英文学
『yom yom』62号にジェーン・オースティンとジョージ・ムアに関する記事を寄稿しました。英文学における結婚を扱うもので、この後何回か書く予定です。書誌情報は以下のとおりです。 北村紗衣「結婚というタフなビジネス」『yom yom』62号、2020年6月号、56-…
シャウビューネ『オーランド』を配信で見た。以前に東京芸術劇場で見たサラ・ルールのバージョンとは別のもので、アリス・バーチ翻案、ケイティ・ミッチェル演出のものである。ベルリンのシャウビューネなのでもちろんドイツ語で、英語字幕がつく。2019年に…
ナショナル・シアター・ライヴがナショナル・シアター・アット・ホームとしてウェブ配信している『ジェーン・エア』を見た。 www.youtube.com 木枠みたいな2段になっているシンプルなセットがあるだけで、衣装も簡素なもので、ヴィクトリア朝風のお屋敷など…
日本語版ウィキペディアに劇場 (モーム)の記事を作りました。英語版からの翻訳に加筆したものです。 ja.wikipedia.org
今日から新型コロナウイルスで劇場が閉鎖された代替として配信されている芝居をレビューしようと思う。第一弾はミュージカル『高慢と偏見』にする。 www.youtube.com これは言わずと知れたジェーン・オースティン原作の古典の翻案で、ポール・ゴードンにより…
恵比寿のエコー劇場で『まじめが肝心』を見てきた。文化庁海外研修の成果公演だそうで、演出家の大澤遊をはじめとして海外研究に行ってきたスタッフがかかわっている。ワイルドの人気作だが日本ではそんなによく上演されるわけではないので、ちょっと心配し…
文化村で行われた クマのプーさん展に行ってきた。私はどうもプーさんのぬいぐるみと野生動物が同レベルで離したりする設定が苦手なのだが、学生には卒論の題材としてとても人気があるので行ってこなければと思って見てきた。原画がたくさん来ており、他にも…
『メアリーの総て』を見てきた。『フランケンシュタイン』の著者であるロマン主義の小説家、メアリ・シェリーの伝記映画である。 www.youtube.com ウィリアム・ゴドウィンとメアリー・ウルストンクラフトの娘であるメアリー(エル・ファニング)は義理の母(ジ…
文化村ザ・ミュージアムで「生誕60周年記念 くまのパディントン展」を見てきた。原画などが多くて面白かったが、ただ昔のアニメのビデオなどを放送するブースではほぼ無音の状態で見ることになってしまったので、字幕をつけてほしかったと思う。自分のパディ…
テレンス・デイヴィス監督『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』を見てきた。19世紀アメリカの詩人、エミリ・ディキンスンの生涯を描いた伝記映画である。学生時代から死まで、マサチューセッツ州アマストで静かに暮らしていたディキンスンの生涯を追う。 …
テレンス・ラティガンの『深く青い海』を見てきた。演出はキャリー・クラックネルで、既に一度、クラックネルが演出した『人形の家』を見たことある。 舞台は戦後のロンドン。ヒロインのヘスター(ヘレン・マックロリー)は夫のウィリアムから離れてテストパイ…
献本で頂いた日本英文学会(関東支部)編『教室の英文学』(研究社、2017)を読んだ。教室の英文学posted with amazlet at 17.07.11研究社 売り上げランキング: 103,474Amazon.co.jpで詳細を見る 攻撃されがちな英文学と英語を組み合わせた大学教育について、…
千葉市美術館で「絵本はここから始まった−ウォルター・クレインの本の仕事」を見てきた。非常に見応えがあり、キレイな本が単純にいっぱいあるというだけではなく、シェイクスピアものとかウィリアム・モリスの政治的著作、ケイト・グリーナウェイなど周辺の…
シアターグリーンでサマセット・モーム『劇場』の舞台版『劇場-汝の名は女優-』を見てきた。原作は小説で、サボー・イシュトヴァン監督が『華麗なる恋の舞台で』として映画化している作品である。 1930年代のロンドン。大女優ジュリアは円熟した芸で順風満帆…
こちらの記事は加筆修正して雑誌に掲載するため、公開停止しました。
