美味しそうな料理にイヤな感じ~『FEAST 狂宴』(試写)

 ブリランテ・メンドーサ監督『FEAST 狂宴』を試写で見た。

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 フィリピンの地方が舞台である。レストランを経営するリッチな一家の息子ラファエル(ココ・マーティン)は交通事故で貧しい一家の父親を死なせてしまう。ラファエルの罪をかぶって父アルフレッド(リト・ラピッド)が収監されることになる一方、一家は罪滅ぼしに被害者の妻であるニタ(グラディス・レイエス)を雇うことにする。アルフレッドが刑務所から帰ってくるのを祝う宴の準備が行われるが…

 タイトルに「狂宴」という言葉が入っているが、これはちょっと大げさ…というか、タイトルから想像するよりもはるかにじわじわっとイヤな感じのする映画である。レストランを経営する一家と被害者一家の貧富の差や、お金持ちの優しいつもりで無神経なところが、なんとなく居心地悪くなるような感じ満載で描かれている。全体的にものすごく美味しそうな料理がたくさん出てくるのだが、この祝宴にはあまり出たくないな…と思うところが多い。終わり方はちょっと「ええっ?」と思うようなものである。