劇団東京乾電池創立40周年プラス1公演『煙草の害について』『夏の夜の夢』

 明治座劇団東京乾電池創立40周年プラス1公演『煙草の害について』『夏の夜の夢』を見てきた。『夏の夜の夢』目当てだったのだが、『煙草の害について』のほうが個人的には面白かったかも…

 前半『煙草の害について』はチェーホフの短い芝居を脚色したもので、柄本明の一人芝居である。煙草の害についての公演だったはずが、妻の話やらなんやら脱線続きでえらいことになる。たったひとりで歌ったり動き回ったり下ネタを言ったり、とにかく可笑しい芝居で、柄本明はさすがだなと思った。

 後半『夏の夜の夢』はわちゃわちゃとした賑やかな上演で脱力系のユーモアがあり、演歌を歌ったり、妖精が出てくる場面では派手な衣装を着込んだたくさんの役者が出てきたり、いろんなものが詰め込まれている。まあまあ楽しかったのだが、台詞を英語と日本語ちゃんぽんにする効果はけっこう疑問だった。箱が大きいからかもしれないのだが、ちゃんぽんにするとけっこう台詞の流れが悪くなって、英語だけではなく日本語のほうも聞き取りづらく聞こえるところがある。カットの仕方はわりと面白く、眠っている恋人たちをシーシアスとヒポリタが発見する場面や、ボトムが職人仲間のところに帰ってくる場面などがなくなっているが、それでもきちんと話の意味は通るようにつなげている。柄本明のあまり頼りにならなそうなオーベロンと、「ぱ」という文字をお腹につけた角替和枝の元気なパックは良かったと思う。