イギリスで見たバージョンに比べると…『Gypsy』

 東京芸術劇場で『Gypsy』を見てきた。言わずと知れたジプシー・ローズ・リーの伝記ものである。ジューリー・スタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞、アーサー・ローレンツ台本によるもので、どうも最近はソンドハイムブームのようだ。

 別に悪くはないし、作品じたいに力があるので十分楽しめはする…のだが、個人的にはそこまででもない感じだった。イギリスで一度見て、さらにソフトも見たことがあるのだが、それに比べると見劣りするかなぁ…という感じである。ローズ役が大竹しのぶ、ジプシー役が生田絵梨花なのだが、ソンドハイムのミュージカルはもうちょっと複雑な歌がこなせる歌手を雇うべきではと思う。以前に『リトル・ナイト・ミュージック』を見た時もそう思ったのだが、ソンドハイムの作品は話も歌も複雑なので、それに応じた配役にすべきではないかと思う。