ブルームズデイイベント(7)ジェイムズ・ジョイス・タワー&Ulysses aWake

 サンディコーヴのジェイムズ・ジョイス・タワーでUlysses aWakeを見てきた。

 まずはタワーを見学。このタワーはジョイスが数日だけ住んでいたところで、『ユリシーズ』にも出てくる。

タワー。

ジョイスの持ち物やいろいろな『ユリシーズ』の版などが展示されている。

ジョイスのトランク

ジョイスがちょっとだけ住んでおり、『ユリシーズ』冒頭に出てくるモデルになった部屋。ダブリン、昔から住宅事情が悪かったんだな…

 Ulysses aWakeは野外上演で、『ユリシーズ』を90分でダイジェストみたいに上演するというものである。最初に全編を説明する歌があり、その後音楽を交えながら全編を上演する。90分なので全ての挿話をきちんとやっているわけではなく、飛ばしているところもけっこうあるが、「キルケ」とか「ペネロペイア」はわりとしっかりやっていたように思う。ブレイセズ・ボイランが言及されるたびにボイラン役の歌手が出てきて歌を歌うのがなんともウザくて笑えた。終盤では、優男ふうで弱々しく、ハムレットばりの黒づくめで憂鬱そうなスティーヴンをブルームがいろいろ助けてあげており、わりと心温まる別れ方をしていたし、ポジティヴな終わり方だった。

 なお、野外上演なので海風が強く、途中で仮設セットの柱があわや倒れそうになっていた。その後はなんと最後までスタッフが人力で柱を押さえていた。いくらなんでも土嚢とかで抑えたほうがいいのでは…と思う。