ワンカットで料理を撮る~『ポトフ 美食家と料理人』

 トラン・アン・ユン監督『ポトフ 美食家と料理人』を見た。

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 19世紀、有名な美食家ドダン(ブノワ・マジメル)とシェフのウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)は、20年にわたる付き合いで創造的な美食を生み出してきた。最高のパートナーである2人はとうとう結婚することになるが、そこでウージェニーの病気が発覚する。病に倒れたウージェニーをドダンは元気付けようとするが、ウージェニーはとうとう亡くなってしまう。

 とにかく出てくる料理がどれもすごく、さらに調理過程などをワンカットで撮ったり、最後にも長くてかなり凝ったショットがあったり、美しい映像に対するこだわりに満ちた作品である。別に実在する料理人の話ではないようだが、エスコフィエが話題に出てくるなど、時代設定は意識されているようだ。終盤の、凝った料理よりはフランスの田舎料理であるポトフで勝負を…みたいな展開はちょっと『レミーのおいしいレストラン』に似ている。