舞台はヘルシンキである。横暴な雇い主のせいでクビになったアンサ(アルマ・ポウスティ)と、飲酒問題を抱えているホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)がふとしたことから出会い、お互いの名前も知らないまま好意を抱き合うがいろいろすれ違って…という作品である。オフビートなユーモアあふれるロマンスもので、ヘルシンキのワーキングクラスの人たちの暮らしをちょっとファンタジーっぽい誇張もありつつ優しく描いている。『デッド・ドント・ダイ』とか『めぐり逢い』とか以前の映画に対するレファレンスもあり、短いながらけっこう映画史を意識した作りになっている。