小規模なシンデレラ~ポーリーヌ・ヴィアルド『サンドリヨン』(配信)

 ポーリーヌ・ヴィアルドのチェンバーオペラ『サンドリヨン』を配信で見た。2023年2月14日にソフィア王妃芸術宮殿で上演された公演である。ジョアン・フォントが演出をつとめている。

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 ピアノだけの伴奏で1時間10分強の短い上演で、規模の小さい公演である。1904年に女性の作曲家であるヴィアルドが作ったそうで、たぶんそんなに有名な演目ではない。このプロダクションは引っ越し業者が部屋を片付けていてシンデレラのお話の本を見つけ、シンデレラを上演するという枠に入っているので、セットは物置みたいな感じである。かぼちゃの馬車も脚立などを日用品を組み合わせて馬車に見立てている。

 可愛らしい話だが、全体的にはマスネとかロッシーニのシンデレラものに比べるとだいぶ軽いお話という感じである。もともと作曲家のサロンで初演されたそうで、演出のせいもあって全体的に楽しい余興みたいな雰囲気で、どっちかというと子ども向けのパントマイムに近いものを感じた。最後は妖精の代母が現れてお祭り気分で終わる。