あまりバランスの良い作品ではなかったような…『レイディマクベス』

 大手町ホールで『レイディマクベス』を見た。ジュード・クリスチャン脚本、ウィル・タケット演出の『マクベス』翻案である。

 レイディマクベス天海祐希)中心の翻案で、マクベスアダム・クーパーが演じている。正直なところ全然面白いと思わなかった…というか、なんかやたら元の台本をいじって複雑にした気取った作品だな…と思った。設定は全然『マクベス』らしくはなく、だいぶ変更してある。やたらしゃべるレイディマクベスに対してクーパーはけっこう出番が少なく、一方で途中ですごく印象的なダンスがあるので、なんだか1本の芝居としてはけっこうバランスが悪いような気がした。女性を中心にした翻案ということなら先日見た『マクベスの妻と呼ばれた女』のほうがずっとよくできていると思う。