颯爽としたオルフェオ(ルヴヨ・ムブンドゥ)が、序盤は楽しい結婚式に備えてバチェラーパーティみたいなノリなのにエウリディーチェ(ニッキ・トルーニエット)の死後はすっかり消沈して自暴自棄になっているところに非常にギャップがあり、気の毒である。終盤に出てくるアポロ(マルコ・リー)はお医者さんみたいである。