エディンバラ旅日記(14)スコットランド国立図書館(禁書展)

 さて、この旅は一応調査旅行なのでスコットランド国立図書館にも行ってきた。

 …ところが、ここでの調査は全然うまくいかず。しょうがないので展覧会だけ見て帰る。

 図書館では禁書展っていうのをやっていたのだが、これは古今東西の検閲された本をテーマにしたもので大変面白かった。19世紀くらいののぞきポルノから最近の『ハリー・ポッター』シリーズまでいろいろな禁書が展示されている。とくに面白かったのはサラ・ペイリンが図書館からのしめ出しを試みたという噂のある『Daddy's Roommate』という絵本。これは両親が離婚して父親がゲイの連れ合いと住むようになった男の子の話である。どうってことない家庭ものの絵本のように思えるのだが、ゲイの家庭を描いているということで子供に読ませないようにする動きがあったそうだ。

 また、『The Rabbits' Wedding』という絵本は異人種間の結婚を奨励しているとしてアメリカ南部でものすごい抗議を受けたのだそうだ。

 …なんかここまでくるともう検閲するほうの神経がちょっと理解できないのだが…


 あと全然知らなかったのだが、映画化されたAngus, Thongs and Full-Frontal Snogging: Confessions of Georgia Nicolson(『ジョージアの日記』シリーズ)とかThe Kite Runner(『君のためなら千回でも』)も検閲に近い行為の対象となったそうだ。『ハリー・ポッター』その他の魔法もの児童書についてはいったいなんでそんなに抗議されてるのか非キリスト教徒にはよくわからない(というかクリスチャンでも大部分はよくわからないだろう)のだが、とくに児童書の分野においては検閲類似行為は今でもかなりあるようで、大人向けの図書とは基準がかなり違うのが興味深い。