雰囲気はいいのだが撮影があまり…『サタデー・フィクション』(試写)

 ロウ・イエ監督『サタデー・フィクション』を試写で見た。

 舞台は太平洋戦争直前の上海租界である。ヒロインのユー・ジン(コン・リー)は蘭心大劇院(実在する劇場)で上演される舞台に出るため上海にやって来るが、実はユー・ジンはスパイでもあった。上海租界で各国の諜報関係者の思惑が複雑に交錯するが…

 モノクロの綺麗な映像で雰囲気はとても良いのだが、全体的に話がやたら複雑である(ちょっと『ミッション:インポッシブル』シリーズとかを思い出してしまった)。さらに個人的に好きになれなかったのが手持ちカメラの使い方だ。私はもともとロウ・イエ監督の撮影がけっこう好きじゃないという自覚があるのだが、これもかなり手持ちを使っていて変なタイミングで画面がブレるので、個人的には大変苦手な映画だった。