ローマ一日目、意外とヴァティカンが早く見終わってしまったので午後からはヴェネツィア広場からスペイン広場のあたりで月曜日もあいている美術館などを中心に散策することにした。
まずはドーリア・パンフィーリ宮殿美術館に。
中庭以外は撮影禁止だったのだが、ここは内装も展示されている絵もとにかくすごくて、ふらっと入ったのにものすごい満足度だった。とくに目玉絵画であるカラヴァッジオの「エジプトへの逃避途上の休息」は今回のイタリアスモールツアーで一番すごいと思った絵だった。天使の白い肌やヒザの裏にさす影、足にまとわりつく着物などの描写が異常に精密である。これを見て、視覚的リアリティというのは題材が現実に起こりそうかとかとは全然関係ないんだなと思ったな…たとえばりんごは毎日食ってるもので、天使は一度も見たことない架空の存在だが、セザンヌのりんごよりカラヴァッジオの天使のほうが数倍リアルである。ただ、ドーリア・パンフィーリの照明がけっこうテカテカしていてカラヴァッジオの精密描写、とくに影になっている楽譜の部分などの描写がよく引き立たない感じになっていたのはかなり不満。
さて、ドーリア・パンフィーリで大満足したあとは移動。
トレヴィの泉へ。
スペイン広場。
スペイン広場の脇にあるキーツ&シェリー博物館へ。
イタリアに結核の療養にやってきたキーツがこの家で亡くなったらしい。
結核患者が死んだ部屋のものは感染防止のため行政命令で全て焼却処分にされることになっていたため、キーツの部屋のものはひとつも残っておらず、ベッドなどは後世の復元らしい。
ここはキーツの受容史史料もたくさん収集しており、なんとエリザベス・バレット・ブラウニングやオスカー・ワイルドがキーツに言及した手稿なども展示している。
ここまできてこんなに充実した英文学の展示を見れると思ってなかったので大満足。