青木豪演出、Dステのオールメール『お気に召すまま』を見てきた けれんや小細工はあまり使わず、要所要所で笑わせる正攻法な演出である。セットは両脇に布の小屋を建て、真ん中を小高くして奥に木などを配置するというものだ。結婚式の場面などではセットに…
六本木のEXシアターで、ピーター・シェーファーのコメディ『レティスとラベッジ』を見た。演出は高橋昌也で、黒柳徹子と麻実れいが主演である。 ヒロインであるレティス(黒柳徹子)はカントリー・ハウスのガイドをつとめているのだが、型どおりの解説がつまら…
文化村で『ピーターラビット展』を見てきた。最初に私家版で出た『ピーターラビットのおはなし』を含めた原画や書簡などを多数展示しており、解説パネルもわりと充実している。ディーン・フジオカが出ている解説ビデオもわかりやすい。やたら「ビアトリクス…
ロンドン・プレイハウスで『1984』を見てきた。ジョージ・オーウェル『1984』の翻案である。ロバート・アイク(Ickeなので「イック」かも)、ダンカン・マクミラン、ダニエル・ラゲットが翻案・演出を担当している。原作に出てくる拷問室、101号室にひっかけて…
グローブ座でイクバル・カーン演出の『マクベス』を見てきた。 かなり視覚的に凝った演出で、黒いカーテンやスモークなどを使って非常に不吉で奇妙な雰囲気を醸し出している。わりと現代的なセットや衣装なのだが、かなりゴスい趣味で、魔女の場面では人形の…
アルメイダ座でルパート・グールド演出、レイフ・ファインズ主演の『リチャード三世』を見てきた。衣装なども現代風にモダナイズされ、レスターでの発掘の成果も取り入れた演出である。 このプロダクションは、現代人がレスターの駐車場を発掘して人骨が出て…
RSC『フォースタス博士』を見てきた。クリストファー・マーロウの有名作で、知識を得て願いをかなえるために悪魔と契約したフォースタス博士の地獄落ちまでを描く芝居である。演出はMaria Aberg(「マリア・エイバーグ」か「マライア・エイバーグ」か、ことに…
RSCの『シンベリン』を見てきた。演出はメリー・スティール。古代のブリテン王シンベリンの娘である王女イノジェンが親の意向に反して身分の低いポスチュマスと結婚したことから起こるさまざまな騒動を描く物語である。追放されたイノジェンの夫ポスチュマス…
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー『錬金術師』を見てきた。ベン・ジョンソンの有名な戯曲で、ポリー・フィンドリー演出である。あらすじは日本で上演された際のこちらを見て欲しいのだが、基本的には初期近代ロンドンを舞台に、屋敷の主人が留守をして…
子供のためのシェイクスピア『オセロー』をあうるすぽっとで見てきた。カットして2時間におさめたコンパクトな上演である。 このプロダクションシリーズはいつも演出・出演の山崎清介が人形を使用するのだが、今回はイアーゴーが人形を使うようになっており…
こちらの記事は加筆修正して雑誌に投稿するため公開停止しました。
東長崎てあとるらぽうで百年先俳優会による内田聡明演出『リチャード二世』を見てきた。あまり期待していなかったのだが、思ったより断然面白かった。いろいろ良くなかったところもあるのだが、演出が好みだという点ではデイヴィド・テナント版や蜷川の『リ…
世田谷パブリックシアターで野村萬斎の『マクベス』を見てきた。つまらないというわけではなかったのだが、ただ2年前に見た時のほうが面白かった気が…少し演出がシンプルになっているように思ったのだが、そのせいかな?
科学史学会メンバーでシスカンパニーの『コペンハーゲン』を見てきたのだが、これについてはちょっと依頼劇評を書く可能性があるので、劇評を準備するためのメモ程度に。 ・第一幕でできあがった物語を第二幕でブチ壊す構造→歴史記述に対する批判、『ゴドー…
新国立劇場マンスリープロジェクト演劇講座「ジョン・フォードとエリザベス朝演劇」に行ってきた。講師は師匠である河合祥一郎先生である。 上演中の『あわれ彼女は娼婦』を、他の芝居との比較を通して英国ルネサンス演劇の中に位置づけるというもので、とて…