枠は要らないのでは…『鷹姫』

 国立能楽堂で『鷹姫』を見てきた。ウィリアム・バトラー・イェーツの『鷹の井戸』を原作とする能である。今回はカクシンハンの木村龍之介が演出している。

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 私は大変能が苦手で、ちゃんと最後まで起きていられたためしが無く、今回も序盤でクーフリンよろしく一度気を失いそうになってしまった(その後持ち直した)。あまりしっかり理解できた自信はないのだが、それでもなかなか鷹姫(宝生和英)が妖艶だと思ったし、またコロスをつとめる岩がたくさんいて衣装もモダンな感じで、けっこう活躍するのでむしろ舞台が狭く見えると思った。ただ、最初のシェイクスピアの『ヘンリー六世』の枠はあまり意味がないので(最後に枠がきちんと閉じたりすることもない)要らないのではないかと思う。なお、ポストトークや解説などによると『鷹姫』はもう40回近く上演されていて新作能としては大人気と言えるものであるらしい。クーフリン役も能役者がやりたがる良い役であるそうだ。